ジャンル 日本の歴史と文化

中野校

「江戸の憲法構想」と「もう一つの近代日本」

  • 冬講座

関 良基(拓殖大学教授)

曜日 木曜日
時間 10:40~12:10
日程 全4回 ・02月06日 ~ 02月27日
(日程詳細)
02/06, 02/13, 02/20, 02/27
コード 340229
定員 24名
単位数 1
会員価格 受講料 ¥ 11,880
ビジター価格 受講料 ¥ 13,662

目標

・慶応年間に出されていた多様な憲法構想を読み解く。
・不平等条約史観を再検討する。
・明治維新は「近代化」と言えるのか否かを考える。

講義概要

江戸の徳川体制は封建的で自ら近代化する力はなかったと考えられてきたが、本当にそうなのか?徳川政権や公武合体派の側にあった議会制度の創設と憲法制定の考え方を読み解き、江戸からの内発的な民主主義が発展した可能性を検討する。また、日米修好通商条約でじつは日本に関税自主権はあったという学説を検討し、不平等条約史観を見直していく。江戸の象徴的な天皇制と明治の天皇制を比較し、明治維新は本当に「近代化」だったのか、日本にとって良い選択だったのか等を受講者と共に考えていきたい。

各回の講義予定

日程 講座内容
1 02/06 赤松小三郎の生涯と思想 慶応3年に日本で初めて普通選挙による議会制度の創出を建白した赤松小三郎の生涯と思想を学ぶ。何故これまでの明治維新史の中で赤松が無視されてきたのかを考え、従来の薩長史観のバイアスを検討する。
2 02/13 江戸時代の憲法構想と多様な近代の可能性 慶応年間に議会政治や憲法制定を唱えていた多くの知識人たちを紹介し、日本は江戸の象徴的な天皇制を維持しながら多様な近代化の可能性があったことを探る。
3 02/20 不平等条約神話を検証する 日米和親条約と日米修好通商条約の時期に老中であった松平忠固の経済政策を学び、日本の開国は列強に強いられたとは言えない、別の側面があったことを検討する。日本に本来は関税自主権はあったが、下関戦争などの結果それを失っていったという過程を探求する。
4 02/27 明治維新は近代化だったのか? 皇国史観、マルクス主義史観、司馬史観、丸山眞男の政治思想史など、いずれにも存在した「江戸否定」のバイアスを検討する。歴史を複雑系として、バタフライ効果の連鎖として見ていく、多様性のある歴史観を検討する。

ご受講に際して(持物、注意事項)

◆参考図書:『江戸の憲法構想: 日本近代史の“イフ”』関良基著(作品社)

講師紹介

関 良基
拓殖大学教授
本来の専門は森林の研究で、早稲田大学アジア太平洋研究センター時代に行った研究に『中国の森林再生』(御茶の水書房)などがある。近年、明治維新の定説に挑戦する研究を試みており、近著に『江戸の憲法構想』『日本を開国させた男、松平忠固』(いずれも作品社)がある。

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