ジャンル 現代社会と科学

中野校

アメリカの公文書から見た核、田中角栄、ロッキード事件

  • 冬講座

奥山 俊宏(上智大学教授、ジャーナリスト)

曜日 月曜日
時間 15:05~16:35
日程 全3回 ・01月20日 ~ 02月03日
(日程詳細)
01/20, 01/27, 02/03
コード 340723
定員 24名
単位数 1
会員価格 受講料 ¥ 8,910
ビジター価格 受講料 ¥ 10,246

目標

・日米関係の裏の読み解きを試みる。
・日米両国の公文書管理の大違いを知る。
・公共情報の流通の現場を垣間見る。

講義概要

アメリカ政府の情報機関CIAと密接なつながりのある軍需メーカーから日本政府高官らに30億円もの資金が渡ったとされるロッキード事件は1976年に発覚し、間もなく満50年となる。田中角栄元首相がこのうち5億円を受け取ったとして逮捕された。ロッキード事件の混乱のさなかの1976年、日本は、核不拡散条約(NPT)を批准した。1970年の署名から6年を経ての批准だった。これをもって日本は核兵器を保有しない義務を法的に負うと国際社会に約束し、今に至る。これらの出来事があった1970年代の日米関係に焦点を当て、日米両国の公文書館で、秘密指定を解除された公文書の密林に分け入って何が見えてくるか探る。

各回の講義予定

日程 講座内容
1 01/20 アメリア政府の公文書から見た日本の政治家たち −−ロッキード事件を素材に ▽ロッキード事件とは
▽米政府は田中角栄首相をどう見たか
▽いっそう濃くなった中曽根康弘氏の影
▽密使を米政府に差し向けた三木首相
▽CIAから日本の政治家への資金提供
▽米国に弱みを握られた日本の政治家たち
▽過去のことはでない ロッキード社は今も日本に売り込み
2 01/27 アメリカ政府の公文書から見た日米の核政策 −−日本はなぜ核兵器保有を放棄したのか ▽日本によるNPT批准に対する米政府態度の両面性(1972〜73年)
▽日本が核兵器で武装する可能性を7割程度と見積もっていた米国防情報局(1973年)
▽現職米国大統領の初訪日で広島訪問を検討(1974年)
▽日本の有力政治家による核兵器使用制限の提案(1974年)
▽日本が核兵器保有を選択しなかった理由(1975年)
▽日本のための米国「核の傘」の公式表明(1975年)
▽日本のNPT批准を求めて圧力をかけた米政府(1976年)
▽原子力政策を転換した米政府(1976年〜)
3 02/03 公文書管理とガバナンスの日米比較 −−アメリカ国立公文書館を訪ねて ▽日米の要人会談の記録を日米で閲覧すると…
▽ロッキード事件訴訟記録の閲覧を日米で試みると…
▽福島第一原発事故への対応の記録を日米で比較すると…
▽日本の財務省は電子メールを片っ端から廃棄、米国は幹部メール全部永久保存
▽アメリカ国立公文書館でやっていること
▽日本の裁判所と検察は重要な訴訟記録を片っ端から廃棄!→是正へ
▽司馬遼太郎さん「歴史と記録」に学んだ公文書管理を

ご受講に際して(持物、注意事項)

◆休講が発生した場合の補講は、2月10日(月)に行います。

講師紹介

奥山 俊宏
上智大学教授、ジャーナリスト
1966年、岡山県生まれ。1989年、東京大学工学部卒、同大学新聞研究所修了、朝日新聞入社。水戸支局、福島支局、東京社会部、大阪社会部、特別報道部などで記者。2013年から朝日新聞編集委員。2018年、司馬遼太郎賞、日本記者クラブ賞を受賞。朝日新聞記者33年を経て2022年から上智大の文学部新聞学科で教え、ニュースサイト「Atta!」を編集。
著書に『内部告発のケーススタディから読み解く組織の現実』、『バブル経済事件の深層』、『秘密解除 ロッキード事件』など。
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