ジャンル 日本の歴史と文化

早稲田校

古墳時代の人々を探る 流通・儀礼・人と動物

  • 秋講座

日高 慎(東京学芸大学教授)

曜日 水曜日
時間 10:40~12:10
日程 全8回 ・09月25日 ~ 11月27日
(日程詳細)
09/25, 10/02, 10/16, 10/23, 10/30, 11/06, 11/20, 11/27
コード 130254
定員 30名
単位数 1
会員価格 受講料 ¥ 23,760
ビジター価格 受講料 ¥ 27,324

目標

・古墳時代の人々の活動を考古資料から知る
・物資の流通に欠かせない海上交通(船)や陸上交通の様子を知る
・古墳時代の儀礼や祭祀の具体像を遺構や遺物から知る

講義概要

古墳時代の諸問題について現在の知見を紹介する。埴輪の生産と流通、船の構造と流通、関東から東北北部・北海道への物資の流れ、首長居館の在り様と首長権継承儀礼の場、祭祀遺跡、人々の姿や髪型、埴輪に登場する動物の意味といった内容で講義をしていきたい。従来あまり深められてこなかった問題について、出土した考古資料からどのように理解できるのか、という観点で講義を進めていきたい。研究史があまりない内容を扱うので、一緒に考えていただきたい。

各回の講義予定

日程 講座内容
1 09/25 埴輪の生産と流通 埴輪は古墳時代の始めから前方後円墳が築造されなくなるころまで一貫して存在していたものである。埴輪の生産方法の変遷と生産地から古墳への供給について関東地域を中心に述べていく。
2 10/02 船と物資の流通 弥生〜古墳時代は準構造船の時代とされ、奈良時代から平安時代には板材を組み合わせた構造船が登場するといわれてきた。しかし、近年の調査成果により、複雑な構造の船が古墳時代に存在していたことが分かってきた。また、船による流通について文献も使いながら理解したい。
3 10/16 東北北部・北海道への古墳時代文化の広がり 前方後円墳は岩手県の角塚古墳が北限である。しかし、古墳時代文化に属する資料は東北北部さらには北海道地域にまで広がっていく。どのようにしてそれぞれの地域にもたらされたのか、そのルートを考えていく。
4 10/23 首長居館と首長権継承儀礼の場 全国に首長居館と目される遺跡は沢山ある。そこでは首長が政治あるいは祭祀を司っていたことだろう。古墳時代に首長が交代したとき、首長権継承儀礼が行われたといわれてきた。いったいどこでそのような儀礼が行われたのか、考えていきたい。
5 10/30 祭祀遺跡と首長 実用品でない模造品などが出土する場所を祭祀遺跡ととらえてきた。もちろん、実用品もその場所で使用されたようだ。祭祀遺跡と呼ばれる場所で首長はどんなことをしていたのか、残された祭祀遺物から解き明かしていきたい。
6 11/06 埴輪からみた古墳時代の人々 人物埴輪は実に多様な姿をみせている。表現された人物には有力者もいるし、農民もいるようである。服装や被り物、刀などの持ち物も様ざまである。女性は捧げものをする姿が多いようである。人物埴輪の様ざまな造形から当時の人々の姿を考えていく。
7 11/20 古墳時代の髪型について 古墳時代の髪型は人物埴輪に表現されたもので理解することができる。一方、7世紀の茨城県土浦市武者塚古墳では葬られた遺体の周辺から髪の毛や髭などが検出された。実際の髪型を知ることのできる一級資料である。5〜6世紀代の人物埴輪と7世紀代の武者塚古墳被葬者の髪型に違いがあるのかどうか、考えていきたい。
8 11/27 表現された動物の意味 形象埴輪のなかには当時の動物を表現したものがある。人の周辺で暮らしていた動物や鳥などを造形したようである。また、土器や埴輪に刻まれた絵にも動物たちが登場しているし、装飾付須恵器にも登場する。動物埴輪を中心にその意味するところを考えていく

講師紹介

日高 慎
東京学芸大学教授
博士(歴史学)(専修大学)。古墳時代を中心に埴輪の生産と供給、交通・流、祭祀、儀礼など幅広く研究しています。『東国古墳時代の文化と交流』(単著)雄山閣、『古墳時代の交通と流通』(考古調査ハンドブック25)(編著)ニューサイエンス社などがある。
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