ジャンル 現代社会と科学
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海底火山から地球進化の謎を解く 大陸の誕生
田村 芳彦(国立研究開発法人海洋研究開発機構上席研究員)

曜日 | 金曜日 |
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時間 | 10:30~12:00 |
日程 |
全6回
・01月24日 ~
02月28日 (日程詳細) 01/24, 01/31, 02/07, 02/14, 02/21, 02/28 |
コード | 740704 |
定員 | 30名 |
単位数 | 1 |
会員価格 | 受講料 ¥ 17,820 |
ビジター価格 | 受講料 ¥ 20,493 |
目標
・マグマのでき方に関して理解する。
・プレートテクトニクスに関して理解する。
・大陸のでき方に関して理解する。
講義概要
地球には太陽系で唯一、大陸と海洋があります。大陸をつくっている岩石と、海洋底をつくっている岩石は異なり、大陸をつくっている岩石は太陽系の他の惑星には存在しません。そのため、地球は海の惑星であると同時に、大陸の惑星ともいえるのです。大陸はどのようにしてできたのでしょうか。海底火山を研究することによって、地球の進化や大陸のでき方などがわかってきました。基礎的な知識から「熱い指モデル」のような最先端の考え、また、マントルを溶かしてマグマをつくるときの岩石学的な基礎知識(相平衡図)なども学んで、地球の進化と大陸の誕生を深く理解していきます。
各回の講義予定
回 | 日程 | 講座内容 | |
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1 | 01/24 | 地球のはじまりと地球の構造 | 46億年前に太陽系と地球が誕生しました。最初の地球には海しかありませんでした。また、地球上の最古の岩石は40億年前のものです。なぜでしょうか。マグマオーシャンを経て現在の地球にいたるまでの謎を探っていきます。そこに大陸誕生のヒントがあるのです。海と陸地は太陽系では地球にしかなく、さらに海底と陸をつくっている岩石が異なるということ、およびその原因を追及していきます。 |
2 | 01/31 | プレートテクトニクスについて | 地球の表面はプレートという岩盤におおわれていて、プレート同士の相互作用が地震や火山を形成します。太陽系でも、地球に特有なプレートテクトニクスについて学びましょう。 |
3 | 02/07 | マグマはどのようにしてできるのか 1 | 地球の内部はほとんどの部分が固体のマントルとよばれる岩石です。マントルはかんらん岩という岩石でできています。マグマは、地球の内部(マントル)が特別な条件におかれたときにのみ、マントルかんらん岩が溶けて、生成するのです。どのようなときにマグマが生成するのかを考えていきましょう。また、マントルにはいろいろな成分が含まれていますから、部分融解という現象がおこります。多様性を生み出す部分融解について学びます。 |
4 | 02/14 | マグマはどのようにしてできるのか 2 | マグマが噴出するところが火山です。日本列島を見ても火山は均質に出来ているわけではありません。火山のあるところとないところがあります。火山の分布とホットフィンガーという新しい考え方を学びます。 |
5 | 02/21 | 西之島と大陸の誕生 | 2013年に噴火を再開した西之島は、地球における大陸のでき方を解明するためにも重要な場所です。西之島と大陸の誕生を学んでいきます。また、西之島が拡大して大陸になるのではありません。プレートテクトニクスによるプレート同士の衝突が最終的に大陸を完成させていきます。これらの絶妙な関係を探っていきます。 |
6 | 02/28 | モホロビチッチ不連続面の成因 | 地球の地殻とマントルの境界はモホロビチッチ不連続面と呼ばれます。通称はモホ面です。モホ面は何でできているのかは長年の謎となっていました。JAMSTECの海底調査により海底のモホ面の謎が解明されてきています。さらにモホ面の謎と大陸誕生の謎とは深いつながりがあることもわかってきました。不思議な大陸と海洋のつながりについて学びます。 |
ご受講に際して(持物、注意事項)
◆休講が発生した場合の補講は3月7日(金)を予定しております。
◆Zoomウェビナーを使用したオンライン講座です。
◆お申込みの前に必ず
「オンラインでのご受講にあたって」をご確認ください。
◆お申込みいただいた有料講座の動画は、当該講座実施の翌々日(休業日を除く)17:30 までに公開します。インタ
ーネット上で 1 週間のご視聴が可能です。視聴方法は、以下をご確認ください。
【会員】授業動画の視聴方法(会員向け)
【ビジター】授業動画の視聴方法(ビジター・法人会員向け)
講師紹介
- 田村 芳彦
- 国立研究開発法人海洋研究開発機構上席研究員
- 国立研究開発法人海洋研究開発機構(JAMSTEC)において、研究船、無人探査機、有人潜水艇などを用いて海底火山の調査と研究に従事してきた。西之島の研究に基づき「新たな大陸は海から生まれる」という2019年の論文で、2023年日本地質学会Island Arc Awardを受賞。2024年に講談社ブルーバックスから「大陸の誕生」を出版した。専門はマグマの成因で、沈み込み帯の「熱い指」モデル、沈み込むプレートから放出される水とマグマの「ミッションイミッシブル」モデル、これまでの常識を覆した大陸生成モデルなど、多くの論文を国際誌に発表している。