ジャンル 世界を知る

早稲田校

映画で知る現代イスラエルとユダヤ人 等身大の姿に迫る

  • 冬講座

鴨志田 聡子(東京大学特任研究員)

曜日 木曜日
時間 19:00~20:30
日程 全8回 ・01月09日 ~ 02月27日
(日程詳細)
01/09, 01/16, 01/23, 01/30, 02/06, 02/13, 02/20, 02/27
コード 140335
定員 30名
単位数 1
会員価格 受講料 ¥ 23,760
ビジター価格 受講料 ¥ 27,324

目標

・現代イスラエルとユダヤ人社会について、映画のシーンを通して楽しく学びを深める
・ユダヤ人の価値観に触れて文化理解を進める
・現代のユダヤ人社会が直面する課題を知り多様な視点を養う

講義概要

皆さんは、イスラエルやユダヤ人についてどのようなイメージをお持ちですか? 本講座ではイスラエルとユダヤ人に焦点を当て、彼らの日常生活や大切にしている価値観について、映画を交えて紹介します。ニュースで得る情報とは一味違った、リアルで親しみやすく魅力的なユダヤ人の日常生活、そして彼らの社会の課題について分かりやすく学びます。2週間に1本のペースで映画を扱います。様々なユダヤ人と過ごした講師の実体験を交えつつ皆で基礎知識を確認しながら映画を観ます。ヘブライ語やイディッシュ語、アラビア語など多言語が飛び交う映画ですが、日本語字幕付きですので、ぜひご参加ください! 早稲田から中東へ、気軽に旅しましょう。

各回の講義予定

日程 講座内容
1 01/09 映画で親しむユダヤ人の世界 映画にはたくさんのユダヤ人が描かれています。けれども、わたしたちはこれまで、映画に描かれたユダヤ人の姿を、彼らの目線でじっくり深堀りしてきたでしょうか。これからイスラエル映画を通してユダヤ人が開いてくれた文化交流の世界に飛び込みます。その準備のために、本講座の意義とイスラエル社会やユダヤ人について、講師が実体験を交えながら解説します。
2 01/16 映画に描かれた現代イスラエル 『ジェリー・フィッシュ』(2007年)は、ヘブライ語文学の人気作家エトガル・ケレットの作品です。東欧出身の両親を持つケレットは、親しみやすさと、奇想天外でコミカルな表現と、イスラエル社会への深い洞察から、日本や米国ではもちろん世界中の人々に知られています。この作品にはいろいろなイスラエルの住民と、中東・地中海地域の晴れ晴れとした景色が描かれています。いよいよ現地への旅に出かけましょう。
3 01/23 現代イスラエル社会におけるホロコーストとマイノリティ ホロコーストを生き延びた人たちは、実はイスラエル社会でマイノリティ的な存在です。「石鹸」などと侮蔑され、ひっそりと生きてきました。イスラエルには、出身地、系統、母語の異なるさまざまなマイノリティの集合体です。彼らの社会を理解するために、まず押さえておきたいポイントをお話します。
4 01/30 映画『選択と運命』(1993年)に描かれた現代イスラエル社会におけるホロコースト生存者 『選択と運命』(1993年)に描かれているホロコーストを生き延びた夫婦。彼らはイスラエルで実際にどのような生活を送ってきたのでしょうか。イディッシュ語を話す彼らの横顔を捉えたドキュメンタリー映画を講師が解説します。
5 02/06 現代イスラエルにおける超正統派ユダヤ人 超正統派ユダヤ人は、彼らは世俗的な考え方や生活様式を受け入れることを受け入れず、とても宗教的なことで知られています。彼らは現代社会においてどのような価値観をもって生きているのでしょうか。日本ではまだ知られざる部分が多い彼らですが、イスラエルの兵役拒否や兵役義務化で日本のニュースでも取り上げられるなど注目されています。ユダヤ人社会で存在感の大きな彼らについて、基礎的な知識を身につけます。
6 02/13 映画『フィル・ザ・ヴォイド』(2012年)に描かれた超正統派ユダヤ人の世界 『フィル・ザ・ヴォイド』(2012年)に描かれた超正統派ユダヤ人の世界に触れます。彼らの結婚と出産、そして家族の様子が描かれたこの作品を通して、彼らの文化を垣間見ましょう。日本の伝統との共通点も見つかるでしょう。きっと今までよりもずっと身近に感じるはずです。
7 02/20 現代イスラエル社会におけるユダヤ人とパレスチナ人(イスラエリ・アラブ) ユダヤ人とパレスチナ人(イスラエルに住んでいるパレスチナ人はイスラエリ・アラブと呼ばれています)の間には、さまざまな問題や課題があります。イスラエルという国家の成り立ちや、度重なる戦争によって、彼らは打ち解けるのが難しくなりました。けれどもその一方で、人情あふれる交流も存在します。中東はこれからどうなっていくのか? 最終回の作品に向けて、ユダヤ人とパレスチナ人から構成されるイスラエル社会について解説します。
8 02/27 映画『テルアビブ・オン・ファイア』(2018年)に描かれたユダヤ人とパレスチナ人の接点 『テルアビブ・オン・ファイア』(2018年)に描かれたユダヤ人とパレスチナ人のギクシャクしつつもコミカルな交流シーンから、イスラエルとパレスチナの人々の人情味あふれる姿や葛藤する姿を確認します。講師がこの作品のパレスチナ人監督から聞いたお話も紹介します。彼らが抱える課題や可能性が普遍的なものでもあることを確認しつつ、本講座で学んだことを総括します。

ご受講に際して(持物、注意事項)

◆事前知識は必要ありませんので、お気軽にご参加ください。
◆扱うテーマや講義の順番は、受講者の様子や情勢を見ながら変更する可能性があります。

講師紹介

鴨志田 聡子
東京大学特任研究員
ユダヤ人の言語と文化を研究し、東京大学で博士号を取得。東京外国語大学などでユダヤの言語と文化についての講義を担当。20年以上にわたり世界各地のユダヤ人に会いに行って文化活動をともにしてインタビュー調査をし、論文や本を執筆。著書に『現代イスラエルにおけるイディッシュ語個人出版と言語学習活動』(三元社)、共著に『イスラエルを知るための62章』(明石書店)、『Pen BOOKS ユダヤとは何か』(CCC Media House)、訳書に『アンチ』(岩波書店)など。白水社の『ふらんす』で連載「パリとユダヤ人」連載中。『「その他の外国文学」の翻訳者』(白水社)にインタビュー掲載。
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