ジャンル 人間の探求

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親鸞の死生観 願われたいのちをどう生きるか

  • 春講座

鍋島 直樹(龍谷大学教授)

曜日 月曜日
時間 19:00~20:30
日程 全4回 ・04月07日 ~ 04月28日
(日程詳細)
04/07, 04/14, 04/21, 04/28
コード 710561
定員 30名
単位数 1
会員価格 受講料 ¥ 11,880
ビジター価格 受講料 ¥ 13,662

目標

・親鸞の死生観と心の救いを学ぶ。
・仏教の聖典や親鸞の和讃を読解し意味をくみ取る力を養う。
・死生観を通して、自らを見つめ直し、人に寄り添う姿勢を考える。

講義概要

人は愛する者との別れや死の予感を通して、本当に大切な生き方を求める。死の前における患者の苦しみと願い、その家族の悲しみを、人はどのように受けとめたらよいのであろうか。釈尊は『「われらは、ここにあって死ぬはずのものである」と覚悟しよう。このことわりを他の人々は知っていない。しかし、このことわりを知る人があれば、争いは静まる』(『ダンマパダ』第六偈)と説いた。釈尊は憎しみのたえないこの世界で、死を通して見えてくる他者への愛情を大切にせよと教えた。この講座では、親鸞の死生観と救いについて、聖典を通して学ぶとともに、医療福祉施設や被災地の臨床での経験を踏まえながら明らかにしたいと思う。

各回の講義予定

日程 講座内容
1 04/07 死とは何か 仏教からの死生学 死生学とは、ギリシア神話のタナトス(θάνᾰτος)という死の擬人神になぞらえて名づけられた死の研究であり、生命の終焉として人がその死を迎える過程を学ぶこと、また死の悲しみに学ぶことを通して、人間自身をよりよく理解しようとすることをめざす。そこで、死とは何かについて、その字義や仏教の死生観から学びたい。できれば、日本中世の源信が『往生要集』を執筆して明らかにした看病法について紹介したい。阿弥陀如来像を置いて、病気の仲間を最後まで看取り、心の救いをどう見出したかについて考えたい。
2 04/14 親鸞の死生観 人生の終末・心の救い 死を受容することはむずかしい。最後までその人が生きられるように支援することがケアである。心のケアとは、未解決な問題を共に考え、自己の支えとなるものとのつながりを再確認することを通して、生きる力を育む援助である。飢饉や疫病で突然に亡くなった方々に対して、親鸞は臨終の善し悪しを一切問わなかった。自らの力によってでははく、仏の願いによって浄土に往生することができるからである。人生の終末における心のケア、死に直面した人の希望、親鸞における死生観と救いについて聖典に基づいて考えたい。
3 04/21 親鸞の死生観 地獄と浄土 人は死んだらどこにいくのだろう。地獄と極楽の教えは、自分の生き方をふりかえり、真の幸せとは何かを教えてくれる。地獄は人が他のいのちを傷つけると、犯した罪状によってどのような地獄に堕ちるかを八大地獄にして実感的に指し示した教えである。地獄は、害を与える残酷さを傷つけられた相手の立場から教え、悪をくいとめ、同じ世界に住む人々を悲しませないための羅針盤である。親鸞の地獄観と浄土観について聖典に基づいて考えたい。
4 04/28 親鸞における愛別離苦への姿勢 亡き人と共に 大切な人との別れは、身を切られるようにつらい。悲しみは時間が癒してくれるともいわれるが、なかなか容易なことではない。親鸞は、愛する者との別れの悲しみについてどのように寄り添い、心の救いを示しているだろうか。親鸞の和讃や『口伝鈔』を読解しながら共に考えたい。

ご受講に際して(持物、注意事項)

◆配付資料はPDF資料を事前に配付します。
◆参考文献『死別の悲しみと生きる』本願寺出版社 『自死をみつめて 死と大いなる慈悲』本願寺出版社
◆休講が発生した場合の補講は、5月19日(月)を予定しています。
◆Zoomウェビナーを使用したオンライン講座です。
◆お申込みの前に必ず
「オンラインでのご受講にあたって」
をご確認ください。
◆お申込みいただいた有料講座の動画は、当該講座実施の翌々日(休業日を除く)17:30 までに公開します。インターネット上で 1 週間のご視聴が可能です。視聴方法は、以下をご確認ください。
【会員】授業動画の視聴方法(会員向け)
【ビジター・法人会員】授業動画の視聴方法(ビジター・法人会員向け)

講師紹介

鍋島 直樹
龍谷大学教授
日本生まれ。博士(文学、龍谷大学)。専門分野は、真宗学、仏教生命観。京都府立医科大学で「人生の終末と救い」講師や遺族ケア。主著 『親鸞の死生観とビハーラ活動の理念と実践の融合的研究』 永田文昌堂 『アジャセ王の救い』方丈堂出版 『死別の悲しみと生きる』本願寺出版。

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