ジャンル 日本の歴史と文化

早稲田校

日本城館史概説 イントロダクション

  • 夏講座

齋藤 慎一(東京都江戸東京博物館 分館 江戸東京たてもの園 学芸員)

曜日 土曜日
時間 13:10~14:40
日程 全5回 ・07月05日 ~ 09月06日
(日程詳細)
07/05, 07/26, 08/23, 08/30, 09/06
コード 120231
定員 36名
単位数 1
会員価格 受講料 ¥ 14,850
ビジター価格 受講料 ¥ 17,077

目標

・戦国時代以前の城のイメージを正しく理解する。
・中世城館の見方を身につける。
・城館の構造や変遷から、日本中近世史の理解を深める。

講義概要

日本国内には30,000ヵ所にも及ぶ古城址があると言われます。そのほとんどで建築物は残っていません。当時の面影を残す城館といえども、当時の土木工事の痕跡をとどめるのみです。しかしそのような城館址であっても、歴史を雄弁に語っています。
本講座は【城の日本史】と【城跡をめぐる】の二つのテーマが交互になるように組みました。講座を通して、中近世の城館の見方を身につけ、探索に訪れた城館址でその痕跡から歴史を理解し、かつ楽しめるようになることを目指します。
とかく娯楽の対象として語られる城館ですが、過去に身近であった戦争を意識しつつ、地域や日本列島の歴史を考えてみたいと思います。

各回の講義予定

日程 講座内容
1 07/05 【城の日本史】戦国城館の成立 日本で城館が多く築かれたのは、戦国時代でした。この時の城館は天守がなく、石垣もないものがほとんどです。では具体的にどのような構造をしていたのでしょうか。江戸時代とは異なる城館のイメージを理解します。
2 07/26 【城跡をめぐる】太田金山城 関東平野の戦国城館は土の城がほとんどで、以前は石垣が普請された城はないと理解されていました。しかし群馬県太田市に所在する金山城は、発掘調査によって石垣固めの城であることが明らかになりました。この金山城の特徴を解説いたします。
3 08/23 【城の日本史】鎌倉武士の城 城館の現地看板に「鎌倉時代に築城され」といった解説を目にすることがあります。しかし現在の姿が鎌倉時代に遡るはずもなく、また城館の機能も時代によって変遷しているはずです。では鎌倉時代の城はどのような姿をしていたのでしょうか。考古学調査成果など近年の情報などを踏まえて、近年の理解を解説いたします。
4 08/30 【城跡をめぐる】真壁氏の本拠−亀熊城と真壁城− 筑波山の麓、中世には小田氏や真壁氏といった領主が勢力を誇っていました。彼らは江戸時代になると時代の流れの中で常陸国を去っていきましたが、現在も当時を窺う遺跡を伝えています。今回は近世初頭には豊臣政権の吏僚でもあった浅野長政も城主となった真壁城など真壁氏の城館を紹介いたします。
5 09/06 【城の日本史】南北朝時代初頭の城館−1330年代の様子 鎌倉時代末になると、文献史料に「城」の語彙が多くみられるようになります。考古学的にも14世紀の城館の調査が散見するようになってきました。これらの史資料から南北朝時代初頭の城館について考えてみたいと思います。

ご受講に際して(持物、注意事項)

◆夏学期は、見学会はありません。

講師紹介

齋藤 慎一
東京都江戸東京博物館 分館 江戸東京たてもの園 学芸員
明治大学大学院文学研究科博士後期課程(中退)、史学博士。吉川弘文館『中世東国の領域と城館』・歴史文化ライブラリー『中世武士の城』・『日本城郭史』、東京大学出版会『中世東国の道と城館』、講談社現代新書『中世を道から考える』、高志書院『歴史家の城歩き』、中公新書『江戸−平安時代から家康の建設へ』など、中世東国社会をさまざま事象から考える。
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