ジャンル 現代社会と科学
中野校
現代の国際政治と宇宙開発
鈴木 一人(東京大学教授、国際文化会館地経学研究所長)

曜日 | 水曜日 |
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時間 | 10:40~12:10 |
日程 |
全5回
・10月09日 ~
12月04日 (日程詳細) 10/09, 10/23, 10/30, 11/20, 12/04 |
コード | 330733 |
定員 | 24名 |
単位数 | 1 |
会員価格 | 受講料 ¥ 14,850 |
ビジター価格 | 受講料 ¥ 17,077 |
目標
宇宙開発の現実を理解し、将来に向けての構想力を養う
講義概要
宇宙開発は人類の未来や夢を実現する事業として見られてきたが、現代では国家間の競争や対立の場となっており、宇宙は軍事や安全保障にとっても不可欠なシステムを提供する場となっている。また、これまで国家の事業であった宇宙開発にスペースXなど民間企業がどんどん参入する状況になっている。さらには、アメリカのアルテミス計画や中国・ロシアの月面基地構想など、月探査の国際競争も激しくなっている。本講座では、どうしてこのような変化が起きたのか、国家にとって宇宙開発とはどのような意味を持っているのか、また、将来どのような宇宙開発の未来があるのかを解説する。
各回の講義予定
回 | 日程 | 講座内容 | |
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1 | 10/09 | 宇宙開発の歴史と現在 | 第二次大戦後に米ソ競争をきっかけに進んだ宇宙開発だが、近年ではそのあり方が大きく変わっている。宇宙開発がどのような経緯をたどって発達し、それが現在、国際社会にどう影響しているかを論じる。 |
2 | 10/23 | 日本の宇宙開発 | 日本は米ソに遅れながらも、世界で三番目に衛星を打ち上げた国である。しかし、宇宙開発が技術開発に重心を置きすぎたために遅れが出ていた。2008年の宇宙基本法によって大きく変わった日本の宇宙開発を論じる。 |
3 | 10/30 | 米中の宇宙開発 | 現在の宇宙開発をリードする米中両国の宇宙開発はどのように進んできたのか。また米中競争が新たな宇宙競争を生み出すのか。今後の宇宙開発を考える上で、両国の宇宙開発を理解する必要がある。 |
4 | 11/20 | 宇宙の軍事化と商業化 | 現代の宇宙開発は、一方で軍事的に不可欠なインフラとなり、宇宙からの安全保障、そして宇宙における安全保障が重要な課題となっている。他方で多くのスタートアップにより、宇宙開発を担う主体も大きく変わっている。 |
5 | 12/04 | 宇宙空間のグローバルガバナンス | 宇宙は、通常の国際的なガバナンスを実現しにくい、グローバルコモンズ(共有地)である。そのコモンズのルールをどう作るのか、安定した持続的な宇宙活動を進めるために必要なルールは何かを論じる。 |
備考
※講師都合により11月27日が休講となります。補講は12月4日に行います。
講師紹介
- 鈴木 一人
- 東京大学教授、国際文化会館地経学研究所長
- 国際文化会館 地経学研究所長1970年生まれ。2000年英国サセックス大学ヨ-ロッパ研究所現代ヨーロッパ研究専攻博士課程修了。2000年から2008年まで筑波大学国際総合学類准教授として勤務。その間、立命館大学、北九州大学などで非常勤講師を兼任。2008年から北海道大学公共政策大学院准教授、2011年から教授。2012年から2013年にはプリンストン大学国際地域研究所客員研究員。2013年から2015年までは国連安保理イラン制裁専門家パネル委員。2020年から東京大学公共政策大学院教授。国際文化会館地経学研究所長、東京財団研究主幹、国立国会図書館客員研究員、国際問題研究所客員研究員なども兼任。専門は国際政治、国際政治経済学、科学技術と安全保障、安全保障貿易管理、国連制裁など。主著として『宇宙開発と国際政治』(岩波書店、2011年。サントリー学芸賞受賞)“UN sanctions on Iran and their financial elements” in Sachiko Yoshimura (eds.) United Nations Financial Sanctions (Routledge, 2021) 編著『経済安全保障と技術優位』勁草書房、2023年8月など多数。