ジャンル 芸術の世界

中野校

江戸時代の水墨画―宗達・若冲・蕭白・応挙・玉堂の奇想

  • 秋講座

島尾 新(学習院大学教授)
小林 東雲(水墨画家)

曜日 水曜日
時間 13:10~14:40
日程 全3回 ・11月06日 ~ 11月27日
(日程詳細)
11/06, 11/13, 11/27
コード 330406
定員 36名
単位数 1
会員価格 受講料 ¥ 9,928
ビジター価格 受講料 ¥ 11,264

目標

・「筆」と「墨」による表現に馴染みます。
・「水墨画」の歴史を知って、その魅力を理解します。

講義概要

日本の水墨画は、鎌倉時代に中国の絵画を真似るところから始まって、室町・安土桃山時代と独自の発展を遂げますが、本場にはない独特の技法や表現が、はっきりと姿を表してくるのは江戸時代です。ダイナミックで自在な筆の動きを重視する中国に対して、シンプルで素直な筆遣いによって優しさまた力強さを、きれいな墨の面や滲みに余白を活かして豊かな情感を表現し、さらに独特の立体感とリアリティをもつのもから抽象的なものまで、画家たちは多彩な水墨表現を編み出してゆきます。講義では、俵屋宗達・伊藤若冲らを取り上げて、じっくりと作品を見ながら、どのようにしてそのような発想が生まれたのかを、歴史的な背景を含めて考えてゆきます。

各回の講義予定

日程 講座内容
1 11/06   日本の水墨画の歴史を簡潔に辿り、雪村や長谷川等伯によって、江戸時代の水墨画が準備される樣子を見た上で、俵屋宗達が創始し尾形光琳や酒井抱一らによって受け継がれた琳派の日本的といえる表現を見てゆきます。
2 11/13   日本の水墨画の繚乱期といえる18〜19世紀の水墨画から、伊藤若冲を中心に円山応挙・長沢蘆雪・曽我蕭白・浦上玉堂らのもっとも独創的な代表作によって、その技法と表現の真髄を紹介します。
3 11/27   日本の水墨画の特徴を中国と比較して確認した上で、映画『線は、僕を描く』で水墨画指導を担当した小林東雲さんに、「筋目描き」や「たらし込み」など水墨画の描法を実演してもらい理解を深めます。

ご受講に際して(持物、注意事項)

◆最終回には水墨画家・小林東雲氏に実際に描いてもらい表現の特質を体感します。

講師紹介

島尾 新
学習院大学教授
1953年、東京生まれ。東京大学大学院美術史学専門課修士課程修了。東京文化財研究所広領域研究室長、多摩美術大学教授を経て、2012年から学習院大学教授。専門は雪舟・詩画軸や座敷飾を中心とした室町時代の美術だが、広くは中国・朝鮮を含めて現代までの水墨画を研究。ここ二十年ほどは、画家との交流や研究会を通じて、水墨画の復興と普及にもつとめている。『雪舟の「山水長巻」』(小学館、2001年)、『すぐわかる水墨画の見方』(東京美術、2005年)。『もっと知りたい雪舟』(東京美術、2010年)、『水墨画入門』(岩波新書、2018年)、『画聖雪舟の素顔』(朝日新書、2022年)がある。
小林 東雲
水墨画家
国際墨友会会長。国際公募展「美は国境を越えて」主催。横浜流星主演映画「線は、僕を描く」にて水墨画監修と技術指導を担当。内閣総理大臣賞・文部科学大臣賞授賞。おしゃれに描ける水墨画(講談社刊)水墨画へのいざない(PHP研究所)筆ペンからはじめる水墨画(講談社刊)水墨画をたしなむ(池田書店)他著。

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