ジャンル 現代社会と科学

中野校

異常な日本を解明する

  • 冬講座

本田 由紀(東京大学大学院教授)

曜日 木曜日
時間 15:05~16:35
日程 全4回 ・02月13日 ~ 03月06日
(日程詳細)
02/13, 02/20, 02/27, 03/06
コード 340720
定員 70名
単位数 1
会員価格 受講料 ¥ 11,880
ビジター価格 受講料 ¥ 13,662

目標

・表やグラフを読み解き、日本社会の特徴を多角的に理解する。

講義概要

日本社会は、経済の低迷、家族形成の困難化と急激な少子高齢化・人口減少、格差や貧困の世代間連鎖、著しいジェンダー不平等、人間関係や助け合いの希薄さ、社会保障制度や教育政策・労働政策などに関して公的支出が少なく不備な点が多いこと、総じて「自己責任」を強調し、困窮者やマイノリティに対して差別的な意識が強いこと、労働運動や社会運動などを通じて声をあげてゆく動きの弱さなど、数々の問題を抱えている。本講義では国際比較データを活用しながら、「異常で残念な日本」のありようを、「戦後日本型循環モデル」とその変容から解明し、変革の方向性について議論する。

各回の講義予定

日程 講座内容
1 02/13 日本社会の変容ー過去・現在・将来 授業全体の総論として、戦後に焦点を当て、日本社会がいかなる特徴的な社会構造を形成し、それがどのような破綻を迎えており、いかなる方向への変革が必要かについて、データとモデル図を使用しながら包括的に説明する。現下の重要課題として、少子高齢化とジェンダー不平等の問題についても解説する。
2 02/20 教育と子どもの現状 日本の教育政策が国際的に見てどのような特徴と問題点を含んでいるかについて、歴史的な推移と国際比較データを用いて検討する。初等中等教育に関する課題と、高等教育に関する課題をそれぞれ説明した上で、いかなる変革が求められているかについて述べる。
3 02/27 経済と労働の閉塞 日本の経済的なパフォーマンスがどのような推移をたどっているか、国際比較でみた場合に日本の働き方がいかなる問題点を含んでいるかについて、データを用いて解説する。特に、スキルの形成と活用という側面における不備に焦点を当てて解説を行う。
4 03/06 政治と社会運動の低迷 日本社会を変革してゆく上で、政治運動・社会運動は重要な要素となるにもかかわらず、それが低迷している現状と要因について、データを踏まえて解説を行う。一人一人の市民にとって何が求められているかについても議論する。

ご受講に際して(持物、注意事項)

◆参考図書として『「日本」ってどんな国?』(ちくまプリマー新書)、『社会を結びなおす』(岩波書店)、『教育は何を評価してきたのか』(岩波新書)をお読みいただくと、より理解が深まります。

備考

休講が発生した場合の補講日は3月13日(木)を予定しております、

講師紹介

本田 由紀
東京大学大学院教授
主に戦後日本における教育・仕事・家族という3つの社会領域間の関係に関する実証研究を主として行う。特に、教育から仕事への移行をめぐる変化について指摘と発言を積極的に行っている。著書に『「日本」ってどんな国?』、『教育は何を評価してきたのか』、『日本のオルタナティブ』(共著)、『文系大学教育は仕事の役に立つのか』等がある。

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