ジャンル 世界を知る

中野校

シルクロード再発見

  • 春講座

井上 隆史(元NHK「新シルクロード」統括プロデューサー)

曜日 金曜日
時間 13:10~14:40
日程 全6回 ・05月16日 ~ 06月20日
(日程詳細)
05/16, 05/23, 05/30, 06/06, 06/13, 06/20
コード 310311
定員 24名
単位数 1
会員価格 受講料 ¥ 17,820
ビジター価格 受講料 ¥ 20,493

目標

・シルクロードの魅力を今世紀の新しい発掘と研究成果をもとに再発見していく。
・シルクロードブームとは何だったのか?その実像を確認し、検証する。

講義概要

1980年から放送されたNHKの「シルクロード」は一大ブームを巻き起こしました。それから40年目に始まったコロナ禍で、シルクロードへの夢は中断を余儀なくされました。しかし、コロナ禍を克服し、中国へのビザなし渡航が復活した今、大きく変貌したシルクロードへの関心が再び高まっています。ドキュメンタリー制作者として実際にシルクロードを取材し、ジャーナリストそして研究者として見つめた「もう一つのシルクロード」を紹介していきたいと思います。

各回の講義予定

日程 講座内容
1 05/16 幻の錦を求めて・トルファンと法隆寺 シルクロードのオアシス、トルファンで日本の大谷探検隊が発見したミイラの顔を覆っていた錦の断片。その復元の過程で明らかになった驚愕の事実・・・このトルファンの絹と聖徳太子の遺宝として法隆寺に伝わる国宝「獅子狩文錦」が同時期に同じソグド人職人の新技術で織られた「兄弟錦」だった可能性が浮かび上がってきたのです。千数百年の時空を越えたロマンの世界を紹介します。
2 05/23 沙漠の大画廊①敦煌 沙漠の大画廊の代名詞ともいえる敦煌莫高窟。井上靖の小説「敦煌」は私たちをこの魅力的な壁画の宝庫にまつわる不思議な物語を教えてくれました。
シルクロードのいくつもの時代を彩る艶やかな壁画世界と「第17窟蔵経堂」に眠っていた敦煌文書が語りかける動乱の歴史と敦煌に生きた人々の物語を探っていきます。
3 05/30 沙漠の大画廊②キジルとベゼクリク 20世紀初めシルクロードの探検を敢行したドイツ隊はクチャのキジル石窟とトルファンのベゼクリク石窟に大きな傷跡を残します。二つの石窟を彩っていた貴重な壁画は無残にも剥ぎ取られ、ドイツへと運ばれました。
そして第二次世界大戦下、ベルリンの大空襲でその壁画の多くは焼失してしまいます。残された画像データをもとに、ベゼクリクの12窟、キジルの212窟の復元に挑戦した経験をもとに、二つの壁画窟の悲劇の歴史を辿ります。
4 06/06 沙漠の大画廊③ホータン タクラマカン砂漠の南、ホータン近くの砂漠で小さな寺の遺跡が見つかりました。その崩れた寺の壁は鮮やかな壁画で彩られていたのです。昔このあたりを流れる河があり、その河は「于闐国」の幻の都といわれたダンダンウイルクまでつながっていて、その流域に点々と寺院が造られていたのではないかと言われています。今世紀になって発掘は次々と進み、「沙漠の大画廊」の全貌が明らかになろうとしています。
5 06/13 ウズベキスタン知られざる仏教遺跡 シルクロードの仏教遺跡はウズベキスタンの南、アムダリア(アム川)の北岸に位置するテルメズにも多く残されています。67歳の高齢になってからその仏教遺跡の発掘に取り組んだ加藤九祚先生は四半世紀をかけてカラテぺ遺跡、ダルベルジンテぺ遺跡などから、多くの仏像や副葬品を発見し、知られざる中央アジアの仏教遺跡に光を当てることになりました。94歳で発掘現場で息を引き取ったシルクロード学者が見つめた世界を紹介します。
6 06/20 ラピスラズリロード シルクロードが生まれる遥か前の時代、ユーラシアにラピスラズリの道が拓かれていたという説があります。アフガニスタンのバダクシャン山脈の麓でしか採れなかった「青い宝石ラピスラズリ」は、遠くメソポタミアやエジプト、中国まで運ばれました。ツタンカーメンの黄金のマスクにも、そして日本の正倉院宝物にもその青い輝きが嵌め込まれています。ミケランジェロやフェルメールまでをも虜にしたラピスラズリの魅力とはどこにあるのか。その謎の歴史に迫ります。

講師紹介

井上 隆史
元NHK「新シルクロード」統括プロデューサー
1952年香川県生まれ。早稲田大学卒業後、NHK入局。NHKスペシャルを中心に、歴史や文明に関するテレビドキュメンタリーを制作してきた。主な作品として、「絵巻切断」「現代史スクープドキュメント」「大モンゴル」「中国12億人の改革開放」「家族の肖像」「四大文明」「新シルクロード」などがある。2013年からは東京藝術大学特任教授として、アフガニスタンをはじめとするシルクロードの文化遺産の研究と保護に取り組んできた。現在「平山郁夫シルクロード美術館」監事。

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