ジャンル 現代社会と科学
中野校
中枢神経系をみてみよう
梶村 眞弓(早稲田大学客員教授)

曜日 | 金曜日 |
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時間 | 10:40~12:10 |
日程 |
全3回
・10月04日 ~
10月18日 (日程詳細) 10/04, 10/11, 10/18 |
コード | 330725 |
定員 | 24名 |
単位数 | 1 |
会員価格 | 受講料 ¥ 8,910 |
ビジター価格 | 受講料 ¥ 10,246 |
講義概要
私たちの「中枢神経系」は、「脳」とそれに続く「脊髄」で構成されています。さて皆さん、本物の中枢神経系を、ご自分の目で見てませんか。ヒトでは無理ですから、「鶏ガラ」を用意します。虫眼鏡の力をかりれば、「灰白質」(=精神の計算活動が行われる場所)や「白質」(=何百万本もの通信ケーブルの集合)を裸眼でみることができるでしょう。虫眼鏡をお持ちの方は、是非ご持参ください。観察した上で、脳・脊髄のはたらきや老化のメカニズムについて考察しましょう。I hear and I forget, I see and I remember, I do and I understand (孔子より).
各回の講義予定
回 | 日程 | 講座内容 | |
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1 | 10/04 | 中枢神経系を観る 〜鶏ガラの実習〜 | 脳には灰白色の「灰白質」と、白色の「白質」という部分があります。「灰白質」は、脳の「表土」の部分にあたり、密につまった神経細胞の細胞体の集まりです。この場所で精神の計算活動が行われ、記憶が貯蔵されます。その下には、ヒトの脳の約半分を占める「白質」と呼ばれる「岩盤」があります。白質は、何百万本もの通信ケーブルからできていて、長いものは1メートルにも及びます。実習では鶏の脊髄を材料として、「灰白質」と「白質」の観察に挑戦していただきます。上手く観ることができますように。 |
2 | 10/11 | 神経細胞の特徴を知ろう 〜マクロからミクロへ〜 | 神経系において情報を集め、演算し、伝え、処理するのは、神経細胞(ニューロン)です。神経細胞は、細胞体とそこから延びる突起からできています。例えば、私たちの運動神経の突起の中には、1メートルにも及ぶものもあり、ミクロの細胞の観点からはとてつもなく長いのです。この突起は「軸索」と呼ばれ、その中には「モータータンパク質」という驚くべきミクロの軸索輸送システムが存在します。大活躍するモータータンパク質の様子を動画で紹介します。 |
3 | 10/18 | Aging Brain 〜脳が衰えるって?〜 | 正常な神経細胞のはたらきを維持できなくなると、様々な不具合が生じます。最終週は「神経変性疾患」とひとくくりで呼ばれる病態で、一体どんな変化・現象が起こっているかを一緒に学びましょう。 |
ご受講に際して(持物、注意事項)
◆第一週は、虫眼鏡をお持ちの方はご持参ください。
◆休講が発生した場合、補講日は10月25日(金)を予定しています。
◆実物の鶏ガラを観察しますので、ご留意ください。
講師紹介
- 梶村 眞弓
- 早稲田大学客員教授
- 1995年、カリフォルニア大学デイヴィス校生理医学系博士課程修了。大西洋を渡り、ロンドン・インペリアルカレッジ医学部で研鑽。1999年、慶應義塾大学医学部医化学教室で日本でのキャリアをスタート。脳梗塞後遺症を軽減したいという思いのもと、一貫して分子レベルで病態を解明することに傾注してきた。ATPというエネルギー分子が、脳梗塞巣で枯渇していく様子を可視化することに世界で初めて成功した。2021年、慶應義塾大学・医学教育貢献賞を受賞。2022年3月、慶應義塾大学 医学部教授職を定年退職。現在、早稲田大学研究院ナノ・ライフ創新研究機構 規範科学総合研究所 客員教授(客員上級研究員)