ジャンル 芸術の世界
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みちのく民間仏 もう一つの宗教造形
須藤 弘敏(弘前大学名誉教授)
曜日 | 火曜日 |
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時間 | 13:00~14:30 |
日程 |
全5回
・10月08日 ~
11月05日 (日程詳細) 10/08, 10/15, 10/22, 10/29, 11/05 |
コード | 730411 |
定員 | 30名 |
単位数 | 1 |
会員価格 | 受講料 ¥ 14,850 |
ビジター価格 | 受講料 ¥ 17,077 |
目標
・日本近世文化の多様性を知る。
・日本における信仰と造形について見直す。
・小さくはかないものを愛する日本文化を再認識する。
講義概要
北東北の村々に残る、江戸時代に職業仏師ではない人々によって彫られた仏像や神像を集めた展覧会「みちのく いとしい仏たち」が大きな反響を呼びました(2023年4月から24年2月まで。岩手県立美術館・龍谷大学 龍谷ミュージアム・東京ステーションギャラリー)。大半が小さく粗末な木材を用いた稚拙な彫刻は、奈良や京都の端正で瞑想的な仏像や厳しい表情の神像とは正反対の表現です。これまでほとんど存在すら知られていなかった江戸時代の民間仏。それら村の稚拙な造形がなぜ多くの人をひきつけ共感を得るのか、その土地で一体一体を見いだし記録し続けてきた講師が詳しく語ります。
各回の講義予定
回 | 日程 | 講座内容 | |
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1 | 10/08 | 近世の仏像そして「みちのく いとしい仏たち」展 | はじめに展覧会3会場での展示をふりかえります。この展覧会を企画監修するに至った経緯も含め、近世民間仏の魅力に注目していただきます。次に、仏教彫刻史がほぼ語らない近世の仏像はどういうもので、どう展開していたのか。それを踏まえた上で、東北の仏像そして北東北の民間仏へと焦点を絞っていきます。 |
2 | 10/15 | 山と浜の仏像神像 | 北東北で生まれ守られてきた仏像や神像はきまって村落にあります。ことに山間や浜辺の村に造形的な個性を見せる像が多く、その根底には山や川や海をカミとして崇める信仰もうかがえます。それらの中から代表的な像を紹介し、それぞれの村における信仰の様態についても触れていきます。 |
3 | 10/22 | 大工右衛門四良の仏像神像ほか | 18世紀の青森県上北地方で仏像神像を刻み続けた一人の大工がいました。百体近くもの像が残っていて、その作者や制作時期がわかる民間仏としては珍しいケースです。仏師ではない立場に徹した彼の彫刻は主に上北地方の家々の神棚に祀られてきました。村の暮らしに寄りそってきたその造形などを丁寧に見ていきます。 |
4 | 10/29 | 十王像と鬼形像 | 北東北に限らず、全国各地の村々にあった地蔵堂、閻魔堂、十王堂は人々の信仰生活の拠点でした。町の寺院と異なり、宗派や権威と無縁のお堂は亡き人を偲ぶ場である一方、村の集会所を兼ねていて、人々の暮らしとともにありました。そこに祀られた十王や鬼たちは、かれらの涙と笑いを率直に反映しています。民間仏ならではの個性あふれる傑作たちを村の様子とともに紹介します。 |
5 | 11/05 | かわいくてかなしくて | 民間仏は美術史が取りあげる古く美しい仏像から遠く離れた位置にあり、同時代の円空や木喰の仏像とも異なります。一見似て見えるアフリカやオセアニアの宗教彫像とも異なっているし、共通する性格もあります。祈りを率直に造形化した北東北の民間仏はなぜ生まれ、どう守り伝えられてきたのか、その本質を考えます。 |
ご受講に際して(持物、注意事項)
◆休講が発生した場合の補講は、11月12日(火)を予定しております。
◆Zoomウェビナーを使用したオンライン講座です。
◆お申込みの前に必ず「オンラインでのご受講にあたって」をご確認ください。
◆お申込みいただいた有料講座の動画は、当該講座実施の翌々日(休業日を除く)17:30までに公開します。インターネット上で1週間のご視聴が可能です。視聴方法は、以下をご確認ください。
【会員】授業動画の視聴方法(会員向け)
【ビジター・法人会員】授業動画の視聴方法(ビジター・法人会員向け)
◆8/31(土)16:00より本講座の無料体験講座を実施します。
◆無料体験講座お申込みはこちらから。
>https://www1.ex- waseda.jp/online/「無料体験講座」をクリックし、「絞り込み」をクリックしてください。
備考
無料体験会での本講座の様子を公開しました。5分程度の動画です。
再生すると音が出ます。視聴の際はご注意ください。
講師紹介
- 須藤 弘敏
- 弘前大学名誉教授
- 弘前市生まれ。博士(文学、東北大学)。専門分野は仏教絵画史、東北の仏教美術。主著に『絵は語る3 高野山阿弥陀聖衆来迎図―夢見る力―』(平凡社)、『法華経写経とその荘厳』(中央公論美術出版)などがある。
2023年から24年にかけて開催された「みちのく いとしい仏たち」展を監修。同展図録の総論と作品解説を担当。