ジャンル 日本の歴史と文化
早稲田校
日本の近世 織豊政権の崩壊、江戸幕府開設から一八世紀半ばまで
深谷 克己(早稲田大学名誉教授)

曜日 | 水曜日 |
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時間 | 10:40~12:10 |
日程 |
全10回
・04月02日 ~
06月11日 (日程詳細) 04/02, 04/09, 04/16, 04/23, 05/07, 05/14, 05/21, 05/28, 06/04, 06/11 |
コード | 110203 |
定員 | 30名 |
単位数 | 2 |
会員価格 | 受講料 ¥ 29,700 |
ビジター価格 | 受講料 ¥ 34,155 |
目標
・近世(江戸時代)の政治・文化・経済・対外関係などを広く取り上げて学習し、大きく江戸時代の全体像を把握する。
・春学期では一八世紀半ば、吉宗政権期までの理解を深める。
講義概要
この講座では、一八世紀半ばまでの150年ほどの期間を、さらにいくつかの時期に分け、政治や経済、文芸、民衆生活、国際関係などに焦点を移しかえながら検討していきます。その際、それぞれの分野が切り離れず、有機的に連関するよう留意しながら講義を進めます。
各回の講義予定
回 | 日程 | 講座内容 | |
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1 | 04/02 | 「惣無事」の時代が到来する | 信長・秀吉・家康らの「天下人」の力がどのように入れ替わり、「無事」と「統一」が実現されたのか。この過程を、理解できるように学習します。 |
2 | 04/09 | 徳川家康が「征夷大将軍」になった際に何を約束したか | 徳川家康が、「将軍宣下」のあとで触れ出た7箇条の「覚」を取り上げ、近世の公儀(政権)がどういう支配を目指そうとしたかを考えます。 |
3 | 04/16 | 朝廷・寺社・幕府の関係はどのように組み替えられたか | 最強の権力をつかんだ武家に対して、権威や信仰の組織者である朝廷・寺社は国家・社会の中でどういう位置を占めたか。この三者の関係を考えます。 |
4 | 04/23 | キリスト教はどのように伸張し、排除されたか | キリスト教が広まる中で、近世政治の始まりの段階にそれが排除されるようになった。在来の神仏信仰ともかかわらせて近世のキリスト教禁止について考えます。 |
5 | 05/07 | 東アジアやヨーロッパとの対外関係はどのように推移したか | 近世の対外関係を表すために「鎖国」という言葉が使われるが、朝鮮・琉球からは使節が来たし、オランダ商館が長崎に設けられました。近世の対外関係を総体的に考えてみたいと思います。 |
6 | 05/14 | 近世的な村と町はどのように成立していったか | 近世の日本は3千万人に満たない人口で明治維新を迎えたが、その基礎をなした村(農山漁村)と町(三都・城下町、門前町)はどのように形成されていったのか。その内容を考えます。 |
7 | 05/21 | 文治政治はどのように伸張したか | 「武断から文治へ」と表現されてきた近世政治を、「政治文化」の特徴と推移という視角からとらえてみます。 |
8 | 05/28 | 学問や思想とその成果はどのようなものだったか | 「無事」と「安民」の保証を理念とする政道論を土台にして、文芸と学問に携わる者たちが輩出した。彼らの活動ぶりと成果を取りあげます。 |
9 | 06/04 | 生産の技術や流通はどのようであったか | 近世では漁村が提供する干鰯が農業の最も良質な肥料であったように、ことなる産業が連関し、村と町の暮らしがつながっていた。その様相を取り上げます。 |
10 | 06/11 | 吉宗政権期の政治や社会はどのような特徴をもっていたか | 幕府開設以降の政治や社会に溜まってきた難題を、吉宗政権は改革的な試みで解決しようとしたが、その内容や結果はどのようであったか。近世の画期点として検討します。 |
ご受講に際して(持物、注意事項)
◆本講座は「日本史基礎講座」シリーズの近世通史の前半にあたり、2025年度秋学期「日本の近世」につながっていきます。
◆2024年度春学期の同名講座とおおむね同じ内容です。ただし参考資料や紹介する文献に新しいものを加えます。
講師紹介
- 深谷 克己
- 早稲田大学名誉教授
- 早稲田大学文学部助手から教授まで歴任。専門は日本近世史。著書に『士農工商の世』(小学館)、『江戸時代』(岩波書店)、『江戸時代の身分願望』(吉川弘文館)、『田沼意次』(山川出版社)、『東アジア法文明圏の中の日本史』(岩波書店)、『民間社会の天と神仏』(敬文舎)。