ジャンル 現代社会と科学
早稲田校
【対面+オンラインのハイブリッド】オルタナティブ経済学としてのMMT(現代貨幣理論) 主流派・マルクス派とは根本的に異なる世界観に基づく、もう1つの経済学の潮流を学ぶ
島倉 原(経済評論家、株式会社クレディセゾン主席研究員)
曜日 | 土曜日 |
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時間 | 10:40~12:10 |
日程 |
全6回
・05月10日 ~
06月14日 (日程詳細) 05/10, 05/17, 05/24, 05/31, 06/07, 06/14 |
コード | 110730 |
定員 | 30名 |
単位数 | 1 |
会員価格 | 受講料 ¥ 17,820 |
ビジター価格 | 受講料 ¥ 20,493 |
目標
・MMT(現代貨幣理論)の概要やその学習意義を正しく理解する。
・経済理論と統計データを使って現実の経済を読み解く力を養う。
・日本や世界の政治経済動向に対する理解を深める。
講義概要
従来の経済理論の限界が明らかになる中で、貨幣(お金)や経済政策に関する新しいマクロ経済理論として近年国内外で注目されているのがMMT(Modern Monetary Theory、現代貨幣理論)ですが、その内容は必ずしも正確に伝えられていません。本講座はそんなMMTの正確な内容やその発展形、あるいは経済学説史上の立ち位置などを学んだうえで、政治・経済・金融市場など、現実社会の動向を読み解いてみようというものです。各回の講義テーマは予め設定するものの、質疑応答やディスカッションを適宜取り入れ、参加される受講生の具体的な関心にできるだけ則した講義内容にしたいと思います。
各回の講義予定
回 | 日程 | 講座内容 | |
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1 | 05/10 | なぜ、MMTを学ぶのか(テキストまえがき、第1章、あとがき) | MMTが注目されつつも激しく批判される背景には、主流派である新古典派経済学とも、非主流派の中でも比較的メジャーなマルクス経済学とも根本的に異なる世界観を前提としているという事実があります。そうした理論を学ぶ意義を、主流派経済学の問題点、経済学説史の大きな流れといった観点から解説します。また、第2回以降の参考とするため、取り上げて欲しいトピックなどを、受講生の皆さんからヒアリングする時間も設けたいと思います。 |
2 | 05/17 | 貨幣(お金)とは何か―MMTの貨幣論(テキスト第2章) | MMTと主流派・マルクス派との決定的な違いの1つが、「貨幣とは何か」という問いに対する答えです。「貨幣の本質は債権である」というMMTの考え方やその含意を、歴史学・人類学などの見地から検証しながら解説します。 |
3 | 05/24 | 通貨と財政の仕組み—政府はなぜ財政破綻しないのか(テキスト第3章) | 「財政赤字が拡大すると経済や財政の運営に支障をきたす」という主流派経済学に対して、「財政赤字が拡大しても恐れる必要はない」「税金は政府の財源ではない」というのがMMTの主張です。中央政府の財政が実際にはどのように運営されているのかを確認しながら、MMTの主張の妥当性や、そこから導き出される様々な結論について解説します。 |
4 | 05/31 | MMTの経済政策論(テキスト第4章) | 貨幣や財政についての見方が違えば、政府が行うべき経済政策のあり方についても、当然異なる結論が生じます。「機能的財政論」「就業保証プログラム」をはじめとした、主流派経済学とは異なるMMT独自の経済政策論を解説します。 |
5 | 06/07 | MMTから読み解く日本経済(テキスト第5章) | MMT派の経済学者たちは、長期停滞している日本経済こそ「MMTの正しさを示す実証例」であると同時に、「MMTの政策処方箋と真逆のことを行なったために失敗した典型例」であると述べています。それは一体どういうことなのか、統計データを交えながら長期停滞する日本経済の現実を明らかにします。 |
6 | 06/14 | 政治経済の現状と課題を分析する(テキスト第6章) | 世界の政治経済がどのように変化しているのかを捉えるのに有用なのが、主流派経済学と根本的に異なる世界観に基づくもう1つの理論である、内生的景気循環論です。最終回では、そんな内生的景気循環論を概説してMMTの知見と融合し、政治経済の現状や課題を分析した上で、将来についても展望しつつ、経済政策のあるべき姿を検討します。 |
ご受講に際して(持物、注意事項)
◆講師の著書『MMT講義ノート:貨幣の起源、主権国家の原点とは何か』(白水社)をテキストとして使用します。ただし、同書出版後アップデートされた内容も取り上げるほか、質疑応答やディスカッションに一定の時間を割くことから、テキストをあまねく詳細に解説することは想定していません。したがって、事前にテキストの該当箇所を予習してある程度理解を深めた上で、各回の講義に臨むことをお勧めします。
◆研究者情報サイト「リサーチマップ」に、講師による過去の発表資料や執筆・監修したオンライン記事へのリンクがまとめられています(https://researchmap.jp/hajime_shimakura)。適宜参考にして下さい。
◆本講座は対面でもオンラインでも受講できるハイブリッド形式の講座です。 対面・オンラインのご都合のよい形式でご受講いただけます。
◆講師は早稲田校の教室で講義し、その講義がオンラインで同時配信されます。
◆対面で受講するときは、「受講証兼教室案内」に記載された教室へお越しください。「受講証兼教室案内」は開講が確定してから送付されます。
◆オンラインで受講するときは、マイページからご受講ください。
◆オンラインでの受講を予定している方は、お申込みの前に必ず「オンラインでのご受講にあたって」をご確認ください。
◆本講座の動画は、当該講座実施の翌々日(休業日を除く)17:30までに公開します。インターネット上で1週間のご視聴が可能です。視聴方法は、以下をご確認ください。
【会員・法人会員】授業動画の視聴方法(会員・法人会員向け向け)
【ビジター】授業動画の視聴方法(ビジター)
テキスト
テキスト
島倉 原『MMT講義ノート:貨幣の起源、主権国家の原点とは何か』(白水社)(ISBN:978-4560094334)
講師紹介
- 島倉 原
- 経済評論家、株式会社クレディセゾン主席研究員
- 専門はマクロ経済学・貨幣理論・景気循環論。株式会社アトリウム担当部長、セゾン投信株式会社取締役などを歴任。著書に『MMT講義ノート:貨幣の起源、主権国家の原点とは何か』(白水社)、『MMT〈現代貨幣理論〉とは何か 日本を救う反緊縮理論』(角川新書)、『積極財政宣言―なぜ、アベノミクスでは豊かになれないのか』(新評論)、監訳書に『MMT現代貨幣理論入門』(L・ランダル・レイ著、東洋経済新報社)がある。