ジャンル 世界を知る

早稲田校

古典と出土史料の中国古代史

  • 春講座

石見 清裕(早稲田大学名誉教授)

曜日 火曜日
時間 10:40~12:10
日程 全8回 ・04月08日 ~ 06月10日
(日程詳細)
04/08, 04/15, 04/22, 05/13, 05/20, 05/27, 06/03, 06/10
コード 110333
定員 30名
単位数 1
会員価格 受講料 ¥ 23,760
ビジター価格 受講料 ¥ 27,324

目標

・中国の古典と出土史料についての基礎的知識を身に付ける。
・中国古代の社会構造と各時代の文化を理解する。

講義概要

中国は、世界史の中でも古典文化を伝える文献史料が極めて豊富に残されている。そのうえ、出土史料も多く発見されており、それらによって各時代の社会文化をつかむことができる。ただし、そのためには、そうした史料を扱うだけの基礎知識が必要となる。本講座は、中国古代の殷から前漢までを取り上げ、それぞれの時代を特徴づける史料を説明・解読し、どういう社会文化をもつ時代だったかに迫ってみる。必要な史料は教場で配付する。

各回の講義予定

日程 講座内容
1 04/08 甲骨文字から見た殷という国 現在知られる最古の漢字は、殷の時代の甲骨文字である。それはどういう文字で、何が記されているのか。代表的な甲骨文を読んで、殷という国のあり方を考えてみる。
2 04/15 西周時代と青銅器銘文 西周時代に入ると、甲骨文は消え、代わってこの時代を特徴づける史料は青銅器に刻された銘文である。そこには、どのようなことが記されるのか。また、青銅器というものはどのように作成されるのかを考える。
3 04/22 古代城郭都市遺跡と春秋時代 一般に「春秋・戦国」とまとめられて呼ばれるが、春秋時代と戦国時代は全く異なる社会である。その違いを、古代都市遺跡の構造や都市国家の形態から考える。春秋時代後半になると、初めて「中華」としてのアイデンティティが芽生えてくる。
4 05/13 戦国時代と『墨子』の城攻め 戦国期になると、戦争は儀式ではなく、現実の殺し合いをともなう形となる。そのため、城郭都市も巨大な構造をもつようになる。その城攻めと防御法が『墨子』に詳しく記される。戦国時代の城攻めとはどのように行われるのか。
5 05/20 孫武と孫臏 ―『孫子』はどちらか― 「孫子の兵法」で知られる孫子は、春秋・呉の孫武と戦国・斉の孫臏の二人の候補者がいる。かつては「孫子」は孫臏であろうと言われていたが、山東省出土の竹簡によって考え方が変わってきた。孫武・孫臏の兵法書とはどのようなものか。
6 05/27 儒家の経典 ―『詩経』の解釈と『周礼』の都城プラン― 孔子の教えをくむ儒家には、五つの経典があり、そのうちの『詩経』と『周礼』を取り上げてみる。『詩経』は古代の政治を歌った詩を治めた書とされていたが、朱子学によって解釈が変わった。また『周礼』には理想的な都城プランが記されるが、それはどのようなものか。
7 06/03 老子・荘子の思想と現実主義者の韓非子 儒家と正反対の思想が道家であり、老子と荘子を代表とするので「老荘思想」と言われる。どういう思想なのか、一節を読んでみる。また、法家に分類される韓非子は、極めて現実主義的な思想家である。その特徴的な一説を取り上げてみる。
8 06/10 前漢・馬王堆出土の地図 湖南省の長沙で発掘された「馬王堆」は前漢時代の墳墓で、そこからは多くの貴重な資料が出土した。なかでも、「地形図」と「駐軍図」と称される2枚の地図は、学界の注目を集めた。それらを見て、前漢時代の江南の集落のあり方を考えてみる。

ご受講に際して(持物、注意事項)

◆休講が発生した場合の補講日は6月17日(火)を予定しております。

講師紹介

石見 清裕
早稲田大学名誉教授
1951年、東京生まれ。早稲田大学商学部・第二文学部卒業、同大学大学院文学研究科博士課程退学。早稲田大学名誉教授。博士(文学)。専門は中国隋唐時代の政治・社会・国際関係史。著書に、『唐の北方問題と国際秩序』(汲古書院、1998年)、『ソグド人墓誌研究』(同、2016年)、『唐代の国際関係』(山川出版社、世界史リブレット、2009年)、『貞観政要全訳注』(講談社学術文庫、2021年)などがある。

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