ジャンル 日本の歴史と文化

中野校

鉄道と街づくりの戦略 東京駅創建から最新の品川・高輪ゲートウェイ駅地区開発まで

  • 春講座

野﨑 哲夫(公益財団法人交通研究協会評議員、元東日本旅客鉄道株式会社取締役)

曜日 金曜日
時間 13:10~14:40
日程 全2回 ・04月18日 ~ 04月25日
(日程詳細)
04/18, 04/25
コード 310226
定員 23名
単位数 1
会員価格 受講料 ¥ 5,940
ビジター価格 受講料 ¥ 6,831

目標

・「丸の内の街づくり」と連携して建設され1914年に開業した、「東京駅の創建」から始まり2025年3月27日に「街びらき」する「高輪ゲートウェイ駅開発」に至る「鉄道駅と周辺街づくり」の歴史と戦略を理解していただきます。
・高輪ゲートウェイ駅開発(TAKANAWA GATEWAY CITY)では「鉄道新ルートの整備」、「運転方式の変革」、それにより「車両基地の縮小による開発用地の生み出し戦略」を理解していただきます。跡地を使った新駅設置、それにリンクした街づくりのコンセプトや「未来の実験場」を目指す開発内容も説明します。
・第2回講義(4月25日)では講義直前に第1期開業(街びらき)した高輪ゲートウェイ駅開発及びそれに連坦して工事が進む品川駅開発を現地で見学し、詳細説明を受けていただきます。
・東京駅や高輪ゲートウェイ駅の開発はこれまでも講義してきていますが、今回は最新の情報も入れ、現地見学を含めコンパクトに実施します。

講義概要

鉄道網整備、路線や車両基地の使命変更等と街づくりの関係を東京駅開発(東京駅が街になる=TOKYO STATION CITY=TSC)と2025年3月「街びらき」直後の高輪ゲートウェイ駅開発(TAKANAWA GATEWAY CITY=TGC)の事例を中心に説明します。「TGC」は「新たなビジネス・文化が生まれ続ける国際交流拠点」を街のコンセプトに、「歴史を受け継ぎ、あらゆるものをつなぐ街、世界中から人々が集い、成長する街」を目指しています。これを受け、高輪鉄道築堤の歴史から始まり、車両基地の移転、跡地の新駅設置と街づくりの経緯及びこれに連坦して開発が進む品川地区全体の現地視察を含め説明します。

各回の講義予定

日程 講座内容
1 04/18 東京駅創建から品川・高輪ゲートウェイ駅地区開発に至る「駅と街づくり」を学ぶ 東京駅は大正初期に「丸の内の街づくり」と連携した形で建設され、110年、絶えず鉄道機能が強化され、街とともに発展し続けています。今世紀に入り、「東京駅が街になる」を標榜する「東京ステーションシティ開発=TSC開発」が丸の内駅舎復原と合わせて実行されました。現在も「丸の内と八重洲の街の連携」を強化する駅南部自由通路の建設や駅周辺の街づくりが進んでいます。この「駅と街づくりの連携の哲学」は現在進行中の渋谷、新宿駅開発にも生きていますが、特に注目されているのが2025年3月27日第1期開発の「街びらき」が行われる高輪ゲートウェイ駅開発(TAKANAWA GATEWAY CITY)です。
この開発は路線の運転方式を変更することにより品川車両基地の使命を大幅に変更縮小し、生み出された跡地に新駅を設置したうえ、周辺を21世紀の最先端を目指す街に変貌させるプロジェクトです。
この付近は江戸時代、「高輪大木戸」と呼ばれ東海道で江戸内府に入る入口として、交通要衝の地でした。日本最初の鉄道、新橋―横浜間が開通した時には諸般の事情から、海上に築堤を建設(高輪築堤)して列車を走行させ、その後埋め立てられ最近まで都心部の重要な車両基地として活躍してきました。2015年に難工事の上野―東京ライン高架工事の完成により、運転方式を大幅に変え、東京駅スルー運転が可能となり品川車両基地の使命も大きく変更することが可能になりました。このように鉄道路線網の整備、運転方式の変更と車両基地使命の変更、それにより生み出した土地を「鉄道の歴史的遺産を保存しつつ100年先の未来を見つめて新しい価値」を目指す「駅と街づくりに活用する戦略」は特筆すべきものです。
このような戦略を理解いただき、実践例として「周辺街づくりと東京駅の進化の関係」や「Global Gateway・高輪ゲートウェイ駅開発」を説明します。
なお、品川・高輪地区開発では京急品川駅開発も含め品川地区全体開発の概略も説明します。
2 04/25 巡見(品川・高輪ゲートウェイ駅地区開発) 「TAKANAWA GATEWAY CITY 第1期開業」直後の品川・高輪ゲートウェイ駅地区開発を現地を見ながら説明し、第1回講義内容の理解を深めていただきます。

ご受講に際して(持物、注意事項)

◆休講が発生した場合の補講は5月9日(金)を予定しております。
◆高輪ゲートウェイ駅・品川駅開発見学会は第2回(4/25)を予定しています。交通費等は別途実費ご負担となります。

備考

※教室は101-102教室に変更となります。

講師紹介

野﨑 哲夫
公益財団法人交通研究協会評議員、元東日本旅客鉄道株式会社取締役
東京大学工学部卒。日本国有鉄道入社。JR東日本取締役長野支社長、(株)鉄道会館(現、JR東日本クロスステーション)代表取締役社長等歴任。東京駅等の大ターミナル開発、大都市圏の鉄道整備に携わり、日本ショッピングセンター協会理事・関東甲信越支部長、拓殖大学客員教授(非常勤)等にも就任。著書に『進化する東京駅 ― 街づくりからエキナカ開発まで ― 』(成山堂書店)、「Rail Magazine 425号(2019・2)特集 ターミナル・ステーション東京駅](ネコ・パブリッシング)がある。
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