ジャンル 文学の心

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フランツ・カフカの世界

  • 秋講座

川島 隆(京都大学大学院教授)

曜日 月曜日
時間 15:30~17:00
日程 全10回 ・09月30日 ~ 12月23日
(日程詳細)
09/30, 10/07, 10/21, 10/28, 11/18, 11/25, 12/02, 12/09, 12/16, 12/23
コード 730102
定員 30名
単位数 2
会員価格 受講料 ¥ 29,700
ビジター価格 受講料 ¥ 34,155

目標

・『変身』をはじめ、カフカ文学の作品内容を具体的に知る。
・カフカの人生について知り、作者と作品の関係を把握する。
・現代社会のさまざまな問題とカフカ文学の接点について考えることができるようになる。

講義概要

今年没後100周年を迎えるフランツ・カフカ(1883-1924)は、生前はあまり有名な作家ではありませんでしたが、第二次世界大戦後に世界的なカフカ・ブームが起き、それ以来、常に新たな読者を獲得しつづけています。平凡なサラリーマンがある朝、巨大な「虫けら」になった姿で目覚める『変身』、「何も悪いことはしていない」銀行員が突然逮捕され、裁判にかけられる『訴訟(審判)』など、カフカ作品はどれも不可解な要素をはらみ、どこにも解決や救いがない世界が描かれていますが、にもかかわらず多くの読者の共感を呼びつづけている理由は何なのか。この講義では、カフカの人生にも目配りしつつ、その文学の魅力の源泉を考えます。

各回の講義予定

日程 講座内容
1 09/30 『変身』を読む(1) 有名な冒頭の一文「ある朝、グレゴール・ザムザが・・・」に着目します。数多くある日本語訳の比較も行いたいと思います。
2 10/07 『変身』を読む(2) 作者カフカの人生について紹介し、そこから『変身』を読み直したときに見えてくるものを考えます。
3 10/21 『変身』を読む(3) この小説に描かれている「家族」の姿とその変化に着目します。
4 10/28 『変身』を読む(4) 作者カフカは「虫」の姿を絵に描くことを禁じていますが、『変身』はこれまで何度もイラスト化、映画化、舞台化されています。そこから逆に原作の特徴を考えてみたいと思います。
5 11/18 カフカの長編小説(1) カフカは三つの未完の長編小説を残していますが、ここでは『訴訟(審判)』を取り上げます。手書き原稿から読み取れることは何でしょうか。
6 11/25 カフカの長編小説(2) 登場する女性たちの役割に注目しながら、引き続き『訴訟』を読みます。
7 12/02 カフカの長編小説(3) 労災保険局に努めた役人である作者カフカの仕事に照らして、『訴訟』を読み直します。
8 12/09 カフカの短編(1) 夢幻的な雰囲気をもつカフカの短編『田舎医者』を、ロシアのリアリズム文学の作家ツルゲーネフの短編『田舎医者』と比較しながら読みます。
9 12/16 カフカの短編(2) 二つの動物物語『ジャッカルとアラブ人』『あるアカデミーへの報告』を、カフカとシオニズム(ユダヤ民族主義)の関わりから読みます。
10 12/23 カフカの短編(3) 最晩年の短編『断食芸人』を、カフカの生涯を再度振り返りながら読みます。

ご受講に際して(持物、注意事項)

◆休講が発生した場合の補講日は12月23日を予定しております。
◆Zoomミーティングを使用したオンライン講座です。
◆お申込みの前に必ず
「オンラインでのご受講にあたって」
をご確認ください。
◆お申込みいただいた有料講座の動画は、当該講座実施の翌々日(休業日を除く)17:30までに公開します。インターネット上で1週間のご視聴が可能です。視聴方法は、以下をご確認ください。
【会員】授業動画の視聴方法(会員向け)
【ビジター・法人会員】授業動画の視聴方法(ビジター・法人会員向け)

備考

※11月11日は休講となります。補講は12月23日(月)に実施いたします。

講師紹介

川島 隆
京都大学大学院教授
滋賀大学特任講師、特任准教授、京都大学准教授を経て、現在京都大学教授。専門はドイツ文学、ジェンダー論、メディア論。主な著書に『カフカの〈中国〉と同時代言説』(彩流社 2010年)、『図説 アルプスの少女ハイジ』(共著、河出書房新社 2015年)、『NHK「100分de名著」ブックス カフカ 変身』(NHK出版 2024年)。主な訳書に、ジャン=ミシェル・ヴィスメール『ハイジ神話』(晃洋書房 2015年)、『ポケットマスターピース01 カフカ』(共訳、集英社文庫 2015年)、フランツ・カフカ『変身』(角川文庫 2022年)などがある。
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