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不都合な近代仏教史―戦争に日本仏教界がどうかかわったか
鵜飼 秀徳(作家、京都・嵯峨 正覚寺住職、大正大学招聘教授)

曜日 | 木曜日 |
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時間 | 10:30~12:00 |
日程 |
全5回
・04月03日 ~
06月05日 (日程詳細) 04/03, 04/17, 05/15, 05/29, 06/05 |
コード | 710530 |
定員 | 30名 |
単位数 | 1 |
会員価格 | 受講料 ¥ 14,850 |
ビジター価格 | 受講料 ¥ 17,077 |
目標
・近代仏教史の暗部を知る。
・権力と宗教との関係性を知る。
・仏教の戦争責任を学ぶ。
講義概要
明治維新時の廃仏毀釈後、仏教界は再起をかけて立ち上がる。それは、救済宗教からはかけ離れた姿だった。植民地政策に積極的に加わり、大陸での寺院建立、従軍僧の派遣などを推し進めていく。第二次世界大戦時には零戦や軍艦を献納していた。戦争の痕跡は各地の寺院にいまなお、残る。なぜ、多くの寺院に「梵鐘」がないのか。どの墓地にもあるオベリスクみたいな墓の意味は? 今に伝わる写真とともに、かつての日本仏教界の暗部をえぐりつつ、現代仏教が平和社会の実現に向けてどうあるべきかを問う。国際社会が不安定な今だからこそ学ぶべき、日本人必須の教養講座。
各回の講義予定
回 | 日程 | 講座内容 | |
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1 | 04/03 | 廃仏毀釈後の仏教界 | 寺社領が召し上げられた上知令、肉食妻帯などを許した僧侶の俗化政策、僧侶の職業化などの政治の圧力は仏教者を怯えさせた。特に浄土真宗は政府に極端なほど恭順の姿勢をみせ、国家への献金運動などに発展していく。結果的に、富国強兵、植民地政策に積極的に加担することになっていく。 |
2 | 04/17 | 日清戦争・日露戦争と仏教界 | 仏教界は日清・日露戦争において、積極的に大陸に進出した。満州国が建国され、日本人移民の入植が始まると、寺院が続々と建立されていく。浄土真宗本願寺派では太平洋戦争終結までに69か寺を満州に建立している。 |
3 | 05/15 | 日中戦争・太平洋戦争と仏教界 | 戦時中の仏教界の軍事支援は、銃後運動という間接的支援だけには留まらなかった。宗門が主体的に、強力に戦争に関わった事例の最たるものが、零戦をはじめとする軍用機、あるいは軍艦の献納だ。仏教界全体では50機以上が献納され、終戦直前には特攻機として使用された。 |
4 | 05/29 | 金属供出と寺院 | 梵鐘は戦前には全国に約5万口あったとされるが、ほとんどが供出された。金属供出によってお寺の風景が一変したのが四天王寺。高さ8メートル近く、重さ64トンもの「世界一の梵鐘」があったが消滅した。代替鐘としてコンクリート鐘が残る寺院もある。多くの「大仏」も溶かされた。 |
5 | 06/05 | 寺院に残る戦争の痕跡 | 各地の寺院の境内には「天牌」「戦時戒名」「奥津城」「顕彰碑」「砲弾」などが残り、帝国主義の面影を残している。また、防空壕などが残る寺院もある。GHQによる農地開放と寺院への影響についても解説する。 |
ご受講に際して(持物、注意事項)
◆3/14(金)16:00より本講座の無料体験講座を実施します。
◆無料体験講座お申込みはこちらから。https://www1.ex-waseda.jp/online/ 「無料体験講座」をクリックし、「絞り込み」をクリックしてください。
◆休講が発生した場合の補講は、6月19日(木)を予定しております。
◆Zoomウェビナーを使用したオンライン講座です。
◆お申込みの前に必ず
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◆お申込みいただいた有料講座の動画は、当該講座実施の翌々日(休業日を除く)17:30までに公開します。インターネット上で1週間のご視聴が可能です。視聴方法は、以下をご確認ください。
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【ビジター・法人会員】授業動画の視聴方法(ビジター・法人会員向け)
備考
無料体験会での本講座の様子を公開しました。5分程度の動画です。
再生すると音が出ます。視聴の際はご注意ください。
講師紹介
- 鵜飼 秀徳
- 作家、京都・嵯峨 正覚寺住職、大正大学招聘教授
- 京都・嵯峨の正覚寺に生まれる。大学卒業後、新聞記者・雑誌編集者を経て2018年に独立。主に「宗教と社会」をテーマに取材、執筆、講演などを続ける。著書に『寺院消滅』『仏教抹殺』『仏教の大東亜戦争』『絶滅する「墓」』『仏教の未来年表』(PHP新書)など多数。正覚寺住職、大正大学招聘教授、東京農業大学・佛教大学非常勤講師。(一社)良いお寺研究会代表理事。