ジャンル 芸術の世界
早稲田校
没後120年 エミール・ガレの世界
鵜飼 敦子(帝京大学准教授)

曜日 | 金曜日 |
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時間 | 10:40~12:10 |
日程 |
全8回
・04月18日 ~
06月13日 (日程詳細) 04/18, 04/25, 05/09, 05/16, 05/23, 05/30, 06/06, 06/13 |
コード | 110439 |
定員 | 30名 |
単位数 | 1 |
会員価格 | 受講料 ¥ 23,760 |
ビジター価格 | 受講料 ¥ 27,324 |
目標
・19-20世紀の工芸史に関する理解を深める。
・ガラス作品鑑賞のポイントを身につける。
・エミール・ガレの作品技法に詳しくなる。
講義概要
アール・ヌーヴォー様式の作品で知られる19世紀フランスの工芸家エミール・ガレ(1846-1904)は、後に「ナンシー派」と呼ばれる産業芸術地方同盟を結成し、工芸の発展に貢献しました。植物学に精通し、日本的なモチーフをデザインに取り入れ、ジャポニスムの潮流に乗って独自の美学を創出したガレは、同時に工房の経営者として作品を市場に広め、さまざまな技法の開発にも取り組みました。さらに、政治的な発言を通じてガラス工芸を芸術の領域にまで高めた功績も見逃せません。本講座では、ガレを取り巻く社会的背景や芸術史的観点から彼の多面的な側面を考察し、その技法や表現方法を探ることで、作品理解を深めていきます。
各回の講義予定
回 | 日程 | 講座内容 | |
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1 | 04/18 | エミール・ガレをとりまく世界①—万国博覧会の世紀 | 本講座の前半では、エミール・ガレの人物像や作品理解に必要な基本的事項や歴史的背景を学びます。第1回目では、ガレが多くの作品を出品した万国博覧会についてお話します。 |
2 | 04/25 | エミール・ガレをとりまく世界②—「日本美術」とジャポニスム | 19世紀の万国博覧会ではジャポニスムのブームが起こり、ガレの作品にも日本的な意匠が多く見られるようになりました。この回では、ジャポニスムとは何か、その本質について学びます。 |
3 | 05/09 | エミール・ガレをとりまく世界③—アール・ヌーヴォーと世紀末芸術 | ガレはガラス工芸だけでなく、陶器やアール・ヌーヴォー様式の家具も残しています。「新しい芸術」を意味し曲線が美しいこの様式について、他の様式と比較しながら世紀末芸術の特徴を考察します。 |
4 | 05/16 | エミール・ガレをとりまく世界④—日本とのつながり | ガレは東洋美術に関心を寄せ、日本を意識した作品を多く生み出しました。この回では、ガレと交流のあった日本人芸術家・高島北海について最新の研究成果を交えながら紹介します。 |
5 | 05/23 | エミール・ガレをよみとく①—植物学研究と日本の植物 | 本講座後半では、エミール・ガレの作品鑑賞に向け、彼の言辞から作品を読み解くための手がかりを探ります。この回では、ガレと植物との関係について掘り下げて学びます。 |
6 | 05/30 | エミール・ガレをよみとく②—不透明ガラスと技法解説 | ガレは他の工芸家が追求した透明度ではなく、ガラスに多様な表情を与えることを目指した芸術家でした。この回では、ガレが開発した独特な色彩や技法について詳しく学びます。 |
7 | 06/06 | エミール・ガレをよみとく③—不均一性と「偶然の美」 | ガレの作品の魅力は、炎や不純物といった予測できない要素を制作過程に取り入れたことにあります。この回では、ガレの自作品解説書を比較しながら、「偶然の美」について考察します。 |
8 | 06/13 | エミール・ガレをよみとく④—芸術の普及者と「美の階級」 | 「芸術に階級なし」と説き、生活の中に芸術を浸透させる努力をしたガレ。最終回では、ガレのこれまでの日本でのイメージを刷新し、彼の真の姿に迫ります。 |
ご受講に際して(持物、注意事項)
◆参考図書として、『没後120年 エミール・ガレ展 美しきガラスの世界』(imura art + books、ISBN:978-4991154669)をお読みいただきますと講座への理解が深まります。(講義内でも適宜紹介します。)
◆3/8(土)10:00より本講座の無料体験講座を早稲田校で実施します。
◆無料体験講座お申し込みはこちらから。
https://www.wuext.waseda.jp/course/detail/65505/
講師紹介
- 鵜飼 敦子
- 帝京大学准教授
- 専門分野は19世紀の日仏文化交渉史。国際ロータリー財団奨学生としてフランス、アミアン大学美術科修士課程に留学。ジャポニスムや工芸をテーマに、ナンシーにて高島北海の調査をおこなう。博士(人間・環境学、京都大学)。東京大学東洋文化研究所研究員としてグローバル・アート・ヒストリー研究を展開、日本学術振興会PD等を経て現職。2003-2004年「没後100年記念エミール・ガレ」展覧会企画および共同監修(京都・名古屋)、2024年、美術館「えき」KYOTO「没後120年記念エミール・ガレ―美しきガラスの世界」展監修。日仏語の共著書『日本の生活空間』が2014年 フランス建築学会賞書籍部門を受賞。2017年より毎年、名古屋松坂屋『アール・ヌーヴォーガラスの世界展』図録を執筆している。