ジャンル 日本の歴史と文化

中野校

キリシタン史料から「本能寺の変」を読み解く

  • 冬講座

浅見 雅一(慶應義塾大学教授)

曜日 火曜日
時間 10:40~12:10
日程 全4回 ・01月14日 ~ 02月04日
(日程詳細)
01/14, 01/21, 01/28, 02/04
コード 340228
定員 24名
単位数 1
会員価格 受講料 ¥ 11,880
ビジター価格 受講料 ¥ 13,662

目標

・欧文史料が語るものを理解する。
・キリシタン史料から日本の歴史を考えてみる。

講義概要

イエズス会士ルイス・フロイスがポルトガル語で執筆した本能寺の変に関する史料の存在は知られてはいたが、長年その信憑性が疑われてきた。外国人宣教師の言うことが信用できるのか。キリシタン宣教師がありもしないことを創作した可能性はないのか。日本の史料との齟齬はどう解釈できるのか。また、同じ史料の中で、光秀の評価が反転しているのはなぜなのか。キリシタン史料だけを見ても、未解決の問題は案外と多い。本講座では、フロイスが執筆したとされる史料について、当時の原文書にあたることによって再検討を試みる。
※本講座は2023年度冬学期の同名講座をバージョンアップしたものになります。

各回の講義予定

日程 講座内容
1 01/14 キリシタン宣教師の動向を世界史的視野から探る 世界史的視野から本能寺の変の時代的背景を探る。大航海時代に世界布教の一環としてイエズス会の宣教師達が日本に来るに至った経緯を説き起こす。イエズス会はポルトガル系の修道会とされているが、ポルトガルの布教保護権の下でインド経由で日本にまで来ている。イエズス会とはどのような組織なのか見ていきたい。
2 01/21 フロイスの語る信長の死 ルイス・フロイスが執筆した「信長の死について」と題された報告書は、現在、ローマ・イエズス会文書館に所蔵されている。この報告書は、その後の日本の為政者や政権の影響をまったく受けていない史料だと言える。それを紐解くことで、この文書の成立過程と本能寺の変の時点での宣教師達の動向を追っていきたい。
3 01/28 明智光秀とキリシタン教会の関係 フロイスの報告書「信長の死について」から本能寺の変についてその経緯を詳細に検討していく。とりわけ、日本の史料との相違点を光秀に焦点を合わせながら見ていくことで、この史料がどのような意味を持つのかを考えてみたい。そこからは光秀とキリシタン教会の関係が垣間見える。
4 02/04 本能寺の変の原因は何か これまでの話から、本能寺の変について、どのようなことが原因として考えられるのか検討していきたい。そのうえで、本能寺の変について残された課題とは何か、解決に導くカギとは何なのか考えてみたい。

ご受講に際して(持物、注意事項)

◆本講座は2023年度冬学期の同名講座をバージョンアップしたものになります。
◆休講が発生した場合の補講は、3月4日(火)を予定しております。
◆参考図書:『キリシタン教会と本能寺の変』浅見雅一著(KADOKAWA)をお読みいただくとより理解が深まります。

講師紹介

浅見 雅一
慶應義塾大学教授
慶應義塾大学大学院文学研究科修士課程修了。博士(文学)。専門はキリシタン史。著書『キリシタン時代の偶像崇拝』(東京大学出版会、2009年)、『概説キリシタン史』(慶應義塾大学出版会、2016年)、『キリシタン教会と本能寺の変』(角川新書、2020年)、『キリシタン時代の良心問題――インド・日本・中国の「倫理」の足跡』(慶應義塾大学出版会、2022年)など。

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