ジャンル 芸術の世界

早稲田校

宗教とヨーロッパ近代建築―ノートルダム大聖堂を中心に

  • 秋講座

土居 義岳(早稲田大学講師、九州大学名誉教授)

曜日 月曜日
時間 10:40~12:10
日程 全6回 ・11月11日 ~ 12月16日
(日程詳細)
11/11, 11/18, 11/25, 12/02, 12/09, 12/16
コード 130477
定員 30名
単位数 1
会員価格 受講料 ¥ 17,820
ビジター価格 受講料 ¥ 20,493

目標

・教会堂を鑑賞するための基本的な様式区分を知る。
・教会堂を、宗教史、遺産制度史などの観点から見ることを知る。
・近代の教会堂の基本的な空間構成のいくつかを知る。

講義概要

フランス革命により教会建築を支える制度はまったく変わってしまった。国家が宗教を管轄するコンコルダ体制となった。聖職者は基本的に公務員となった。革命の時代の物理的な教会堂破壊はすぐに反省されたが、なにより土地建物をふくむ教会財産はすべて国有化された。したがって教会堂の修復や維持は国家の仕事となった。これが文化財、遺産概念の出発点となった。こうした観点からパリのノートル=ダム大聖堂、パンテオン、サン=ドニ教会堂といった代表的事例の近代史を知る。

各回の講義予定

日程 講座内容
1 11/11 フランス革命と教会堂 革命による諸改革。教会財産の接収。修道院の廃止。聖職者民事基本法。記念碑委員会。コンコルダ体制。
2 11/18 19世紀の教会堂 市民建築審議会による建築統制。いわゆるバシリカ式教会堂の普遍化。「19世紀の大聖堂」という理念。
3 11/25 パリのノートル=ダム大聖堂 歴史的遺産というより各時代の先端技術の集積として。革命による破壊と19世紀における修復。ヴィオレ=ル=デュクの理念。
4 12/02 サン=ドニ教会堂 王家の菩提所としてのながい歴史。革命による破壊と涜聖。修復とコンバージョン。
5 12/09 パリのパンテオン 「偉人」概念の誕生。カトルメール・ド・カンシーの改築理念。カトリックと共和主義の葛藤と、さまざまな改築案、それらの挫折。「空虚な神殿」概念。
6 12/16 枢機卿の建設現場 20世紀のカトリックによる教会堂造営運動と建築家群像。サンテスプリ教会堂など、パリ市内の教会堂を散策する。

講師紹介

土居 義岳
早稲田大学講師、九州大学名誉教授
九州大学名誉教授。フランス政府公認建築家。建築史。フランス王立建築アカデミーの研究を主軸にして現代建築批評、建築家育成、建築論、建築理論、フランス建築紹介などを展開。『知覚と建築』により日本建築学会著作賞(2018)。『建築の聖なるもの』により日本建築学会賞(2021)。
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