ジャンル 現代社会と科学

早稲田校

タワーマンションとは何か? 日本に現れた新たな住形態の光と影

  • 冬講座

榊 淳司(不動産ジャーナリスト)

曜日 木曜日
時間 19:00~20:30
日程 全4回 ・02月06日 ~ 02月27日
(日程詳細)
02/06, 02/13, 02/20, 02/27
コード 140759
定員 30名
単位数 1
会員価格 受講料 ¥ 11,880
ビジター価格 受講料 ¥ 13,662

目標

・「タワーマンション」という住形態の実相を理解
・「鉄筋コンクリート造」という建物の特異さを理解
・「区分所有」という特殊な権利形態の実相を理解
・「タワマン」が引き起こす人間世界の悲喜劇交々

講義概要

近年、20階以上の超高層集合住宅である「タワーマンション」が日本の主に都市部で一種のブームを巻き起こした。高層階からの眺望が素晴らしいことはいうまでもない。多くの人がそこに居住することを望み、価格の高騰が今でも続く。しかし、そこにはいくつもの盲点が潜んでいる。そもそも、人類は生活上の「地上」よりもあまり高いところに住んだ経験がない。特に日本人の大半は半世紀前まで地上2階までの住宅で暮らしていた。つまり、タワマンはかなりイレギュラーな住形態だ。今回は、そのイレギュラーな住形態である「タワマン」に内在する、さまざまな「光と影」について、その実態と問題点を忌憚なくご説明し、受講生の理解を図りたい。

各回の講義予定

日程 講座内容
1 02/06 タワーマンションって、なあに? いわゆる「タワマン」とは何か……ということについての基本的な理解を図ります。なぜ、それが生まれたのか? 日本人の多くは、なぜタワマンが好きなのか? マンションデベロッパーはなぜタワマンを作りたがるのか? 等々の基本的なタワマンを巡る環境についてお話します。
2 02/13 タワマンの建物構造の「光と影」 タワマンは基本的に「鉄筋コンクリート造」という建築構造です。しかし、普通の15階程度のマンションとはかなり違う構造が用いられています。その特殊性を多くの人は理解せず「ただ階数が高いマンション」と思って住んでいる場合がほとんど。その意外な構造形態の違いと、そのことによって生じる様々なトラブルや珍現象を解説します。
3 02/20 「区分所有」という「キメラ」 「キメラ」というのはひとつの生命体の中に異なる遺伝子が併存している架空の生き物。日本の分譲マンションは区分所有法という法律に基づいてどんどん増殖しています。しかし、区分所有という考え方はヨーロッパ由来。地震多き日本には馴染まないものです。そのあたりが「キメラ」的です。そのあたりを起点に、日本の区分所有制度についての根源的な問題点を掘り下げます。
4 02/27 「タワマン」の引き起こすヒエラルキー不協和音 日本社会は戦後民主主義の平等思想が浸透する以前から、建前としての「平等」や「対等」、あるいは「長幼の序」という人間関係の基本的なルールがあったと考えます。しかし、タワマンは「階数」というヒエラルキーの「見える化」が著しい住形態。そこでは現在進行形でタワマンならではのヒエラルキーの「見える化」が引き起こす悲喜劇についてお話ししましょう。

講師紹介

榊 淳司
不動産ジャーナリスト
1962年生まれ。同志社大学法学部、慶應義塾大学文学部卒業。主に首都圏のマンション市場に関する様々な分析や情報を発信。主な著書に「ようこそ、2050年の東京へ(イースト新書)」、「限界のタワーマンション(集英社新書)」等。ネットメディアのビジネス+IT、週プレNEWSなどに不定期連載中。テレビ、ラジオ出演多数。
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