ジャンル 現代社会と科学
中野校
遺伝子組み換え作物の光と影―未来の食卓を考える 安全か、危険か。それとも新しい視点が必要か?
竹下 正哲(拓殖大学教授)
曜日 | 土曜日 |
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時間 | 13:10~14:40 |
日程 |
全4回
・05月17日 ~
06月07日 (日程詳細) 05/17, 05/24, 05/31, 06/07 |
コード | 310710 |
定員 | 24名 |
単位数 | 1 |
会員価格 | 受講料 ¥ 11,880 |
ビジター価格 | 受講料 ¥ 13,662 |
講義概要
気づいておられないかもしれないが、みなさんは毎日のように遺伝子組み換え作物を食べている。その安全性について考えたことがあるだろうか。
核と遺伝子はよく似ている。核を平和利用するならば、人類にとって恩恵となる。逆に爆弾として使うならば、人類を滅ぼすことになる。遺伝子も同じで、平和に利用するならば、多くの可能性を秘めている。しかし悪用しようとすれば、人類を滅ぼすことだってできる。
いったい遺伝子組み換え作物とは、何なのだろうか。それは恩恵なのか、それとも災厄なのか。実はそこを理解するためには、農業の知識が欠かせない。本講座は、農業を通して、遺伝子組み換え作物を正しく理解することを目的としている。
各回の講義予定
回 | 日程 | 講座内容 | |
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1 | 05/17 | 遺伝子組み換え作物(GMO)前夜 | 遺伝子組み換え作物(GMO)が生まれる以前から、すでにその準備は始まっていた。 ハイブリッド種子(F1種子)とは何なのか。オーガニック栽培とは何か、自然栽培とは、固定種とは何か。そういった「緑の革命」の本質を学ぶことで、GMOがどのように生まれていったのかを理解できるようになる。 |
2 | 05/24 | 遺伝子組み換え作物の登場 | 遺伝子組み換え作物とは、いったい何なのか。それは安全なのか、危険なのか。メリットとデメリットは何か。テクノロジーはどこまで進んでいるのか。反対派はなぜ反対し、推進派はなぜ賛成するのか。それらを感情的にならず、客観的に理解していく。 |
3 | 05/31 | ディスカッション | 遺伝子組み換え作物に関しては、世界は真っ二つに割れている。大雑把にいって、アメリカ、ブラジルは遺伝子組み換え賛成派、ヨーロッパは反対派。両者はなぜ争っているのか。そこを理解するためには、講義を聞くだけでは不十分であり、ディスカッションにより考えを深めていくことが重要となる。 |
4 | 06/07 | 自分なりの答えを探す | 遺伝子組み換え作物には、正解は存在しない。自分なりの答えを探すために、なぜヨーロッパが反対するのか、その歴史的背景を詳しく見る。逆に、世界には遺伝子組み換えを必要としている人々がいることも学ぶ。そして日本の立ち位置を共に考える。 |
ご受講に際して(持物、注意事項)
◆休講が発生した場合の補講日は6月14日(土)を予定しています。
講師紹介
- 竹下 正哲
- 拓殖大学教授
- 北海道大学農学部、同大学院農学研究科修了。博士(農学)。大学院在学中に小説で第15回太宰治賞受賞。民間シンクタンク、環境防災NPO、日本福祉大学などを経て、拓殖大学国際学部へ。野菜と果樹の栽培を指導。かつて青年海外協力隊でアフリカに行ったことをきっかけに、世界中のフィールドを回り、海外農業に精通。2015年に初めてイスラエルを訪問し、衝撃を受ける。2021年9月より1年間、イスラエル国立農業研究所(ARO)の特別研究員としてイスラエルに滞在。世界最先端農業技術の共同研究に参画する。主なフィールドはイスラエルとネパール。主な著書に『日本を救う未来の農業──イスラエルに学ぶICT農法』(ちくま新書)がある。