ジャンル くらしと健康

早稲田校

老年期の看取り 死に至る経過を知り、私の最期を具体的に考えてみる

  • 冬講座

川上 嘉明(東京有明医療大学教授)

曜日 木曜日
時間 10:40~12:10
日程 全6回 ・01月23日 ~ 02月27日
(日程詳細)
01/23, 01/30, 02/06, 02/13, 02/20, 02/27
コード 140687
定員 30名
単位数 1
会員価格 受講料 ¥ 17,820
ビジター価格 受講料 ¥ 20,493

目標

・死に至る経過の実際を知ることができる。
・理想的な自らの最期を実現するために必要なことを具体的に考えることができる。
・希望する死までの生き方を文章にして(できれば)家族らと話し合うことができる。

講義概要

「たまごクラブ」「ひよこクラブ」などの大衆誌があるように、親になる誰もが「命の誕生」について当然のように学ぼうとします。一方、誰もが経験することになる「命の終わり」について、前もって学ぼうとする人はかなり少ないのではないでしょうか。医学の進歩などにより私たちはより長い老年期を手中にし、死を先送りするためのオプションもたくさん得てきました。ところが、いつかは経験する自分の死に向き合おうとしないばかりか、それらの選択も誰かに丸投げしています。理想の最期を実現するためには、死に至る経過を知り自分の理想を考え表明することが不可欠です。それは「自分らしく自らの命を生ききる」ことにつながります。

各回の講義予定

日程 講座内容
1 01/23 死に至る経過の現状、および困惑、混乱 70年ほど前、お産や看取りは家庭内でのできごとでしたが、現在は誕生も死も病院内が標準的です。そして毎日約4千人が死亡している日本では病院死が大半を占め、中には当人が望まない死の経過となる現実が生じています。
2 01/30 死に至る「軌跡モデル」、および 死に至る経過の実事例検討 死に至る経過は個々によってさまざまですが、いくつかのモデルにわけることができます。死に方を選ぶことはできませんが、それらのモデルを知ることで起こりうる変化を予想し、心の準備などをすることができます。
3 02/06 暮らしの中で最期を過ごす 死を迎える場所、看取りを支える専門職の選択と連携、家族との関係づくりなどにより、死までの経過は変化します。多くの国民は自宅死を望んでいますが、その優れた点を理解し、活用の仕方、限界もあわせて知ることが必要です。
4 02/13 自分が考える理想的な死に至る経過 理想的な最期は自分だけで完遂することはできません。自分の人生に対する価値感、死に至る中での医療に関する希望などを具体的に考え、家族ら周りの信頼できる人と話し合いながら書面にしておくことが大切です。
5 02/20 理想的な死の経過を確実にする 本人が望む最期の迎え方を阻む「伏兵」は,意外にも本人の家族の中など身近にいます。一方、本人が望み本人らしく死に至ることを支援できるのも家族です。生きている今の家族との関係が最期の大切な場面に反映されます。
6 02/27 生きてきたように死んでいく 100人いれば100とおりの死に至る経過があります。個々の身体状態、病気や症状の現れ方、置かれている環境などが異なり、生きている今と同様にその時々の判断と選択がその人らしい生、そしてその人らしい死への帰着を創るからです。

ご受講に際して(持物、注意事項)

◆ご自身が必要なものをご持参ください。
◆重いテーマですが、ユーモア(…にも関わらず笑うこと)をまじえ皆さまとご一緒に考えたいと思います。

講師紹介

川上 嘉明
東京有明医療大学教授
千葉大学大学院 看護学研究科 博士後期課程修了 博士
病院看護師,訪問看護師,在宅介護支援センター長,特別養護老人ホーム施設長として約20年の臨床経験後,現在は老年看護学講座の教授。暮らしの中での高齢者の「看取り」が専門・研究分野。
著書に『自然死を創る終末期ケア~高齢者の最期を地域で看取る』(現代社),『穏やかに逝く~介護で支える自然な死』(環境新聞社),『はじめてでも怖くない 自然死の看取りケア』(メディカ出版),『家で死んでもいいんだよ』(法研),『看取り ― 死のその時まで「そのひとである」ことを支える(仮)』(メディカ出版)などがある。
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