ジャンル 現代社会と科学
オンデマンド
【オンデマンド】国際報道から読み解く世界
横村 出(ジャーナリスト、作家)
コード | 940702 |
---|---|
定員 | 25名 |
単位数 | − |
会員価格 | 受講料 ¥ 7,920 |
ビジター価格 | 受講料 ¥ 7,920 |
目標
・コロナ明け後の世界を覆う、対立や衝突の現状と背景を国際報道を通して知る。
・世界を分断へと導くマグマの所在を確かめ、時局に流されない思考の軸を学ぶ。
講義概要
2024年の世界は、多くの紛争と対立を抱えて混迷がつづく。コロナ禍に覆われた数年間に人類は〝共存〟を学ぶことなく、分断と独善の道を再び歩みはじめた。本講座では、アジア、中東、欧州、米国の4つの柱を立てて年前半をふり返りつつ、重要な節目を迎える年後半の動静を占う。とりわけ秋の米国大統領選挙の行方しだいで、ウクライナとパレスチナ情勢が左右されるだけでなく、世界の地政学上の変動や民主主義の趨勢にまで影響を与えよう。最新の国際情勢を踏まえて、講義の進行をアップデートする。
各回の講義予定
回 | 講座内容 | |
---|---|---|
1 | 分断されるアジア | 台湾情勢が〝アジアの火種〟と喧伝されている。年初に行われた台湾総統と立法院の選挙では、中国への対抗と融和が共存する結果だった。「戦争か平和か」の選択を迫る中国への肩すかしだが、台湾に肩入れする米国にも冷や水だ。東アジアの分断とは、本質的に米中対立の線引きをめぐる争いで、日本・韓国、北朝鮮・ロシアの関与しだいで拡大有事の局面がありうる。 |
2 | 沸騰と混沌の中東 | パレスチナの過激勢力とイスラエルの右翼政権の軍事衝突は、単に歴史的・地域的な民族紛争ではない。新たな対立軸をもち込んで中東和平を壊滅させた米国に対し、イランを中心とする〝シーアの弧〟にうっ積するマグマが、ロシアなどの支持によって沸騰している。一枚岩ではないアラブ世界では、むしろ混沌の両天秤によって利益と大義のバランスをとっている。 |
3 | 分解へ向かう欧州 | ブレグジットに象徴されたように、ひところの〝アンチ欧州統合〟の勢いは収まったかに見えた。だが、それはコロナ禍のロックダウンで、人と物の動きが一時的に鈍ったためだ。EU圏域では、右派・極右勢力が伸張する国が再び増えている。ロシアの独裁的権威主義への対抗軸として、民族主義や自国主義が台頭すれば、ウクライナ危機は広く欧州へ波及しかねない。 |
4 | 対立と凋落の米国 | ポピュリズムがいっそう高まりを見せているのが米国である。まっとうな有権者ですら、世界の危機を回避できなかった現政権への失望が強い。トランプ時代の4年間に破壊された米国の伝統的価値を取り戻せないまま、再び独善と対決と暴力が支配する政治に逆戻りするならば、超大国の米国が鍵を握る〝パクスアメリカーナ(米国による平和)〟の終焉が確実となろう。 |
ご受講に際して(持物、注意事項)
◆視聴期間は一般申込開始(2024/11/26)から学期終了翌月末(2025/04/30)までになります。一般申込開始(2024/11/26)以降はお申し込みいただけましたら視聴可能になります。
◆この講座は
2024年度 夏期 「国際報道から読み解く世界」 (07/13〜08/24 土曜日、全4回)
で開講した講座のアーカイブ講座になります。
◆途中映像音声の乱れるところがありますがご了承ください。
◆オンデマンド講座のため講義内容に関する質疑は受付けいたしかねます。あらかじめご了承お願いいたします。
講師紹介
- 横村 出
- ジャーナリスト、作家
- 1962年生まれ。早稲田大学政経学部政治学科卒・大学院政治学研究科博士前期課程修了。朝日新聞社入社後、ロシアのサンクトペテルブルク国立大学へ留学し、モスクワ特派員になる。ロシア東欧・中東アフリカなどで戦争や革命を取材した。現在、米ロと関わる国際紛争や安全保障をテーマにするほか、小説を執筆している。著書に、プーチン政権の政治と戦争の闇を記録したルポ『チェチェンの呪縛 — 紛争の淵源を読み解く』(岩波書店)、現代世界を点描した小説『漆黒のピラミッド — 世界をめぐる十の短編』(新潟日報メディアネット)などがある。詳しくは、公式サイト(izuruyokomura.com)をご覧ください。