ジャンル 芸術の世界

早稲田校

ロック音楽の社会学【洋楽編】―ビートルズからポール・サイモンまで

  • 秋講座

南田 勝也(武蔵大学教授)

曜日 金曜日
時間 15:05~16:35
日程 全8回 ・09月27日 ~ 11月22日
(日程詳細)
09/27, 10/04, 10/11, 10/18, 10/25, 11/08, 11/15, 11/22
コード 130463
定員 30名
単位数 1
会員価格 受講料 ¥ 23,760
ビジター価格 受講料 ¥ 27,324

目標

・音楽文化を「表現」のみならず「構造」として理解する
・激動の20世紀といわれる米英の社会をロックを通じて把握する
・ロックの「もっと遠くへ」とよぶべき志向について思索する

講義概要

米英のロック音楽を社会学の視点から読解します。エルヴィス、ビートルズ、ボブ・ディラン、ローリング・ストーンズ、レッド・ツェッペリン、ピンク・フロイド、キッス、セックス・ピストルズ、ポール・サイモンなど20世紀のミュージシャンを議論の俎上に載せますが、本講座の分析視覚は「何年に誰が登場して、そこで何があって」という歴史探訪や英雄礼賛の態度とは一線を画します。むしろそのような「語り方」や「実践の在り方」がどのような社会構造のもとで生じるのか、階層・芸術・産業などの社会的条件は音楽にいかなる影響を与えるのかなど、ピエール・ブルデューの社会学理論を通じて文化にまつわる人々の行為の意味を明らかにします。

各回の講義予定

日程 講座内容
1 09/27 音楽と社会学──ロックンロール誕生 社会学的パースペクティブは文芸評論や歴史学とどう異なるのかを解説し、1955年に創世したロックンロールの音楽的特徴のみならず社会的イメージについて考察する。
2 10/04 ロック音楽文化の三つの指標──〈アウトサイド〉指標 1960年代中後期のビートルズやボブ・ディランの活動を通じて、ロックが「社会的布置における下方向を指向する」価値観をもった音楽文化であることを確認する。
3 10/11 ロック音楽文化の三つの指標──〈アート〉指標 1960年代中後期のアートロックやサイケデリックロックの活動を通じて、ロックが「前衛、非日常、純粋芸術を指向する」価値観をもった音楽文化であることを確認する。
4 10/18 ロック音楽文化の三つの指標──〈エンターテイメント〉指標 1960年代中後期のローリング・ストーンズなどの活動を通じて、ロックが「観客をノセる、沸かせることを指向する」価値観をもった音楽文化であることを確認する。
5 10/25 ロックの〈場〉の理論──ロックをめぐる〈場〉の形成/ロック〈場〉の力学 1960年代中後期のカウンターカルチャーが三つの矛盾するロックの指標を包含し、社会構造を形成したことを、ピエール・ブルデューの理論を援用して説明する。
6 11/08 ロックの〈場〉の展開──成熟し洗練化するロック/パンク・ロックの台頭 1970年代前期に展開したカントリーロック〜グラムロック〜ハードロック〜プログレッシブロックの意味を考察し、1970年代後期のパンクロックにも触れる。
7 11/15 ロックの〈場〉の展開──ポスト・パンクの主張/ポップ化するロック パンクはニューウェイブからハードコアへとめまぐるしく変容する。それはロックの意義を濃密に取り戻すと同時にロックの死を宣告する事態であった。
8 11/22 ロックの〈場〉の展開──ライブエイドの光と影/ポピュラー音楽への拡張 1985年のライブエイドの成功と、音楽ジャンルの新潮流(ハウス、ヒップホップ、ワールドミュージック)を見据え、激変するロック音楽について解説する。

ご受講に際して(持物、注意事項)

◆参考図書として『ロックミュージックの社会学』(南田勝也著・青弓社、ISBN:9784787231901)を挙げます。講義中に適宜解説するので必ずしも持っていなくても受講できますが、持っているとより理解が深まります。

講師紹介

南田 勝也
武蔵大学教授
兵庫県生まれ。博士(社会学)。専門分野は音楽社会学・文化社会学。日本ポピュラー音楽学会理事。著書に『ロックミュージックの社会学』(青弓社)、『オルタナティブロックの社会学』(花伝社)、編著に『音楽化社会の現在』(新曜社)『メディア社会論』(有斐閣)など多数。
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