ジャンル 芸術の世界

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モーツァルトの天才を理解するための四つの鍵

  • 冬講座

岡田 暁生(京都大学教授)

曜日 水曜日
時間 10:30~12:00
日程 全4回 ・01月08日 ~ 02月12日
(日程詳細)
01/08, 01/22, 02/05, 02/12
コード 740409
定員 30名
単位数 1
会員価格 受講料 ¥ 11,880
ビジター価格 受講料 ¥ 13,662

目標

・モーツァルトの創作を社会史・思想史の背景から理解する。
・モーツァルトの独創性がどこにあるのかを実感できるようにする。
・モーツァルトの人生の輪郭を理解する。

講義概要

モーツァルトは音楽史で最も有名であり、最も愛されてきた作曲家であるにもかかわらず、その音楽の「すごさ」を理解することはそんなに容易ではありません。本講座では、モーツァルトのイメージとあまり結びつけられることはない視点を四つ用意しました。「複雑さ」、「エロス」、「メランコリー」、「無神論」がそれです。社会的な背景と実際の具体的な楽曲の両面から、モーツァルトの唯一性を感じていただければ幸いです。

各回の講義予定

日程 講座内容
1 01/08 モーツァルトの音楽は前衛的? モーツァルトといえば「単純な古典的優美さ」といったイメージが一般的ですが、彼の曲を実際に見てみると、恐ろしく複雑な構成をとっていることがわかります。それは当時の前衛音楽であったといっても過言ではありません。『アイネ・クライネ・ナハトムジーク』を中心に論じます。
2 01/22 モーツァルトと反道徳 モーツァルトのオペラは、場面が非道徳的になればなるほど筆が冴えわたり、ますます美しくなる傾向があります。いわゆるアンシャン・レジームの精神史を知って初めて、その反道徳性は正しく理解できるでしょう。『コシ・ファン・トゥッテ』を中心とするオペラを主に論じます。
3 02/05 モーツァルトのメランコリー 底抜けに陽気で優美と見えるモーツァルトの音楽ですが、そこに突如として軽い憂鬱の相があらわれることを見逃してはなりません。それは「個人の自立」の裏返しであり、神を信じられなくなり始めた人間の孤独と考えてよいでしょう。クラリネット五重奏などを例にとります。
4 02/12 モーツァルトは神を信じていたか モーツァルトがフリーメーソンの会員であったことはあまりに有名です。理性の光を信じるこの教団のメンバーだった彼が、果たして従来的なキリスト教の「神」を信じていたのか。モーツァルトは不思議なくらい宗教音楽と縁があまりなかったことを中心に、彼のフリーメーソンのための音楽およびミサ曲および絶筆となったレクイエムなどを論じます。

ご受講に際して(持物、注意事項)

◆休講が発生した場合の補講は3月5日(水)を予定しております。
◆Zoomウェビナーを使用したオンライン講座です。
◆お申込みの前に必ず
「オンラインでのご受講にあたって」
をご確認ください。
◆お申込みいただいた有料講座の動画は、当該講座実施の翌々日(休業日を除く)17:30までに公開します。インターネット上で1週間のご視聴が可能です。視聴方法は、以下をご確認ください。
【会員】授業動画の視聴方法(会員向け)
【ビジター・法人会員】授業動画の視聴方法(ビジター・法人会員向け)

講師紹介

岡田 暁生
京都大学教授
1960年、京都府生まれ。音楽学者、京都大学人文科学研究所教授。大阪大学大学院博士課程単位取得満期退学、1991年までミュンヘン大学およびフライブルク大学に留学。2001年に『オペラの運命』でサントリー学芸賞受賞、2009年に『ピアニストになりたい!』で芸術選奨新人賞、『音楽の聴き方』で吉田秀和賞受賞。十九世紀のオペラおよびピアノ音楽の研究から出発し、近年ではジャズ史にも取り組んでいる。近刊に『モーツァルト』(ちくまプリマ―新書)およびコロナ時代の音楽を論じた『音楽の危機』(中公新書)および『クラシック音楽の大疑問』(角川選書)がある。
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