ジャンル 人間の探求

オンデマンド

【オンデマンド】現代宗教のゆくえ―初学者のための宗教学入門

  • 冬講座

岡本 亮輔(北海道大学教授)

コード 940502
定員 25名
単位数
会員価格 受講料 ¥ 11,880
ビジター価格 受講料 ¥ 11,880

目標

・現代社会の中の宗教の広がりについて知見を深める。
・一神教と多神教の特徴を対比的に理解できるようになる。
・現代宗教を信仰・実践・所属の3要素から考えられるようになる。

講義概要

宗教は自分とはあまり関係ないと感じるかもしれません。しかし、それは信仰を中心にして宗教を考えているためです。実際には、現代社会では宗教は様々に形を変えながら、政治・経済・医療・教育・メディア作品・娯楽などに浸透しています。普段は宗教施設や宗教者とはほとんど縁がない人も、葬式の時はやはり寺院にお願いしたり、観光や初詣の時だけ神社仏閣に参拝したりするのはなぜでしょうか。そして、御朱印集めやパワースポットめぐりといった形で、聖地巡礼は観光としても定着しています。この授業では、欧米のキリスト教との比較も行いながら、日本人と宗教の不思議な関係について探ってゆきます。

各回の講義予定

講座内容
1 世俗社会の現代宗教:宗教は衰退してゆくのか? この授業のイントロダクションも兼ね、欧米や日本で進む宗教離れについて概観します。宗教のない世界がやってくるのでしょうか。宗教をめぐり、どのような問題が生じているのでしょうか。その上で世界最大の宗教であるキリスト教について学びます。
2 キリスト教の論理:なぜ全能の神が苦しむのか? キリスト教は人類史上最大の宗教です。そのため、暗黙のうちに宗教全般のモデルと見なされてきました。その特徴をおさえることで、日本の宗教についての理解も深まります。
3 聖地巡礼:なぜ無宗教者は聖地を目指すのか? キリスト教の特徴を踏まえた上で、聖地巡礼について考えます。主に取り上げるのは、カトリック第三の聖地サンティアゴ・デ・コンポステラ大聖堂を目指す巡礼です。キリスト教離れが進んでいるにもかかわらず、サンティアゴ巡礼者は21世紀に入ってから激増し、現在も増え続けています。その理由を探りながら「信仰のない巡礼者」の旅について考えます。
4 呪術と自然崇拝:なぜ藁人形に五寸釘なのか? 日本の宗教の基盤にある自然崇拝について学びます。そして、自然崇拝を背景に実践されるのが呪術です。私たちも呪術的な思考や実践を引き継いでおり、現代日本の聖地巡礼にも呪術的な性格が色濃く残っていることを学びます。
5 仏教:なぜ葬式仏教は流行り続けるのか? 仏式葬儀は批判されますが、圧倒的なシェアを占め続けています。なぜ葬儀といえば仏教なのでしょうか。なぜほとんどの日本人は特定の寺院の檀家となっているのでしょうか。釈迦の説いた仏教が日本でいかに変容し、現代まで残ってきたのかを概観します。
6 まとめ:なぜ人間は神を見てしまうのか? なぜ人間は神や仏のような超自然的な存在を見出してしまうのでしょうか。この授業のまとめとして、宗教と科学の関係性を確認します。その上で進化生物学等の知見も参照しながら、宗教が生み出されるメカニズムについて考えます。

ご受講に際して(持物、注意事項)

◆視聴期間は一般申込開始(2024/11/26)から学期終了翌月末(2025/04/30)までになります。一般申込開始(2024/11/26)以降はお申し込みいただけましたら視聴可能になります。
◆この講座は
2024年度 夏期 「現代宗教のゆくえー初学者のための宗教学入門」 (07/03〜08/07 水曜日、全6回)
で開講した講座のアーカイブ講座になります。
◆途中映像音声の乱れるところがありますがご了承ください。
◆オンデマンド講座のため講義内容に関する質疑は受付けいたしかねます。あらかじめご了承お願いいたします。

講師紹介

岡本 亮輔
北海道大学教授
東京生まれ。博士(文学、筑波大学)。専門は宗教学、観光学。著書に『聖地と祈りの宗教社会学』、『聖地巡礼―世界遺産からアニメの舞台まで』、『江戸東京の聖地を歩く』、『宗教と日本人―葬式仏教からスピリチュアル文化まで』など。近刊に『創造論者vs. 無神論者─宗教と科学の百年戦争』。
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