ジャンル 現代社会と科学

オンデマンド

【オンデマンド】量子の不思議なミクロの世界

  • 冬講座

二間瀬 敏史(東北大学名誉教授)

コード 940704
定員 25名
単位数
会員価格 受講料 ¥ 11,880
ビジター価格 受講料 ¥ 11,880

目標

・ミクロの世界の法則とマクロな世界の法則の違いを理解する。
・ミクロの世界の法則である量子力学が実際の生活にどのように役に立っているのか理解する。
・量子力学がどのように時空の概念を変えるのかを理解する。

講義概要

物質は原子や分子から作られ、それらはさらに小さな原子核と電子からできています。私たちは原子核や電子を「粒子」としてみていますが実は単純な粒子ではありません。それらはある「意味」で2つ、あるいはそれ以上の場所に同時に存在できるのです。その「意味」をあきらかにするのがミクロの世界を支配する法則である量子力学です。量子力学にしたがって運動する粒子が「量子」です。本講座ではこの不思議なミクロの世界の発見と量子力学の発見の物語、アインシュタインをはじめとする天才物理学者の苦悩、量子力学への抵抗、今後急速な進展が期待される量子コンピュータと近年明らかになりつつある量子力学と時空の関係についてもお話しします。

各回の講義予定

講座内容
1 ミクロな世界の発見 ミクロな世界の発見は一見何の関係もない鉄工業の発展から始まります。溶鉱炉の中の現象はそれまで考えられていた光の性質では説明できなかったのです。ミクロの世界がどのように開けられたのか、そして垣間見たミクロの世界がどのようなものだったのか、発見者であるプランクやアインシュタインの話も交えてお話しします。
2 ヤングの実験。粒子であり波でもある 光の粒子である光子は粒子と波の両方の性質を持っています。このことを明確に物語るのが、19世紀の初め頃に行われたヤングの実験です。また光だけでなく物質と思われていた電子も波の性質を持っていることを指摘され、電子に対してもヤングの実験が行われています。なぜこの古臭い実験が量子の性質を明らかにしているのかを、近代的なヤングの実験を紹介しながら説明します。
3 天才たちの作った量子力学とその後の応用 ミクロの世界の法則である量子力学が確立したのは1920年代です。このときシュレジンガー、ハイゼンベルグ、パウリなど天才たちが活躍しました。量子力学の内容を天才たちの話題とともにお話しします。またできあがった量子力学はあっという間にいろいろなことに応用されて現代社会の基礎になっています。身近な量子力学の応用についてもお話しします。
4 量子力学への抵抗 天才たちが作り上げた量子力学は、これまで物理学者が培ってきた常識とは全く相いれませんでした。これを端的に物語るのがシュレジンガーの猫であり、アインシュタイン・ポドルスキー・ローゼンのパラドックスです。特にアインシュタインたちが指摘した量子もつれと呼ばれる量子同士の不思議な関係が現在の量子力学の進展に大きな役割を果たしています。シュレジンガーやアインシュタインがなぜ量子力学に反対したのかをお話しします。
5 多世界解釈と量子コンピュータ 量子の波でもあり粒子でもあるという性質を使った量子コンピュータが話題になっています。量子コンピュータの最初の進展には、量子力学の多世界解釈という不思議な解釈が重要な役割を果たしました。多世界解釈と量子コンピュータの初歩についてお話しします。
6 量子力学と時空 量子力学はミクロな世界の法則ですが、近年、時空をつくるのに基本的な役割を果たしている可能性が議論されています。その発端となったのがブラックホールと量子力学の関係です。さらにブラックホールを2つつなげたようなワームホール時空と量子もつれとの関係も指摘されています。現代物理学の最先端である量子力学と時空の関係をお話しします。

ご受講に際して(持物、注意事項)

◆視聴期間は一般申込開始(2024/11/26)から学期終了翌月末(2025/04/30)までになります。一般申込開始(2024/11/26)以降はお申し込みいただけましたら視聴可能になります。
◆この講座は
2024年度 夏期 「量子の不思議なミクロの世界」 (07/17〜08/28 水曜日、全6回)
で開講した講座のアーカイブ講座になります。
◆途中映像音声の乱れるところがありますがご了承ください。
◆オンデマンド講座のため講義内容に関する質疑は受付けいたしかねます。あらかじめご了承お願いいたします。

講師紹介

二間瀬 敏史
東北大学名誉教授
札幌生まれ。Ph.D(英国カーディフ大学)。専門は一般相対性理論、宇宙論。理論的研究が主であるが、すばる望遠鏡による重力レンズの観測なども行っている。著書は教科書『宇宙物理学』『相対性理論』(いずれも朝倉書店)、一般書『宇宙大全 これからわかる謎の謎』(さくら舎)『ブラックホール』(中公新書)など。
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