ジャンル 現代社会と科学
早稲田校
噴火予知研究の最前線
野上 健治(東京工業大学教授)

曜日 | 水曜日 |
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時間 | 15:05~16:35 |
日程 |
全6回
・01月22日 ~
03月05日 (日程詳細) 01/22, 01/29, 02/05, 02/12, 02/26, 03/05 |
コード | 140710 |
定員 | 30名 |
単位数 | 1 |
会員価格 | 受講料 ¥ 17,820 |
ビジター価格 | 受講料 ¥ 20,493 |
目標
・地球の内部構造からマグマの発生・噴火過程までの理解を深める。
・火山活動のモニタリング手法について理解を深め、噴火予知の手法を知る。
・噴火予知の現状と火山災害の理解を深める。
講義概要
日本列島は、太平洋プレート、フィリピン海プレート、北米プレート、ユーラシアプレートの4枚のプレートがせめぎ合う大変動帯に位置するため、地震活動・火山活動が極めて活発である。我が国には現在111座の活火山があり、これまでに数多くの火山災害に見舞われてきた。我が国における活火山の定義とマグマの発生過程、火山観測の手法について解説し、これまでの観測実例について紹介する。
各回の講義予定
回 | 日程 | 講座内容 | |
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1 | 01/22 | 火山の成り立ち | 日本列島は4枚のプレートがせめぎ合う地球上でも稀な大変動帯に位置するため、地震・火山活動が極めて活発である。地球の内部構造とマグマの発生について概論を述べる。 |
2 | 01/29 | マグマと火山ガス | マグマは溶融した岩石と揮発性成分からなる粘性流体であり、揮発性成分が火山噴火の原動力であるため、その観測は火山活動のモニタリングの鍵となる。 火山ガスの化学分析の手法について説明し、複数火山での火山活動のモニタリング成果について解説する。 |
3 | 02/05 | 火山のモニタリング手法 | 火山噴火が切迫している状況下では火山ガスは直接的に採取できない場合が多いが、そのような場合こそ火山活動をモニタリングする必要がある。 近年開発されてきた観測手法について解説し、その成果について説明する。 |
4 | 02/12 | 火山体浅部における酸性熱水の形成過程 | 火山ガスが火山体の地下浅部で地下水と混合すると、気液2相からなる熱水系が形成される。この場合、火山ガスの化学的特性は熱水の陰イオン組成に反映される。 草津白根山で観測された事例をもとに、熱水活動と火山活動の関係について解説する。 |
5 | 02/26 | 海底火山活動(1) | 海底火山活動が活発化した場合。陸上の火山とは大きく異なる現象が起きる。その成因について解説し、基礎的研究成果から導かれた海底火山の観測手法について説明する。 |
6 | 03/05 | 海底火山活動(2) | 日本は四方を海に囲まれた海洋国家であり、海上交通は極めて重要なインフラである。海底火山活動のモニタリングはその安全を担保する上で極めて重要であり、海底火山活動の観測の実例を紹介する。 |
備考
2月19日は休講となります。補講は3月5日に行います。
講師紹介
- 野上 健治
- 東京工業大学教授
- 岡山県玉野市出身。博士(理学、東京工業大学)。東京科学大学教授。30年以上にわたって草津白根山や雲仙・普賢岳、桜島、有珠山などの全国の活動的火山での地球化学的観測研究に従事。日本防災ずかん(vol.1〜4、あかね書房)監修。