ジャンル 世界を知る

早稲田校

食卓の変容を知る フランスの食卓とくらべながら日本の食卓の変化を考える

  • 秋講座

福田 育弘(早稲田大学教授、早稲田大学総合研究機構「食と農の研究所」所長)

曜日 土曜日
時間 15:05~16:35
日程 全6回 ・10月26日 ~ 12月21日
(日程詳細)
10/26, 11/09, 11/16, 11/30, 12/07, 12/21
コード 130324
定員 23名
単位数 1
会員価格 受講料 ¥ 17,820
ビジター価格 受講料 ¥ 20,493

目標

・日本の飲食文化にたいする見方を世界のなかから考える
・日本の飲食文化の当たり前となった特質を意識する
・日本の飲食文化の可能性を検討する

講義概要

日本の文化はわたしたち日本人にとっては当たり前です。そんな文化的な当たり前を分析するのが文化学の役割のひとつです。ここでは、文化学の重要な分野としての飲食表象論の立場から、日本の飲食文化の当たり前を、他の飲食文化、とくに講義者が長年親しんできたフランスの飲食文化と比較することであぶりだしていきます。ちなみに、飲食表象論とは、飲食において、他の文化以上に、イメージと暗黙の価値づけとしての社会で共有された文化的な表象が重要な役割を果たすことを考慮して、飲食文化を考察する文化学の一部門です。日本において、フレンチがおしゃれで高級なイメージであることをみれば、飲食における表象の重要性がわかるはずです。

各回の講義予定

日程 講座内容
1 10/26 料理は変えられても、食べ方はそう変えられない 時間で食べる、空間で食べる 日本人の食べ方をフランス人の食べ方と比較することで、日本の食卓の当たり前の特質を明らかにします。
2 11/09 食卓での分配と共有を考える どうやって人と食べるか 日本人の共食のあり方を、フランス人の共食とくらべることで、日本的共食の当たり前を考えます。
3 11/16 食卓にアルコール飲料は欠かせない 食べながら飲むか、飲みながら食べるか アルコール飲料の食卓での役割を、日本とフランスを比較しながら検討します。
4 11/30 共食と団欒 共食を楽しむ感性の誕生 日本の団欒をともなった共食が、明治以降の新しい食事文化であることを明らかにします。
5 12/07 日本人はどのように飲食を表現してきたか 抑制から洗練をへて氾濫へ 日本の飲食表現の特色を、古代から現代までの文学作品や絵本・アニメをもとに分析します。
6 12/21 グローバリゼーションを背景にした日本人の飲食行動の変遷と特色 専門店重視という当たり前 世界化する飲食文化における日本の食事の特質を、フランスの『ミシュラン 東京』を素材にして考えます。

ご受講に際して(持物、注意事項)

◆ 飲食に興味のあるかた、あるいは食べたり飲んだりが好きなかたの受講を希望します。
◆ 日本の飲食文化にとくに興味のあるかたは大歓迎です。
◆ フランスの飲食文化に興味のあるかたも歓迎です。

講師紹介

福田 育弘
早稲田大学教授、早稲田大学総合研究機構「食と農の研究所」所長
1955年名古屋生まれ。早稲田大学第一文学部卒業、同大学院文学研究科博士課程フランス文学専攻中退。フランス政府給費留学生としてパリ第Ⅲ大学博士課程に3年間留学。2000年4月-2001年3月、南フランスのエックス・アン・プロヴァンスで在外研究。2016年4月-6月、在外研究としてパリ第Ⅳ大学(ソルボンヌ大学)地理学科飲食のマスターコースで日仏の飲食関連の講義を担当。専門は飲食表象論(飲食の文化学)。著書に、『ワインと書物でフランスめぐり』『「飲食」というレッスン』『新・ワイン学入門』『ともに食べるということ』『自然派ワインを求めて 日本ワインの文化学』、訳書に、ロジェ・ディオン著『ワインと風土』『フランスワイン文化史全書』(共訳)、ミシェル・ビュトール著『即興演奏』(共訳)、ラシッド・ブージェドラ著『離縁』、アブデルケビール・ハティビ著『マグレブ 複数文化のトポス』(共訳)などがある。他にフランス文学・日本文学および飲食関連の論文・記事、学会や学術会議等での発表多数。

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