ジャンル 世界を知る
早稲田校
南米古代帝国インカの歴史―興隆・崩壊・再生
網野 徹哉(東京大学教授)

曜日 | 火曜日 |
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時間 | 10:40~12:10 |
日程 |
全4回
・01月07日 ~
01月28日 (日程詳細) 01/07, 01/14, 01/21, 01/28 |
コード | 140304 |
定員 | 30名 |
単位数 | 1 |
会員価格 | 受講料 ¥ 11,880 |
ビジター価格 | 受講料 ¥ 13,662 |
目標
・南米最大の古代帝国インカの歴史について、その生成から崩壊までのプロセスを学ぶ。
・帝国崩壊後、スペインによる植民地支配下において、先住民社会がいかに生存戦略を展開したかを学ぶ。
・その過程で、インカが再生してゆく歴史を学ぶ。
講義概要
インカ帝国は、15世紀、南米最大の王国に発展し、広大な領域を統治した。非文字社会でありながら、神聖王の絶対的支配のもと、幹線道路や宿駅制度、物流システム、物資の備蓄体制などが整備され、また大規模な人口統制政策もとられた。発展の絶頂にあったインカ国家は、しかし1532年、スペイン人征服者によって滅ぼされ瓦解する。その後、先住民社会は、植民地支配のもとで、厳しい搾取状況におかれることになったが、スペイン人の支配に対する戦術的抵抗を持続させていた。その動きは、18世紀末に発生したインカの再生を求める大反乱へと流れ込んでいく。本講座では、こうしたアンデスの歴史のダイナミズムを学んでゆきたい。
各回の講義予定
回 | 日程 | 講座内容 | |
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1 | 01/07 | インカ帝国の生成 | 南アメリカ大陸の南北4,000キロにわたり、巨大な帝国を創りだしたインカ社会の生成の歴史を、それ以前の古代文明の様相を踏まえて明らかにする。神聖化されたインカ王権を軸に、帝国が立ち上がるさまを学びたい。 |
2 | 01/14 | 帝国の実像 | インカ社会の具体的様相を、さまざまな角度から分析したい。とりわけ、社会を通底する政治・経済システムとしての互恵・再分配思想、宗教的統合のありさま、人民支配の具体相を、これまでの歴史的知見を踏まえつつ学んでいきたい。 |
3 | 01/21 | スペインの征服と帝国の崩壊 | 南北4,000キロにわたる巨大な領域を統一するに至ったインカ帝国は、しかし、社会内部に大きな問題を抱えつつあり、それは帝国を二分する内乱へと発展する。そうした混乱の中、スペイン人ピサロ率いる征服者たちにより、インカは滅びる。その歴史的な過程を明らかにしていきたい。 |
4 | 01/28 | インカの再生 | 征服後、厳しい植民地支配に曝された先住民社会の内実を、16〜18世紀の歴史の中に探りつつ、そうしたなかで、いにしえのインカ王の復活を希求する動きが生まれていき、その流れが18世紀末にアンデス社会を根柢から揺さぶったトゥパク・アマル大反乱に帰結するありさまを学んでゆきたい。 |
ご受講に際して(持物、注意事項)
◆休講が発生した場合の補講日は2月4日(火)を予定しています。
講師紹介
- 網野 徹哉
- 東京大学教授
- 東京大学教養学部助手、フェリス女学院大学専任講師を経て、現職。
専門は、ラテンアメリカ史、特に、アンデス社会史。
インカ帝国の歴史、その崩壊過程、さらにスペイン人の支配下における先住民社会の動態を、特に、宗教の観点から学んでいる。
主な著書に、『インカとスペイン — 帝国の交錯』(講談社学術文庫、2018年)、『インディオ社会史』(みすず書房、2017年)などがある。