ジャンル 文学の心

早稲田校

ヴィラン(villain)で読み解くミステリー

  • 夏講座

小松 史生子(早稲田大学教授)

曜日 土曜日
時間 13:10~16:35 ※途中休憩をはさみます。
日程 全2回 ・07月19日 ~ 07月26日
(日程詳細)
07/19, 07/26
コード 120114
定員 30名
単位数 1
会員価格 受講料 ¥ 11,880
ビジター価格 受講料 ¥ 13,662

目標

・世界と日本のミステリ・ジャンル発展史についての理解を深める。
・ミステリの作品構造の特徴を、理論的に捉える力を身につける。
・文学をめぐるメディアミックスについての理解を深める。

講義概要

19世紀半ば以降のミステリー小説を、ヴィラン(Villain)表象を軸に読解する。ヴィランの表象に潜在するミステリー・ジャンル特有のテクスト構造やナラティヴについて、理論的に分析する。

各回の講義予定

日程 講座内容
1 07/19 怪盗/詐欺師––悪と罪 ①窃盗という犯罪を行うヴィランになぜ大衆読者は惹かれるのか。モーリス・ルブランのアルセーヌ・ルパン・シリーズと江戸川乱歩「怪人二十面相」を分析対象にし、レオン・サジ「ジゴマ」から現代の海外ドラマに至るまで、近代都市と近代メディアを駆使する〈怪盗〉のディスクールを読み解く。
②コン・ゲーム小説で活躍する詐欺師達は、なぜ魅力的なキャラクターとして大衆読者に愛されるのか。高木彬光「白昼の死角」、ジェフリー・アーチャー「百万ドルを取り戻せ」、小林信彦「紳士同盟」、新庄耕「地面師たち」といったコン・ゲーム小説から、ドラマ「コンフィデンスマンJP」に至るまでを読み解く。
2 07/26 人獣/怨霊––抑圧と鎮魂 ①ダーウィンの進化論以降、人間と動物の境をめぐる想像力はミステリーに登場するヴィランにも深い影響を与えた。黒岩涙香「怪の物」、村山槐多「悪魔の舌」、モーリス・ルブラン「虎の牙」、江戸川乱歩「人間豹」、ウィリアム・アイリッシュ「黒いアリバイ」など、ヴィランとしての人獣を読み解く。
②ミステリーと近しいホラー小説におけるヴィラン表象で見出せるジェンダー概念について、歌舞伎演目として大衆に愛された鶴屋南北「東海道四谷怪談」からJホラー・ブームの幕開けを告げた鈴木光司「リング」に至るまでの流れを例にして読み解く。

ご受講に際して(持物、注意事項)

◆休講が発生した場合の補講日は8月2日(土)を予定しています。

講師紹介

小松 史生子
早稲田大学教授
東京都生まれ。博士(学術、東京大学)。専門分野は、日本近現代文学・文化。18〜19世紀の探偵小説ジャンル研究を中心に、大衆文学・文化の領域を幅広く研究。ミステリや怪談に関する評論も手掛ける。メディア研究の一環で、テレビ・ラジオの番組審議員も勤め、NHK番組出演も多い。
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