ジャンル 日本の歴史と文化

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中世摂関家の家と権力の変転―藤原道長から豊臣秀吉まで

  • 秋講座

樋口 健太郎(龍谷大学准教授)

曜日 月曜日
時間 10:30~12:00
日程 全4回 ・09月30日 ~ 12月16日
(日程詳細)
09/30, 10/21, 11/25, 12/16
コード 730267
定員 30名
単位数 1
会員価格 受講料 ¥ 11,880
ビジター価格 受講料 ¥ 13,662

講義概要

摂政・関白といえば、連想されるのは平安時代中期の摂関政治や、藤原道長・頼通だろう。この時代、藤原氏北家の一族が代々摂政・関白(摂関)に任じられて大きな権力を握ったことはよく知られている。だが、摂関は摂関政治の時代しか存在しなかったわけではない。11世紀末、摂関政治の時代は終わり、院政がはじまるが、摂関はこれ以降も貴族の頂点として朝廷に君臨し続けた。しかも、本来世襲でなかった摂関職は、院政期以降、かえって藤原道長の子孫に世襲され、摂関家が確立した。では、なぜ摂関は摂関政治以降も残りつづけたのか。本講義では、摂関及び摂関家の変転を通して、日本中世の貴族・朝廷の歴史について考える。

各回の講義予定

日程 講座内容
1 09/30 中世摂関家とは何か 第1回では、摂関政治から院政への展開について考える。かつては摂関政治と院政は対立的に考えられてきたが、近年の研究では、実際は協調的な関係にあったと理解されるようになってきた。では、院政はどのように始まり、また摂関や摂関家は院政のなかでどのように位置づけられたのか。これらを通して、中世における王権のあり方やその形成過程についてみていきたい。
2 10/21 武家勢力の台頭と摂関家 第2回では、平安時代末期から鎌倉時代にかけての武家勢力と摂関家の関係について考える。かつては武家勢力は摂関家の荘園支配に介入するため、摂関家と結んだと考えられてきたが、両者の関係はそれだけではない。摂関・摂関家は院政期以降も朝廷政権の中枢にあり、武家が摂関家と結ぼうとしたのは、荘園からの経済的収入だけでなく、政治的な目的もあったはずである。そこで、ここでは摂関の政治的機能に注目することで、武家と摂関の関係について再検討したい。
3 11/25 五摂家分立 第3回では、鎌倉時代から南北朝時代までの摂関家の展開について考える。承久の乱後の朝廷では、息子を鎌倉幕府の将軍とした摂関家の九条道家が幕府と結んで大きな権力を振るった。だが、道家が幕府内抗争に巻き込まれて失脚すると、院の権力が強化され、摂関家が朝廷の主導権をもつことはなくなっていく。こうしたなかで、摂関家はどのようにして生き残ったのか。院・天皇や武家勢力が摂関家を統制しようとする動きと、それに対する摂関家の抵抗のあり方に注目しながら、転換期における貴族政権の展開を見直したい。
4 12/16 室町・戦国の摂関家 第4回では、室町時代から近世に至る摂関家の展開について考える。戦国を平定した豊臣秀吉は五摂家に代わって関白となり、新たに豊臣摂関家を確立した。室町以降の摂関・摂関家の展開は、豊臣摂関家の成立にどのような影響を与えたのだろう。戦乱の時代における摂関家の生き残り戦略に注目しながら、貴族政権の近世への展開を見通したい。

ご受講に際して(持物、注意事項)

◆8/30(金) 13:30より本講座の無料体験講座を実施します。
◆無料体験講座お申込みはこちらから。https://www1.ex-
waseda.jp/online/
「無料体験講座」をクリックし、「絞り込み」をクリックしてください。

◆参考図書『摂関家の中世: 藤原道長から豊臣秀吉まで』樋口健太郎著(吉川弘文館)
◆休講が発生した場合の補講は12月23日(月)を予定しています。
◆Zoomウェビナーを使用したオンライン講座です。
◆お申込みの前に必ず「オンラインでのご受講にあたって」をご確認ください。
◆お申込みいただいた有料講座の動画は、当該講座実施の翌々日(休業日を除く)17:30 までに公開します。インターネット上で 1 週間のご視聴が可能です。視聴方法は、以下をご確認ください。
【会員】授業動画の視聴方法(会員向け)
【ビジター・法人会員】授業動画の視聴方法(ビジター・法人会員向け)

備考

無料体験会での本講座の様子を公開しました。5分程度の動画です。
再生すると音が出ます。視聴の際はご注意ください。

講師紹介

樋口 健太郎
龍谷大学准教授
神戸大学大学院文化学研究科(博士課程)修了。博士(文学)。
主な著作に『中世摂関家の家と権力』(校倉書房、2011年)、『九条兼実―貴族がみた『平家物語』と内乱の時代―』(戎光祥出版、2018年)、『中世王権の形成と摂関家』(吉川弘文館、2018年)、『摂関家の中世―藤原道長から豊臣秀吉まで―』(吉川弘文館、2021年)、『藤原頼長・師長―よく王事を勤め以て我が恩に報いよ―』(ミネルヴァ書房、2024)がある。
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