ジャンル 日本の歴史と文化

早稲田校

江戸・東京の歴史散歩 坂道のある町

  • 春講座
  • オムニバス

藤島 幸彦(早稲田大学講師、世田谷区生涯大学副学長)
牛垣 雄矢(東京学芸大学准教授)
雨宮 久美(日本大学講師)

曜日 火曜日
時間 13:10~14:40
日程 全6回 ・04月15日 ~ 06月03日
(日程詳細)
04/15, 04/22, 05/13, 05/20, 05/27, 06/03
コード 110270
定員 30名
単位数 1
会員価格 受講料 ¥ 20,460
ビジター価格 受講料 ¥ 23,133

目標

・東京に残る歴史の痕跡と景観を、現地を歩いて確認する。
・歴史学を基調にした建築史、地理学、文化論という各講師の専門を活かした解説で理解を深める。
・江戸時代から近代、現代に至る東京の歴史を再発見する。

講義概要

江戸の町は徳川幕府の城下町として、日本の政治・経済・文化の中心地でした。明治以後は首都、東京としてますます発展しています。今回は東京の地形上の特色の一つである「坂道」に注目してみたいと思います。江戸時代から坂道の上と下、坂道の周囲にはさまざまな町が形成され、時代の変化と共に、坂道の役割が変わったり、都市化の中で坂道自体が顧みられなくなったりして、現代の特色ある町につながっています。そうした「坂道のある町」の中から3種類のタイプの街を訪ねたいと思います。各講師の専門の視点から史跡を見直し、「まち歩き」の楽しみを見出したいと思います。事前に教室で講義を行い、その知識を元に現地を歩いて確認します。

各回の講義予定

日程 講座内容
1 04/15 【講義】板橋区志村界隈の地形と歴史 板橋区志村地域は、武蔵野台地成増台の高台と、荒川低地の沖積層の境目にあり、崖線が二丁目・三丁目の町域を通り、およそ20mの急な高低差があります。その周辺には清水坂をはじめとする多くの坂道が作られており、坂道の上には中世の城跡である志村城跡とその二の丸跡に鎮座する熊野神社など、社寺が多く点在しています。そして、坂道の下には旧中山道が通っています。こうした志村界隈の地形と歴史をご紹介します。
2 04/22 【見学会】旧中山道から志村城跡まで社寺を訪ねて 志村界隈には多くの歴史ある神社や寺院が点在して庶民信仰で賑わっていました。旧中山道の一里塚から志村城山公園までを結ぶ道を散策しながら、そうした社寺に立ち寄りながら、高低差の大きい地形を確認します。そして幾つかの坂道を歩いてみましょう。また、「江戸名所図会」の挿絵に基づいて復元された薬師の泉庭園にも立ち寄り、崖線の湧き水の面影を見てみましょう。
3 05/13 【講義】夜の歓楽街・神楽坂の形成の背景と都市化に伴う変化 かつて料亭街や縁日など、夜の歓楽街として東京の山手随一の賑いをみせた神楽坂。今日,料亭は僅かとなったものの、かつての料亭街の風情を残し、依然として魅力的な飲食店が集まる人気のまちです。講義では、第二次世界大戦以前に、なぜ神楽坂に料亭が集積し、縁日が賑わったのか。戦後はそれらがなぜ衰退したのか。また,都市化の進展とともにまちはどのように変化するとともに、特徴を維持してきたのか。講師の研究成果を踏まえて読み解きます。
4 05/20 【見学会】神楽坂周辺を歩き歴史性とその変化を読み解く JR飯田橋駅→牛込御門跡→セントラルプラザ(旧飯田濠)→軽子坂・揚場町(河岸跡)→神楽坂下→旧料亭街→神楽坂アインスタワー・寺内公園(行元寺跡)→善国寺(毘沙門天)
都心に位置しながら、昔ながらの風情を残す神楽坂は、江戸時代から狭い道路や街区が引き継がれるなど、今日のまちに歴史性が残されています。一方,近代化に伴う開発行為の中で、失われた景観や機能も存在します。巡検では、現地での観察や新旧の地図の読解を通じて、江戸時代から今日にかけてこのまちが有してきた防衛、防災、舟運などの機能や変わった性格、変わらない性格を把握し、神楽坂周辺の歴史地理を読み解きます。
5 05/27 【講義】江戸の旗本上屋敷と寺院 六本木周辺は、江戸時代に大名屋敷、町家があり、今も寺院が多く残っています。現在では坂に面して各国の大使館もあり国際色豊かな都市へと変化しています。坂道はさまざまな歴史の舞台にもなっています。講義ではこの地域の江戸時代由来の坂道と、この地域の特色を示すエピソードをご紹介したいと思います。
6 06/03 【見学会】六本木・麻布十番の坂道 六本木・麻布十番周辺は地形の関係でさまざまな坂道があります。多くの歴史ある坂道を確かめながら歩いてみましょう。六本木駅からスタートして芋洗坂、饂飩坂を歩き鳥居坂を下り途中から於多福坂、潮見坂を通ります。そして、麻布十番の暗闇坂を登り、大黒坂、七面坂を通過して仙台坂を登ります。さらに、一本松坂を通過して狸坂・狐坂を通ります。最後は、六本木のさくら坂を通り、けやき坂から毛利庭園までご案内させて頂きます。

ご受講に際して(持物、注意事項)

◆休講が発生した場合の補講日は6月10日火曜を予定しています。
◆各回の担当講師・担当回・各回講義内容は変更になる場合があります。また、天候によって見学の日程が変更になる場合があります。
◆受講料はイヤホンガイド代を含みます。交通費・入場料等は別途実費ご負担となります。
◆見学は現地集合(開始10分前)・現地解散です。集合場所等の詳細は教室での講義の際にお知らせします。
◆巡見の回は外歩きとなります。ご自身と周囲の交通安全に配慮いただき、団体行動のマナーにそってご受講ください。
◆お申し込みの際は、前後の講座との時間重複にご注意ください。
◆2024年秋期の同名講座の継続講座で継続生優先となる講座です。継続受講者が定員に満たない場合は、それ以外の方もお申し込みいただけます。

講師紹介

藤島 幸彦
早稲田大学講師、世田谷区生涯大学副学長
東京都出身。1988年早稲田大学大学院文学研究科博士課程単位修得退学、1985年同教育学部助手。現在同学部講師。世田谷区生涯大学副学長。自営の綜芸文化研究所にて文化財調査・研究に従事。日本建築文化史専攻。日本建築学会・日本民俗建築学会会員。著書に『京都の町家』(風土デザイン研究所)、『町家点描』(共著)(学芸出版社)など。
牛垣 雄矢
東京学芸大学准教授
神奈川県川崎市出身。博士(理学)。専門分野は都市地理学,商業地域論,地誌学。商業地を中心にまちや地域に関する論文・書籍多数。主著に『まちの地理学―まちの見方・考え方―』(古今書院,単著)、『身近な地域の地理学―地誌の見方・考え方―』(古今書院,単編著)、『日本の都市百選 第1集』(古今書院,共著)、『地誌学概論 第2版』(朝倉書店,共編著)などがある。東京外国語大学、日本大学、玉川大学などで非常勤講師を務める。
雨宮 久美
日本大学講師
日本大学大学院哲学専攻博士前期課程修了、聖心女子大学大学院博士後期課程修了。博士(文学)。日本思想・伝統芸能・日本文化論専攻。日本大学(医学部・理工学部・生物資源科学部・国際関係学部)「哲学」「倫理学」「生命倫理学」等を担当。世田谷区生涯大学「美しい日本の文化」コース担当。日本舞踊花柳流名取(花柳彩久)、華道日本古流準会頭顧問(雨宮一菁)を通し、伝統文化の実践的研究にも従事。著書:『謡曲『石橋』の総合的研究』(勉誠出版)、『Next教科書シリーズ哲学』(共著)(弘文堂)
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