ジャンル 日本の歴史と文化

オンライン

「メディア」としての浮世絵 ー版元・蔦屋重三郎の仕事を導入部として

  • 春講座

菅原 真弓(大阪公立大学教授)

曜日 火曜日
時間 15:30~17:00
日程 全8回 ・04月01日 ~ 06月03日
(日程詳細)
04/01, 04/08, 04/15, 04/22, 05/13, 05/20, 05/27, 06/03
コード 710232
定員 30名
単位数 1
会員価格 受講料 ¥ 23,760
ビジター価格 受講料 ¥ 27,324

目標

・江戸時代文化に関する理解を深める
・江戸時代に既に存在した「メディア」である浮世絵の魅力を確認する

講義概要

江戸時代に興隆した「浮世絵」。浮世絵には一点ものの肉筆画と、何点もの本物が存在する印刷物である浮世絵版画とがあります。特に後者は、大量複製、大量頒布が可能であるという点で、江戸時代におけるメディアであったということができ、私たちは今も、残された浮世絵版画から、当時のトレンド(流行)を探ることができます。また幕末期以降の浮世絵版画は、開国や明治維新、その後の戦乱などを伝えるニュースメディアとしても大いに機能しました。本講義では、「江戸のメディア王」と称された2025年大河ドラマの主人公・蔦屋重三郎の仕事を導入として、メディアとしての浮世絵版画について語ります。

各回の講義予定

日程 講座内容
1 04/01 【導入】江戸のメディア王・蔦屋重三郎の仕事 2025年大河ドラマの主人公・蔦屋重三郎は俗に「江戸のメディア王」と呼ばれます。一代にして自らの店舗・耕書堂を起こし、浮世絵を代表する2人の著名な絵師、喜多川歌麿と東洲斎写楽を世に送った蔦屋重三郎(通称「蔦重」)の戦略について語ります。
2 04/08 浮世絵版画の機能と特質 大量複製、大量頒布が可能な浮世絵版画は、たとえば現代で考えるところのグラビア(美人画や役者絵)や世相風刺媒体(戯画、風刺画)、あるいは観光ガイドブック(名所絵)、そして世の中の流行、世相を映し出す、いわゆる「報道」媒体としての機能を持っていました。浮世絵版画のこうした機能とそれゆえの特質について語ります。
3 04/15 浮世絵版画の機能、各論:報道媒体としての版画 浮世絵版画以前の瓦版や風刺画などの存在も踏まえ、複製可能な版画ゆえの報道媒体としての側面を語ります。
4 04/22 浮世絵版画、海を渡る〜ジャポニスム概論〜 日本美術史上での評価とは別に、現在もなお、最も著名な「日本美術」と考えられているのが浮世絵版画です。19世紀の後半に西欧に渡った浮世絵版画がいかにヨーロッパに受容されたのか、を語ります。
5 05/13 ジャポニスム各論:葛飾北斎の場合 「HOKUSAI」の名前よりも先に受容された北斎イメージとその広がり、特徴について語ります。
6 05/20 ジャポニスム各論:歌川広重の場合 よく知られたゴッホによる模写作品を含め、広重作品がいかにヨーロッパで受け入れられたかについて語ります。
7 05/27 【閑話休題】日本近代における「作品」としての版画 浮世絵版画は、明治38年(1905)、日露戦争の終焉とほぼ同時期にその役割を終え、終焉を迎えます。その後に登場したのが「創作版画」や「新版画」といった作品群でした。これらが浮世絵版画とどのように違い、一方で、共通点をも持っていくのか、を語ります。
8 06/03 今に生きる浮世絵 明治時代にその歴史的役割を終えた浮世絵版画ですが、現在もなお、私たちの生活の身近なところに生き続けています。それはたとえばコマーシャルアートの世界であったり、あるいは、新たに浮世絵版画を受容し、転生させた現代アート作品としてであったり。最終回は、今も生き続ける「浮世絵」について語ります。

ご受講に際して(持物、注意事項)

◆3/14(金)11:00より本講座の無料体験講座を実施します。
◆無料体験講座お申込みはこちらから。https://www1.ex-waseda.jp/online/ 「無料体験講座」をクリックし、「絞り込み」をクリックしてください。

◆休講が発生した場合の補講日は6月10日(火)を予定しております。
◆Zoomウェビナーを使用したオンライン講座です。
◆お申込みの前に必ず「オンラインでのご受講にあたって」をご確認ください。
◆お申込みいただいた有料講座の動画は、当該講座実施の翌々日(休業日を除く)17:30 までに公開します。インターネット上で 1 週間のご視聴が可能です。視聴方法は、以下をご確認ください。
【会員】授業動画の視聴方法(会員向け)
【ビジター】授業動画の視聴方法(ビジター・法人会員向け)

備考

無料体験会での本講座の様子を公開しました。5分程度の動画です。
再生すると音が出ます。視聴の際はご注意ください。

講師紹介

菅原 真弓
大阪公立大学教授
博士(哲学、学習院大学)。2017年より現職。専門分野は日本近世近代絵画史、媒体(版画)史。主要著書に『月岡芳年伝―幕末明治のはざまに』(中央公論美術出版、2018年)や『明治浮世絵師列伝』(中央公論美術出版、2023年)などがある。2019年、『月岡芳年伝』の成果により第69回芸術選奨文部科学大臣新人賞受賞。
  • 外国語 コースレベル選択の目安
  • 広報誌「早稲田の杜」
  • オープンカレッジ友の店