ジャンル 文学の心
オンライン
京都をめぐる古典文学と歴史の旅 『枕草子』や『源氏物語』などの舞台をのぞく
荒木 浩(国際日本文化研究センター教授・総合研究大学院大学教授)

曜日 | 火曜日 |
---|---|
時間 | 13:00~14:30 |
日程 |
全10回
・10月01日 ~
12月10日 (日程詳細) 10/01, 10/08, 10/15, 10/22, 10/29, 11/05, 11/12, 11/26, 12/03, 12/10 |
コード | 730103 |
定員 | 30名 |
単位数 | 2 |
会員価格 | 受講料 ¥ 29,700 |
ビジター価格 | 受講料 ¥ 34,155 |
目標
・古文の読解力をあらためて身につける。
・日本古典文学の時代とその背景、京都の舞台を知り、現代と結ぶ。
・公開されているデジタル資料の活用を学ぶ。
講義概要
本講座では、清少納言、紫式部、藤原道長などが活躍した平安時代の文学史を彩る古典作品を軸に、その世界をたどります。
かつて担当した京都新聞「文遊回廊」から生まれた著書『京都古典文学めぐり』をもとに、作品の一節を取り上げ、現代語訳を示して丁寧に読み、関連する絵巻などの画像資料も紹介しながら、登場人物の横顔や、舞台となった京都の地名や寺社のゆかりをさぐっていきます。
読解に際しては、スマホでもたどれるネットのデジタル環境を活用しつつ、日本古典文学の世界と魅力を現代によみがえらせ、古代から中世の歴史・文学の世界をのぞき込みながら、世界中で共有できる、日本古典文化の精華を楽しみたいと思います。
各回の講義予定
回 | 日程 | 講座内容 | |
---|---|---|---|
1 | 10/01 | 古典文学で京都をめぐる――その始まりと『竹取物語』 | 最初に本講座の概要を紹介します。そして『京都古典文学めぐり』の内容にも触れながら、物語の先祖と『源氏物語』が呼んだ、『竹取物語』の一節を読んでいきます。 |
2 | 10/08 | 弥生のつごもりという季節――『源氏物語』と『方丈記』 | 『京都古典文学めぐり』では、京都の案内人として鴨長明が適任だ、と設定しました。『方丈記』が書き終えられたのは旧暦三月の「つごもりころ」。まったく同じ季節に『源氏物語』若紫巻は始まります。その舞台か、と想定される鞍馬寺も覗いてみましょう。 |
3 | 10/15 | 道祖神と盗人――説話が語る平安京の闇 | 華やかな『源氏物語』の都では、盗人が暗躍し、また僧侶が和泉式部と同衾した暁に、不思議な神が姿を現したりします。芥川龍之介が愛読した「説話」と呼ばれる文献を読んで、京都の空間の深さと闇を体感します。 |
4 | 10/22 | 文学史をたどる――『古今和歌集』と『伊勢物語』 | ここであらためて文学史をたどり、最初の勅撰集『古今和歌集』を読み、同じ話を伝える『伊勢物語』も併読します。高安の女、河原院という舞台など、長く読み継がれる文学的地名も登場します。 |
5 | 10/29 | 『源氏物語』の成立と古典の日 | 『源氏物語』が初めて文献にその名を刻印した日として、十一月一日が「古典の日」と定められました。その根拠となった『紫式部日記』を読みながら、『源氏物語』をめぐる環境などにも触れたいと思います。 |
6 | 11/05 | 幸福なる出会いと結末――『うつほ物語』から | 『源氏物語』より古い長編物語『うつほ物語』の始まり、『今昔物語集』に描かれた山科の勧修寺縁起、『古今著聞集』の石清水八幡宮説話などに、印象的でよく似た男女の出会いが描かれています。それらを読んで、連想をつなぎます。 |
7 | 11/12 | 『蜻蛉日記』をめぐる信仰・夢と政治 | 1000年以上も前に、『蜻蛉日記』という優れた女性の日記が書かれ、『和泉式部日記』以下に続く。世界に誇れる文学的達成です。そこには「夢」も描かれており、政治とのつながりもあって、関連の説話を併読していくと、古代の平安京が浮かび上がります。 |
8 | 11/26 | 『枕草子』と神社――上賀茂神社と伏見稲荷 | 『枕草子』の魅力を考えます。ここでは、意外に面白い、清少納言の神社参詣をめぐるエピソードから読んでみましょう。私は「グルーヴ」という言葉を連想しました。 |
9 | 12/03 | 冬の望月と藤原道長 | よく知られた、道長の「このよをば」の和歌の背景を独自に読み解きます。そして貴族の晩年、ということを考えながら、道長の投影もある、『源氏物語』の光源氏の退場にも触れたいと思います。 |
10 | 12/10 | どうぞ私に物語を!――『更級日記』という画期 | まるで紫式部からバトンを渡されたかのように、1008年生まれの『更級日記』の作者は東国で『源氏物語』の噂を聞き、やがて都でひたすら読書に没頭します。その物語愛読は、夢と相俟って、彼女の信仰をつむいでいきます。平安時代文学史のとじ目としても、とても大事な人物です。 |
ご受講に際して(持物、注意事項)
◆8/30(金)16:00より本講座の無料体験講座を実施します。
◆無料体験講座お申込みはこちらから。
https://www1.ex-waseda.jp/online/
「無料体験講座」をクリックし、「絞り込み」をクリックしてください。
◆休講が発生した場合の補講日は12月17日を予定しております。
◆Zoomウェビナーを使用したオンライン講座です。
◆お申込みの前に必ず
「オンラインでのご受講にあたって」をご確認ください。
◆お申込みいただいた有料講座の動画は、当該講座実施の翌々日(休業日を除く)17:30までに公開します。インターネット上で1週間のご視聴が可能です。視聴方法は、以下をご確認ください。
【会員】授業動画の視聴方法(会員向け)
【ビジター・法人会員】授業動画の視聴方法(ビジター・法人会員向け)
備考
無料体験会での本講座の様子を公開しました。5分程度の動画です。
再生すると音が出ます。視聴の際はご注意ください。
講師紹介
- 荒木 浩
- 国際日本文化研究センター教授・総合研究大学院大学教授
- 専門は古典を中心とする日本文学。博士(文学、京都大学)。大阪大学大学院教授を経て、2010年4月より現職。海外の大学での研究や客員教授などを通じて、国際的視点からの日本研究も目指す。最近の著作に『方丈記を読む』(法蔵館文庫、『京都古典文学めぐり』(岩波書店)、『古典の中の地球儀』(NTT出版)他がある。