ジャンル 芸術の世界

早稲田校

社会人のための必修教養講座 西洋美術入門 モネと19世紀後半のフランス美術

  • 冬講座

喜多崎 親(成城大学教授、一橋大学名誉教授)

曜日 水曜日
時間 19:00~20:30
日程 全8回 ・01月08日 ~ 02月26日
(日程詳細)
01/08, 01/15, 01/22, 01/29, 02/05, 02/12, 02/19, 02/26
コード 140433
定員 30名
単位数 1
会員価格 受講料 ¥ 23,760
ビジター価格 受講料 ¥ 27,324

目標

・近代美術史についての基本的な考え方を習得できる。
・印象派の絵画の見方を習得できる。

講義概要

クロード・モネ(1840-1926)は、印象派を代表する画家です。2024年10月5日から国立西洋美術館で「睡蓮」を中心としたモネ展が開催されており、より深い作品鑑賞ができるよう、モネと彼を取り巻く19世紀美術の状況を解説します。

各回の講義予定

日程 講座内容
1 01/08 印象派の基礎知識 印象派は今日でも人気のあるグループですが、その評価は決して固定してはいませんでした。評価史をたどりながら、まず印象派についての概略を説明します。
2 01/15 印象派展という抵抗 1874年にパリで第1回印象派展が開かれたとされます。しかし「印象派」という名前はこの展覧会を見た批評家が批判的につかったものでした。一体この展覧会はどういうものだったのか、グループの綱領やカタログを通じて明らかにします。
3 01/22 モネ《印象 日の出》の社会的背景 モネの《印象 日の出》は、第1回印象派展に出品され、「印象派」という呼び名のもとになったともいわれています。しかし、この絵はそもそも何を描いたもので、モネはどうしてこの絵を描いたのでしょうか。時代背景からその性質を説明します。
4 01/29 モデルニテの視線 18世紀の後半に起こったフランス革命と産業革命は、近代ヨーロッパを大きく変えました。それは新しい時代としての「モデルニテ(現代性)」という意識を生みます。印象派の画家達が、それをどのように描こうとし、そこにはどういう意識が潜んでいるのかを見ていきます。
5 02/05 モネとジャポニスム 19世紀の後半、西洋では大きな日本美術のブームがありました。ジャポニスムと総称されるこの傾向は、モネを始めとする印象派の画家達にも大きな影響を与えます。しかし、いったい日本美術の何が、彼らにとって魅力だったのか、彼らが日本美術から採り入れたものを指摘するだけでなく、その理由についても考察します。
6 02/12 連作という形 1890年代、モネは「積みわら」「ポプラ並木」「ルーアン大聖堂」など同一のモティーフによる連作を描き始めます。一体それはどういう関心から生まれたのか、またそこにはどのような意味があったのか、を考えます。
7 02/19 19世紀の壁画 モネは晩年睡蓮をモティーフにした大装飾画に取り組みます。それは移動できる額絵ではなく、壁画として構想されました。その理由を考えるために、まず19世紀における壁画とは何かを概観します。
8 02/26 大装飾画《睡蓮》 ジヴェルニーに日本風の庭園を造ったモネは、やがて睡蓮の池を描き始め、それは次第に巨大な壁面装飾へと展開していきます。それはある意味ではモネの集大成であり、最後の新しい試みとも言えるものでした。睡蓮の構想を追いながら、そこでモネが試みていることについて考えます。

講師紹介

喜多崎 親
成城大学教授、一橋大学名誉教授
早稲田大学大学院博士課程中退。博士(文学)。国立西洋美術館主任研究官、一橋大学大学院教授等を経て現職。専門は19世紀フランス美術史。著書に『聖性の転位ー一九世紀フランスに於ける宗教画の変貌』、『甦る竪琴ーギュスターヴ・モロー作品における詩人イメージの変遷』、編著に『前ラファエッロ主義ー過去による19正規絵画の革新』、共著に『岩波 西洋美術用語辞典』、『美術出版ライブラリー 歴史編 西洋美術史』など。

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