ジャンル 現代社会と科学

早稲田校

南方熊楠―博物学と民俗学のはざまで 熊楠のひととなりを知る

  • 夏講座

志村 真幸(慶應義塾大学准教授)

曜日 火曜日
時間 10:40~12:10
日程 全6回 ・07月01日 ~ 08月05日
(日程詳細)
07/01, 07/08, 07/15, 07/22, 07/29, 08/05
コード 120773
定員 30名
単位数 1
会員価格 受講料 ¥ 17,820
ビジター価格 受講料 ¥ 20,493

目標

・南方熊楠という人物について知る。
・アマチュアとして野に生きる術を学ぶ。
・熊野古道をはじめとした宗教文化への理解を深める。

講義概要

生物学者、民俗学者として活躍した南方熊楠について、6つの切り口から迫る。キーワードとなるのは、日本人の宗教観、柳田国男と近代化、郷土愛と持続的な観光開発など。2025年に南方熊楠顕彰館で開催の「熊楠の英語力」展や「ツチノコ」展などをとりあげつつ、最新の熊楠研究の成果を伝える。

各回の講義予定

日程 講座内容
1 07/01 熊楠の人生と英語力 南方熊楠は語学の天才だった。どのようにして英語を身に付け、活用していったかを、その人生と重ね合わせながら通覧する。熊楠の独創的な語学の勉強法も紹介。
2 07/08 熊野古道のSDGs 熊楠が鎮守の森や神林を守ったことが、のちの熊野古道の世界遺産登録につながった。森をいかに保護しつづけ、後世に残そうとしたかを、郷土愛と観光開発という側面から点検する。
3 07/15 ツチノコの正体に迫る 2025年は巳年ということで、蛇の話題をとりあげる。熊楠の暮らした紀伊半島にはツチノコの目撃談が多い。熊楠は、その正体についても民俗学者、生物学者としての立場から考察している。熊楠のツチノコについての議論をたどる。
4 07/22 在野と独学 在野・独学のひととしての熊楠の素顔に迫る。独学の方法に迫る。また、孤高の天才と思われがちだが、実は国内外の知的ネットワークの一員として活動していた。熊楠を通して、現代のネット社会における独学の在り方をも再考する。
5 07/29 雨乞いと牛の民俗学 1913年夏、和歌山はひどい日照りに苦しめられ、雨乞いの儀式があちこちでおこなわれた。熊楠の地元では、牛の首を切って渓流の淵に投げこむことまでなされた。この事件は熊楠から柳田国男に伝えられ、日本の民俗学がスタートするきっかけのひとつとなった。
6 08/05 修験道と仏教と南方マンダラ 熊楠は大の宗教嫌いだった。ところが、神社や鎮守の森を守ろうと、熱心に活動した。神仏分離、修験道、仏教の革新運動などを俯瞰しながら、熊楠という明治〜昭和初期に生きた日本人の宗教意識に迫る。

ご受講に際して(持物、注意事項)

◆休講が発生した場合の補講日は8月19日(火)を予定しています。

講師紹介

志村 真幸
慶應義塾大学准教授
2001年より、和歌山県田辺市に残る南方熊楠旧邸の資料調査に従事。2006年に開館した南方熊楠顕彰館にて、展覧会や講演会を担当してきた。著作として、『未完の天才 南方熊楠』(講談社現代新書)、『南方熊楠の生物曼荼羅』(三弥井書店)などがある。
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