ジャンル 人間の探求

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現実を生きるための存在論 ライプニッツとフッサールに軸足を置いて

  • 冬講座

松田 毅(神戸大学名誉教授、岡山大学客員研究員)

曜日 月曜日
時間 10:30~12:00
日程 全5回 ・02月03日 ~ 03月10日
(日程詳細)
02/03, 02/10, 02/17, 03/03, 03/10
コード 740561
定員 30名
単位数 1
会員価格 受講料 ¥ 14,850
ビジター価格 受講料 ¥ 17,077

目標

・入門から一歩踏み出し、自分自身で哲学することを目指します。
・毎回、授業内容に関連して挙げられる課題を例題として取り組めるようにします。
・デカルト、スピノザ、ライプニッツの哲学とフッサールの現象学を、「現実をよく生きるために」、活かす術を学びます。

講義概要

自分自身で哲学するための範例を示し、関連する課題も例解します。まず、認識論から存在論に移行する跳躍台として、デカルトやライプニッツに見られる、夢と虹の哲学的問題から始めます。次に、同じく、主に西洋近世初期の代表的哲学者らに見られる、「私の身体」の存在論に感情の哲学・倫理の問題を位置づけます。最後に、ライプニッツとフッサールを軸に、現実をよく生きるために求められる「物語る力」を鍵概念とする、時間と現実の存在論を試みます。

各回の講義予定

日程 講座内容
1 02/03 ライプニッツの夢論証 どちらも、その存在が希薄に思われる、夢と虹の違いに着目しながら、デカルトの「夢論証」が問題とする、認識論の問題系から、ライプニッツの夢論証が含む、存在論の地平へと思索の重心を移動させます。課題1:なにか一つ虹以外の気象現象の両義性と両価性を論じて見ましょう。
2 02/10 「特別な物体」としての「私の身体」の存在論 ライプニッツの「モナドロジー」に見られる「二重表象」説と存在論上の関係主義、世界に関する「表象の表象」の一つとしての感情の関係性を主題化します。「私の身体」の存在に関連する、スピノザの「観念」とライプニッツの「モナド」から存在論的解明を行います。課題2:自分の気になる感情の哲学的分析をしてみよう。
3 02/17 生きられた時間の存在論 時間の二つの与えられ方としての「クロノス」と「カイロス」に着目し、両者の区別とその交錯を論じます。そこから、ライプニッツの時間の関係主義と「不可識別者同一の原理」――「現実的時間」の個体性ないし唯一一回性の主張――に従う「永遠回帰」否定の議論を説明します。課題3:自分の人生の「悲劇」との付き合い方を考えて見ましょう。
4 03/03 現実(I):可能性と現実性の様相存在論を記述と「見知り」(直観)の観点から論じる ライプニッツの形而上学とフッサールの現象学を相互に交差させ、ライプニッツの「可能世界(意味)論」とフッサールの想像の現象学的心理学を架橋します。そのさい、行為(創造)や物語りによる「可能性の現実化」の契機に着目します。課題4:類型論的現象学にチャレンジしましょう。
5 03/10 現実(II):現実世界の唯一性の存在論 ライプニッツの形而上学とフッサールの現象学を基盤に、マルクス・ガブリエルの『意味と存在』の「無世界論」を批判します。ライプニッツの場合の、無数の可能世界からの最善世界の選択=神的創造説、「ペリクオレーシス」的な関係主義、最晩年のフッサールの場合の、世界に論理的に「根源我」が先立つことの承認。以上から、「世界の唯一性」の主張の根拠と意味を解明します。課題5:自分の物語を手がかりに物語る力について考えてみましょう。

ご受講に際して(持物、注意事項)

◆参考図書『夢と虹の存在論 身体・時間・現実を生きる』松田毅著(講談社選書メチエ)
◆休講が発生した場合の補講は、3月17日(月)を予定しています。
◆Zoomウェビナーを使用したオンライン講座です。
◆お申込みの前に必ず「オンラインでのご受講にあたって」をご確認ください。
◆お申込みいただいた有料講座の動画は、当該講座実施の翌々日(休業日を除く)17:30 までに公開します。インターネット上で 1 週間のご視聴が可能です。視聴方法は、以下をご確認ください。
【会員】授業動画の視聴方法(会員向け)
【ビジター・法人会員】授業動画の視聴方法(ビジター・法人会員向け)

講師紹介

松田 毅
神戸大学名誉教授、岡山大学客員研究員
岡山県生まれ。哲学博士(オスナアブリュック大学)、哲学・環境倫理学専攻。神戸大学等で哲学・環境倫理学の教育を担当。Der Satz vom Grund und die Reflexion――Identität und Differenz bei Leibniz.『ライプニッツの認識論』『部分と全体の哲学――歴史と現在』(共編著)『夢と虹の存在論―身体・時間・現実を生きる』Risks and Regulation of New Technologies(共編著), 『3STEPシリーズ 応用哲学』(共編著)等の著作がある。

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