ジャンル 現代社会と科学

中野校

世界の中の米中関係と日中関係 中国と世界の関係を正しく「知る」という大難

  • 春講座

富坂 聰(拓殖大学教授)

曜日 木曜日
時間 15:05~16:35
日程 全8回 ・04月17日 ~ 06月12日
(日程詳細)
04/17, 04/24, 05/08, 05/15, 05/22, 05/29, 06/05, 06/12
コード 310712
定員 24名
単位数 1
会員価格 受講料 ¥ 23,760
ビジター価格 受講料 ¥ 27,324

目標

・現在まで自分が持っていた中国理解が正しいか否かを判断する
・新しい目でこの10年の中国の変化と発展と課題を理解する
・米国との激しい対立の根源を理解し中国の目指す世界戦略を理解する
・日本にとって最大の外交的課題である中国との付き合い方に示唆を与える

講義概要

今後の国際情勢は、米中という二大国の動きによって大きく左右されることは言を俟たない。その一方の当事者である習近平の中国は、何を目指し、何を恐れ、世界と向き合っているのか。中華人民共和国建国からの流れを振り返りながら、その体質を探り、理解してゆく。主なテーマとして現在まで自分が持っていた中国理解が正しいか否かを判断、新しい目で見る、この10年の中国の変化と発展と課題、米国との激しい対立の根源を理解し中国の目指す世界戦略、日本にとって最大の外交的課題である中国との付き合い方について解説する。

各回の講義予定

日程 講座内容
1 04/17 大国の駆け引きの中で生まれた国交正常化① ニクソンショックとも表現される米中の接近は、どのような背景で実現したのか。朝鮮戦争で干戈を交えた二つの国が再び接近する理由についてふれながら、米中接近とその後に残す禍根を取上げる。
2 04/24 大国の駆け引きの中で生まれた国交正常化② 米中接近をうけ、日中国交正常化に急速に舵を切った日本。その過程では国内世論や政治的な合意が置き去りにされた。その問題が後々尾を引き、日中関係に影を差してゆく。そうした問題のなかでもこの回では靖国神社参拝問題を詳しく取り上げる。
3 05/08 大国の駆け引きの中で生まれた国交正常化③ 日本が国交正常化を急いだことで取り残した問題に焦点を当てる。この時間は前回の授業で触れなかった尖閣諸島問題や東シナ海など海の問題を中心に日中の懸案に焦点を当てる。
4 05/15 80年代に揺れた中国と世界① この時間は日中蜜月時代を扱う。日本のテレビドラマ、映画が中国で未曽有のヒットとなり、空前の日本ブームが起きる。過去の日本に対する恨みと現在の日本を評価する気持ちをどのように共存させたのかを中心に戦後日中関係の入り口について学ぶ。
5 05/22 80年代に揺れた中国と世界② 天安門事件が影を落とした日中関係と米中関係について取り上げる。民主化を求める学生や市民を軍が力で排除した事件に世界は震え、制裁するが、その裏でも米中、日中は常に関係を続けた。その裏舞台にスポットライトを当てる。
6 05/29 蜜月が加速した米中(ステークホルダーと9・11) 米中は表向き、人権や政治制度をめぐって対立点を抱え続けていたが、その裏で経済的な結びつきを強め、ウインウインの関係へと昇華させる過程に入ってゆく。中国が日米を強く必要したのと同時に日米もそれぞれの理由で中国を必要とした。だが、この関係はアメリカのアジア重視政策への転換で怪しくなる。
7 06/05 コロナと米中対立 オバマ政権後期から怪しくなった米中関係はトランプ大統領の登場で明らかな対立関係に入る。その入り口は貿易戦争だったが、その段階ではまだ抑制が効いていた対中攻勢はコロナ禍に世界が苦しむなかで加速してゆく。
8 06/12 二つの世界秩序―と向かう世界 米中関係の安定は自国の発展を最重要視する中国にとって不可欠なものである。そのため習近平政権はアメリカとの関係修復に努めるが、その動きにも少しずつ変化が生じ始める。そして、ファーウェイに対する攻撃や先端技術の対中輸出規制などを「中国の発展阻止が目的」と判断した中国はアメリカの影響が及ばない新たな世界の構築に動き出す。

ご受講に際して(持物、注意事項)

◆『「反中」亡国論』(富坂 聰著、ビジネス社)、『中国がいつまでたっても崩壊しない7つの理由』(富坂 聰著、ビジネス社)をお読みいただくと、より講義内容の理解が深まります。

講師紹介

富坂 聰
拓殖大学教授
愛知県生まれ。16歳で単身台湾に渡った後、大陸へ。北京大学在学中に共同通信社でアルバイトとして学生デモの報道に携わる。中退して帰国後は週刊誌記者として様々な社会問題にかかわる。2003年に独立。2014年から現職。著書は1994年の『龍の伝人たち』から現在まで30冊を超える。
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