ジャンル 人間の探求
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現代の身近なテーマから学ぶ哲学 COVID-19、戦争、平和、気候変動抗議活動、動物、大学
浜野 喬士(明星大学教授、早稲田大学講師)

曜日 | 月曜日 |
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時間 | 15:30~17:00 |
日程 |
全6回
・01月27日 ~
03月10日 (日程詳細) 01/27, 02/03, 02/10, 02/17, 03/03, 03/10 |
コード | 740502 |
定員 | 30名 |
単位数 | 1 |
会員価格 | 受講料 ¥ 17,820 |
ビジター価格 | 受講料 ¥ 20,493 |
目標
・現代社会の様々なできごとを、多面的に考える力を身につける。
・自分とは異なる考え方に自分を開いていくことの楽しさに触れる。
講義概要
哲学では、一見すると古臭いテクストが、まったく無関係に見える現代の事象を読み解くために、思いがけないかたちで役立つことがしばしばあります。それが哲学の魅力の一つです。
この講義では、新型コロナウイルス(COVID-19)、戦争、気候変動抗議活動、大学の存在意義といった、比較的ニュースなどで目にする現代の身近なテーマを、哲学的、思想史的な角度から考察していきます。事前知識はとくに必要ありません。自分とは異なる考え方に、自分を開いていく構えだけがあればOKです。
各回の講義予定
回 | 日程 | 講座内容 | |
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1 | 01/27 | 【新型コロナウイルス感染症(COVID-19)を哲学的に振り返る 1】 | わたしたちの世界を一変させた新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、感染拡大初期のような巨大な危機と大混乱こそ終わり、過去のものになりつつあるように映りますが、そうであるからこそ、このパンデミックのもたらした問題について、哲学的に振り返るのにふさわしい時期になったともいえます。この第1回では、自由、自己決定、社会防衛、愚行権、事実問題と権利問題、サブ政治といった概念を用いつつ、COVID-19を振り返ってみます。 |
2 | 02/03 | 【新型コロナウイルス感染症(COVID-19)を哲学的に振り返る 2】 | 前回に続いてCOVID-19の問題を哲学的に振り返っていきます。制度的な問題についても触れていきます。 |
3 | 02/10 | 【戦争と平和の問題を哲学的に考える】 | 1991年のソ連崩壊、東欧民主化によって冷戦は西側の勝利に終わり、世界は「歴史の終わり」と呼ばれる段階に入ったかに一時見えました。しかし2001年のアメリカ同時多発テロ、2004年のイラク戦争を経てその幻想は崩れ、2022年のロシアのウクライナ侵攻、2023年のパレスチナ・イスラエル戦争に至り、世界は再び戦争の時代に入ったようにすら映ります。この第3回では、あえて哲学的視点にまで一旦立ち返り、カント『永遠平和のために』の視点から、戦争と平和の根本的条件について考えてみます。 |
4 | 02/17 | 【ラディカル気候変動抗議活動を哲学的に考える】 | グローバルな気候変動が深刻さを増すなかで、それに対する抗議活動も先鋭化し、ヨーロッパでは、英「ジャスト・ストップ・オイル」や独「最後の世代」らによる、ゴッホやモネなどの作品に対する攻撃や、路上への身体接着行為が頻発しました。この第4回では、世代間倫理、市民的不服従、超デモクラシー、環境的黙示録といった概念を用いながら、ラディカル気候変動抗議活動を深く考えていきます。 |
5 | 03/03 | 【人間と動物の関係を哲学的に考える】 | 2024年にデンマークで反捕鯨団体シー・シェパードの創設者ポール・ワトソンが拘束され、日本への引き渡しの可否が国際的な政治問題化しています。こうした捕鯨問題、さらにはラディカル動物解放運動を理解するためには、その思想的背景を知ることが必要です。この第5回では、有感性、種差別、動物の権利、功利主義といった概念を踏まえつつ、人間と動物の関係をめぐる議論を考えていきます。 |
6 | 03/10 | 【大学の位置づけを哲学的に考える】 | 大学というものがかつて社会のなかで持っていた高尚な位置づけや自明性は、今日とうに消え去り、大学、特にその教養と呼ばれる部門は、その存在意義という点で絶えず動揺に晒されているように見えます。この第6回では、こうした大学とよばれる社会的存在の位置づけを哲学的に考え、それがそもそも何を目指していたのかを確認するために、カント、ヤスパース、オルテガの三者三様の大学論を検討していきます。 |
ご受講に際して(持物、注意事項)
◆休講が発生した場合の補講日は3/17(月)を予定しています。
◆Zoomウェビナーを使用したオンライン講座です。
◆お申込みの前に必ず「オンラインでのご受講にあたって」をご確認ください。
◆お申込みいただいた有料講座の動画は、当該講座実施の翌々日(休業日を除く)17:30までに公開します。インターネット上で1週間のご視聴が可能です。視聴方法は、以下をご確認ください。
【会員】授業動画の視聴方法(会員向け)
【ビジター】授業動画の視聴方法(ビジター・法人会員向け)
講師紹介
- 浜野 喬士
- 明星大学教授、早稲田大学講師
- 茨城県生まれ。博士(文学・早稲田大学)。専門分野は、哲学および環境思想史。主要業績として『カント「判断力批判」研究』(2014年)、『エコ・テロリズム』(2009年)、「火刑にされてしまった「グレタ」:独ラディカル環境運動の現状と分析」(2023年)、「カントにおける天才概念の体系的位置づけ」(2018年)など。