ジャンル 世界を知る
中野校
水中遺跡を探求する―「うみ」と「ひと」の歴史と未来
佐々木 蘭貞(ランディ)(帝京大学准教授)

曜日 | 土曜日 |
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時間 | 13:10~16:35 ※途中休憩をはさみます。 |
日程 |
全3回
・05月24日 ~
06月07日 (日程詳細) 05/24, 05/31, 06/07 |
コード | 310318 |
定員 | 24名 |
単位数 | 1 |
会員価格 | 受講料 ¥ 17,820 |
ビジター価格 | 受講料 ¥ 20,493 |
目標
・うみと人のつながりの歴史を学ぶ意義を考える。
・日本と世界の代表的・著名な水中遺跡(水中文化遺産)についてより深い知識を得る。
・水中遺跡(水中文化遺産)の保護や活用に関する様々な課題について学ぶ。
講義概要
本講座では、「うみ」と「ひと」が織りなす歴史を水中遺跡(水中文化遺産)を通して学び、その価値と課題について理解を深めます。日本と世界の代表的な水中遺跡を取り上げ、探査手法や保存処理を具体的に紹介し、各地の事例から水中遺跡の多様性と重要性を考えます。また、ユネスコ水中文化遺産保護条約に基づく国際的な取り組みや、日本の保護体制の現状と課題、政治的利用、VR・水中遺跡公園といった活用手法についても検討します。講義とディスカッションを通して、水中遺跡の意義と未来への可能性を学ぶアクティブな授業を目指します。
各回の講義予定
回 | 日程 | 講座内容 | |
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1 | 05/24 | 水中文化遺産とは?/鷹島海底遺跡を知る | 近年、水中文化遺産や水中遺跡という言葉を聞く機会が増えましたが、その本質を理解している人は、国内には多くはいません。最初の講義では、水中文化遺産とは何かを考えます。世界と日本の水中遺跡をいくつか紹介し、それらが歴史の理解にどのように貢献しているか、うみと人の関りの歴史を学ぶ重要性について考えます。日本を代表する鷹島海底遺跡(元寇・蒙古襲来の沈没船遺跡)について詳しく学びます。最新の沈没船の発見事例だけでなく、40年におよぶ調査の歴史を振り返ります。ニュース記事などでは語られることのない小さな遺物がどのように世界的な蒙古襲来についての事実の解明に貢献しているかを紹介します。 |
2 | 05/31 | ユネスコ水中文化遺産保護条約/水中文化遺産の政治利用について考える | ユネスコ水中文化遺産保護条約について詳しく学びます。なぜこの条約が必要なのか、歴史的な背景、新たな動き、問題点を紹介します。また、世界で行われている水中遺跡保護体制などを具体的な事例を通して紹介します。水中文化遺産は歴史的な「大発見」や「ロマン」などという言葉で語られることが多いが、文化遺産の政治利用は、この文化遺産を取り巻く諸問題の一つです。そもそも文化遺産の政治利用とは何を指すのか。この授業では、ディスカッションを通してこの問題について考えます。 |
3 | 06/07 | 日本の水中遺跡保護体制/水中文化遺産の活用について考える | 日本国内の水中遺跡の調査の歴史は100年以上の歴史を持ちますが、行政としての水中文化遺産を保護していく取り組みが本格化したのは、ここ20年ほどです。国内の水中遺跡の紹介を通して、これまでの取り組みを学び、現在の体制の評価、問題点や改善できる点について考えます。水中文化遺産は、その置かれた環境がゆえに、活用は難しいと考えられています。しかし、水中遺跡公園やVRの利用など様々な方法で広く遺跡を伝える方法が採用されています。この授業では、遺跡の活用手法についてディスカッションを通して学びます。 |
ご受講に際して(持物、注意事項)
◆休講が発生した場合の補講は6月14日(土)を予定しています。
講師紹介
- 佐々木 蘭貞(ランディ)
- 帝京大学准教授
- 神奈川県生まれ。テキサスA&M大学より博士号(Ph.D.)取得。うみとヒトの関係の歴史を物的証拠から学ぶ海事考古学が専門。大学での教育・研究活動の他、広く一般に水中文化遺産を保護する重要性を説くため、様々な活動を実施している。