ジャンル 世界を知る
早稲田校
イスラムとキリスト教・ユダヤ教の共存と角逐の歴史と現在
宮田 律(一般社団法人現代イスラム研究センター理事長)

曜日 | 木曜日 |
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時間 | 13:10~14:40 |
日程 |
全8回
・10月03日 ~
11月21日 (日程詳細) 10/03, 10/10, 10/17, 10/24, 10/31, 11/07, 11/14, 11/21 |
コード | 130338 |
定員 | 70名 |
単位数 | 1 |
会員価格 | 受講料 ¥ 23,760 |
ビジター価格 | 受講料 ¥ 27,324 |
目標
・中東イスラム世界の民族・宗派問題の淵源を知る
・パレスチナ問題の発生、展開、和平の障害、和平の可能性を検討する
・イスラム・ユダヤ・キリスト教の共存は可能であるかを検討する
・イスラム文化の特徴を知る
・パワポ資料でイスラム世界の旅の楽しさを知る
講義概要
7世紀に成立したイスラムは、ユダヤ教やキリスト教の影響を受けて成立した。中世イスラム世界ではこれら3宗教の共存はイベリア半島、またオスマン帝国に至るまで可能であった。オスマン帝国の崩壊後になぜイスラム、ユダヤ教とキリスト教との対立構造が生まれたか、その背景を探る。また「解のない方程式」とも形容されるパレスチナ問題はどうして発生したのか、その歴史的展開を述べるとともに、どうして平和が達成できないのか、その背景を考察、紹介する。イスラムは世界最大の信徒人口を抱える宗教になろうとしているが、現代世界におけるイスラムの意義を考え、イスラム世界の時事問題を解説する。
各回の講義予定
回 | 日程 | 講座内容 | |
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1 | 10/03 | 中東イスラム世界の民族と宗派 | 中東イスラム世界の民族と宗教(宗派)を紹介し、どうして宗教間の暴力が行われるようになったのか、その背景を探るとともに、暴力を減少するにはどのような措置が必要なのかを考える。 |
2 | 10/10 | ヨーロッパのユダヤ人とオスマン帝国のユダヤ人 ―差別と共存 中世世界を支配していたイスラム世界 | ヨーロッパのユダヤ人の差別や偏見、また旧ロシア帝国におけるポグロムやナチス・ドイツのホロコーストまでの歴史を追うとともに、イスラム世界におけるユダヤ人との共存形態を紹介する。映画「屋根の上のヴァイオリン弾き」「戦場のピアニスト」の時代的背景を探る。 オスマン帝国がヨーロッパに与えた影響についても検討したい。 |
3 | 10/17 | パレスチナ問題の歴史(1) | パレスチナ問題の歴史を第二次中東戦争のアラブ・ナショナリズムの高まりまでを追う。第一次中東戦争による大量の難民の発生。イスラエルのネーション・ビルディング。アラビア語を話していたイスラエル建国以前のパレスチナのユダヤ人やクリスチャン。ユダヤ人の極右シオニズムの誕生。イギリスの委任統治当局に対するテロ活動など、イスラエル建国にまつわるエピソードを紹介したい。 |
4 | 10/24 | パレスチナ問題の歴史(2) | 現在までも続くイスラエルの占領を作った第三次中東戦争から第四次中東戦争を経て1982年のレバノン戦争までのパレスチナ問題の流れを紹介する。パレスチナ人は戦争からイスラエルとの共存へ。第一次石油危機で、資源小国の日本はアラブに接近。 |
5 | 10/31 | パレスチナ問題の現状と和平への展望 | 1993年のオスロ合意から現在のガザ戦争までのパレスチナ問題を歴史を紹介する。イスラエルとパレスチナが初めて相互承認に踏み切ったオスロ合意。オスロ合意はどうして破綻したのか?イスラエルの政治・社会を牛耳るようになったイスラエル極右のイデオロギーを考える。また、アメリカはなぜイスラエルに傾斜するのか、その背景を探る。 |
6 | 11/07 | 現代のイスラムと政治・社会 | 現代世界においてイスラムはなぜ復興するか―イスラムの宗教メカニズムを考える。 穏健なイスラム復興運動と、アルカイダ、ISなどの武装集団の活動のなぜ台頭したのか、その背景や要因を考える。 |
7 | 11/14 | 現代のイスラムと他の宗教世界(ユダヤ・キリスト教) | 現代のイスラムとユダヤ、キリスト教世界との関係を欧米社会などを例に語る。これら三つの宗教の特徴を紹介するとともに、共通性や相違を明らかにし、現代における共存が可能なのかを探る。 |
8 | 11/21 | イスラム世界の時事問題解説 | イスラム世界の時事問題を平易に解説する。イスラエルのガザ攻撃、イスラエルとイランの緊張など。また新大統領の下でのイラン政治の変化などについて考える。 |
ご受講に際して(持物、注意事項)
◆休講が発生した場合の補講日は11月28日を予定しています。
講師紹介
- 宮田 律
- 一般社団法人現代イスラム研究センター理事長
- 1955年、山梨県生まれ。米国カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)大学院修士課程修了。87年、静岡県立大学に勤務し、中東アフリカ論や国際政治学を担当。専門は、イスラム地域の政治および国際関係。著書に、『現代イスラムの潮流』(集英社新書)、『オリエント世界はなぜ崩壊したか』(新潮選書)、『中東イスラーム民族史』(中公新書)、『武器より命の水をおくりたい 中村哲医師の生き方』(平凡社)、『イスラエルの自滅』(光文社新書)など。