ジャンル 芸術の世界

早稲田校

ミケランジェロ入門

  • 春講座

諸川 春樹(多摩美術大学名誉教授)

曜日 火曜日
時間 13:10~14:40
日程 全10回 ・04月01日 ~ 06月17日
(日程詳細)
04/01, 04/08, 04/15, 04/22, 05/13, 05/20, 05/27, 06/03, 06/10, 06/17
コード 110432
定員 34名
単位数 2
会員価格 受講料 ¥ 29,700
ビジター価格 受講料 ¥ 34,155

目標

・ミケランジェロの作品を時系列に沿って理解する
・それぞれの作品が生まれた背景を理解する
・西洋美術史におけるミケランジェロの位置づけを行う

講義概要

彫刻家であり、画家であり、詩人でもあった天才芸術家ミケランジェロは今でも西洋美術史の巨人的存在であり続けています。長命でもあったことからその芸術上の功績全体を把握することは簡単ではないでしょう。今学期は以前にご要望のあった中から、ミケランジェロを取り上げます。彼の作品を鑑賞しながら、その全貌を分かりやすくお伝えしたいと思います。

各回の講義予定

日程 講座内容
1 04/01 初期のミケランジェロ ミケランジェロの幼少期からメディチ家による庇護を受けるまでの状況を理解し、同時に彫刻家として活動を開始した頃の作品を鑑賞する。
2 04/08 「ピエタ」と「ダビデ」 ローマに赴き「ヴァティカンのピエタ」を制作するまでの経緯、およびこの作品の評価について考察する。またフィレンツェに戻った際に注文されたダビデ像に関しても同様の考察を加える。
3 04/15 花の都の彫刻家は絵も描く 「彫刻家」を自認するミケランジェロが、それでも注文された初期の絵画諸作品を鑑賞する。と同時に彼の芸術の基本であった素描についても触れる。
4 04/22 システィーナ礼拝堂天井画物語 ユリウス2世の招聘によって実現したシスティーナ礼拝堂の天井画の制作過程、および各図像内容について解説する。
5 05/13 墓の悲劇:ユリウス2世墓廟彫刻の顛末 教皇の墓碑彫刻が注文された経緯とその後の計画の変遷を、素描を読む形で追いながら翻弄され続けたミケランジェロの精神的状況を推察する。
6 05/20 パトロンとの確執:メディチ家礼拝堂墓碑彫刻 ミケランジェロの代表作であるサン・ロレンツォ聖堂のメディチ家礼拝堂墓碑彫刻について解説し、彼の新しい芸術展開について理解する。
7 05/27 共和国の終焉と芸術作品 共和政から君主政への移行を余儀なくされたフィレンツェの政治状況を解説するとともに、それと対峙したミケランジェロの個人的な状況について考える。
8 06/03 激動の時代の「最後の審判」 宗教改革により窮地に立たされたカトリックの起死回生となるはずであったシスティーナ礼拝堂の大壁画「最後の審判」を鑑賞し、この画家としてのミケランジェロの偉業を理解する。
9 06/10 三つの「ピエタ」と未完成の美学 自身の墓碑とするはずであった未完の「フィレンツェのピエタ」を中心に、彼の死生観および未完成であるがゆえの魅力について解説する。
10 06/17 彫刻家による建築作品:「私は建築家ではない」 建築家としてのミケランジェロの姿を伝えるローマに残された「作品」を紹介して今回の講義のまとめとしたい。

講師紹介

諸川 春樹
多摩美術大学名誉教授
東京大学人文科学研究科博士後期課程満期修了。著書『西洋美術の主題物語』(美術出版社)『西洋美術館』(小学館)『アート・ギャラリー神話と物語』(集英社)訳書:レーヴィン『ピエロ・デッラ・フランチェスカ』(岩波書店)バーク『時代の目撃者』(中央公論美術出版)クルシンスキー『モディリアニ』(岩波書店)他。
  • 外国語 コースレベル選択の目安
  • 広報誌「早稲田の杜」
  • オープンカレッジ友の店