ジャンル 日本の歴史と文化
早稲田校
野球の父・安部磯雄 早稲田大学野球部と早慶戦
川口 浩(早稲田大学名誉教授、元早稲田大学野球部部長)

曜日 | 金曜日 |
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時間 | 10:40~12:10 |
日程 |
全6回
・10月18日 ~
12月13日 (日程詳細) 10/18, 10/25, 11/08, 11/15, 11/22, 12/13 |
コード | 130251 |
定員 | 30名 |
単位数 | 1 |
会員価格 | 受講料 ¥ 17,820 |
ビジター価格 | 受講料 ¥ 20,493 |
目標
・安部磯雄(1865-1949)という人物とその思想を知る。
・明治期にアメリカから舶来した"Baseball"の日本的受容を考える。
講義概要
早稲田大学野球部初代監督・飛田穂洲(忠順、1886-1965)の「一球入魂」という言葉は、同野球部、さらに日本の学生野球の理想像を示している。尤もこうした部活の捉え方については、今日、異見があるかも知れない。しかし、飛田の「人道即野球道」(『球道半世紀』、博友社、1951年、140頁)という信条が日本のスポーツ界・教育界に影響を及ぼしてきたことは事実である。そして、こうしたスポーツ観形成の背景に、飛田が師と仰ぐキリスト教社会主義者で早稲田大学野球部初代部長の安部磯雄が存在した事実も見逃すことはできない。本講座では、安部の生涯と思想、早大野球部の成立、その活動を象徴する早慶戦について見てみたい。
各回の講義予定
回 | 日程 | 講座内容 | |
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1 | 10/18 | 安部磯雄(1) | 安部磯雄の生涯と思想を考える。 |
2 | 10/25 | 安部磯雄(2) | 第1回に引き続き、安部磯雄の生涯と思想を考える。 |
3 | 11/08 | 後発の東京専門学校野球部 | アメリカの"Baseball"が日本に受け入れられていく過程と東京専門学校(現・早稲田大学)野球部の成立について見てみたい。 |
4 | 11/15 | 早慶戦の始まり、取り止め、出直し | 1903年、早稲田大学野球部が先輩格の慶応義塾野球部の胸を借りる形で初めての早慶野球試合が行われ、1906年まで続いた。しかし、定期化しつつあった早慶戦は1906年秋に中止となり、1925年まで早慶両野球部が相まみえることはなかった。この事実はスポーツの意味を教育現場や社会全般に問いかけるものであったかも知れない。 |
5 | 11/22 | 早慶戦の過熱 | 1925年秋に復活した早慶戦は、社会の耳目を集め、大きな盛り上がりを見せた。けれども、それ故にか、その道は必ずしも平坦ではなく、スポーツの意義に関わりかねない現象も見られた。 |
6 | 12/13 | 「最後の早慶戦」 | 1943年10月16日、出陣学徒壮行早慶野球試合が行われた。このいわゆる「最後の早慶戦」は、野球部関係者の意志だけでなく、戦時における大学運営のあり方にも関わるものであったのではないだろうか。 |
ご受講に際して(持物、注意事項)
◆本講座は競技史ではありません。
備考
※講師都合により10/11(金)は休講になりました。補講は12/13(金)に行います。
講師紹介
- 川口 浩
- 早稲田大学名誉教授、元早稲田大学野球部部長
- 1951年生まれ。専攻は日本経済思想史。早稲田大学政治経済学部で日本経済思想史、日本経済史を担当。早稲田大学野球部長、早稲田中学校・高等学校校長、社会経済史学会常任理事などを務めた。著書は『江戸時代の経済思想-「経済主体」の生成-』(単著、勁草書房、1992年)、『日本の経済思想世界-「十九世紀」の企業者・政策者・知識人-』(編著、日本経済評論社、2004年)、『日本経済思想史 江戸から昭和』(共著、勁草書房、2015年)、A History of Economic Thought in Japan : 1600-1945 (共著、London: Bloomsbury、2022年)、『熊沢蕃山 まづしくはあれども康寧の福』(単著、ミネルヴァ書房、2023年)など。