ジャンル 世界を知る

早稲田校

中世教皇権をめぐる諸問題

  • 春講座

藤崎 衛(東京大学教授)

曜日 金曜日
時間 10:40~12:10
日程 全10回 ・04月04日 ~ 06月13日
(日程詳細)
04/04, 04/11, 04/18, 04/25, 05/09, 05/16, 05/23, 05/30, 06/06, 06/13
コード 110324
定員 24名
単位数 2
会員価格 受講料 ¥ 29,700
ビジター価格 受講料 ¥ 34,155

目標

・西洋中世の社会・文化・宗教を歴史学的に理解する。
・ローマ教皇の歴史的意義についての洞察力を身につける。

講義概要

古代から中世にかけて、ヨーロッパ社会が生み出した歴史的な存在の一つが、ローマ教皇です。ローマの司教がキリスト教の世界で比類なき権威を獲得し、やがて国王や皇帝と権威と権力をめぐって相争うようになりました。本講座では、政治面だけでなく、これまで注目されなかった文化面などにも光を当てます。西洋中世の歴史を広く見とおしたうえで、ローマ教皇をキーワードに中世の文明と社会を理解することをめざします。

各回の講義予定

日程 講座内容
1 04/04 ローマ司教の出現 古代ローマ帝国という環境の中でキリスト教は成立しました。その中でローマ教会とローマ司教が特別な存在になったのはなぜでしょうか。
2 04/11 帝国と教会 迫害と公認・国教化を経て教会はどのように発展したのでしょうか。帝国・皇帝との関係に目を向けつつ考察します。
3 04/18 東西教会の分離 地中海世界は帝国の東西分裂を機に東西で異なる道を歩みはじめ、教会もまた西方のカトリックと東方の正教会で別の歴史をたどるようになります。東西それぞれの教会の特徴と教皇の立場について考察します。
4 04/25 ゲルマン国家と教皇 西ローマ帝国なき後のヨーロッパで、ローマ教会と教皇は世俗権力とどのような関係を構築したのでしょうか。
5 05/09 9-10世紀の教皇権 史料がとぼしく、醜聞も記録されるいわゆる「暗黒時代」の教皇権に光を当てます。
6 05/16 教会改革 11世紀後半に始まった教会改革の意義を問い直します。教皇と皇帝の闘争はどのような展開をたどり、その後の教会と社会はどのように変化したのでしょうか。
7 05/23 ヨーロッパ社会の充実と12世紀の教皇権 教会改革を経て自立した「教皇庁」は、社会的・経済的・文化的に充実を見るヨーロッパ社会でどのような変化をたどったのでしょうか。
8 05/30 アヴィニョン教皇庁と教会大分裂 教皇庁のアヴィニョン移転と教会大分裂について解説し、宗教改革までを見通します。教皇や教会に対する批判はなぜ生じたのでしょうか。
9 06/06 教皇の死と選出 教皇も一人の人間であり、死すべき存在です。宗教的権威者の死はどのような意味を持ち、また表象され、記憶されたのでしょうか。
10 06/13 教皇をめぐるシンボリズム 絵画や彫刻などで教皇はどのように表現されたのでしょうか。教皇をめぐるシンボリズムを解明します。

ご受講に際して(持物、注意事項)

◆参考図書として『中世教皇史』(八坂書房、G・バラクロウ著、藤崎衛翻訳、ISBN:978-4896942828)をお読みになると理解が深まります。購入、持参は必須ではありません。
◆本講座は昨年度の同講師の講座内容と一部重複する場合がありますが、新たに刷新された内容となっています。

講師紹介

藤崎 衛
東京大学教授
1975年生まれ。東京大学大学院総合文化研究科教授。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。博士(文学)。茨城大学准教授、上智大学准教授、東京大学准教授を経て2024年4月より現職。専門は西洋中世史。とくに中世ローマ教皇庁の制度や文化を研究対象とする。著書に『中世教皇庁の成立と展開』(八坂書房、地中海学会ヘレンド賞)、『ローマ教皇は、なぜ特別な存在なのか』(NHK出版)、訳書に『中世教皇史』(八坂書房)、『地中海と人間』(藤原書店)など。『300点の写真とイラストで大図解 世界史』(ニュートンプレス)の監訳者。高校世界史教科書『世界史探究』(東京書籍)の執筆者。
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