ジャンル 世界を知る
早稲田校
ヨーロッパの大航海時代と近世フランス海洋帝国の形成
君塚 弘恭(早稲田大学教授)

曜日 | 水曜日 |
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時間 | 10:40~12:10 |
日程 |
全6回
・10月23日 ~
11月27日 (日程詳細) 10/23, 10/30, 11/06, 11/13, 11/20, 11/27 |
コード | 130304 |
定員 | 30名 |
単位数 | 1 |
会員価格 | 受講料 ¥ 17,820 |
ビジター価格 | 受講料 ¥ 20,493 |
目標
・16世紀 大航海時代以降のヨーロッパ世界の拡大を理解する。
・近世フランスの海洋帝国と交易ネットワークの展開を学ぶ。
・フランス植民地社会における「文化の混血」を理解する。
講義概要
本講座では、第1に、16世紀のイベリア半島から始まる大航海時代を中世ヨーロッパ社会との連続性と近世世界の幕開けという両側面から捉えます。第2に、大航海時代に遅れて参入したフランスの海洋帝国形成と海港都市から広がる交易ネットワークについて論じ、近世の資本主義世界経済の展開を学びます。第3に、18世紀フランス植民地社会の変化と「文化の混血」を検討し、近世ヨーロッパ世界の拡大がもたらした影響について考察します。
各回の講義予定
回 | 日程 | 講座内容 | |
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1 | 10/23 | ヨーロッパの大航海時代の前史 | 私たちが大航海時代と呼ぶ、16世紀ヨーロッパの歴史的イベントは、ヨーロッパの人々が新たな航路を通って、インド洋や大西洋に進出したことに始まります。なぜ、ヨーロッパの人々はインド洋や大西洋に進出することになったのでしょうか。これを理解するためには、中世ヨーロッパにおける北ヨーロッパと地中海世界における変化を知る必要があります。第1回講義では、中世の北海における漁業の変化と地中海における商業圏の変化について学びます。 |
2 | 10/30 | 交易のグローバル化と近世の幕開け | 16世紀の大航海時代は、北大西洋と北ヨーロッパを結ぶルート、カリブ海とイベリア半島を結ぶルート、喜望峰周回航路の3つを中心に展開しました。その中で中心的な役割を果たした商品が銀であり、銀の流通は、近世世界における交易のグローバル化ともいえる現象を引き起こしました。第2回の講義は、近世という時代の幕開けを交易のグローバル化という観点から考えます。 |
3 | 11/06 | 17世紀フランスの海洋進出 | 西ヨーロッパの国家の一つであるフランスは、17世紀になってようやく、大航海時代に参入した、いわば、「後進国」でした。そのフランスは、どのようにして、スペインやポルトガルといった「先駆者」たちに挑んでいったのでしょうか。第3回講義では、17世紀フランスの海外進出の戦略について考察します。 |
4 | 11/13 | カリブ海植民地プランテーションの発展 | 近世フランスの海外貿易において最も重要なセクターとなったのが、カリブ海植民地との交易でした。中でも最重要商品が砂糖でした。第4回講義では、フランス領カリブ海植民地における砂糖プランテーションの発展と国際貿易との関係について考えます。 |
5 | 11/20 | 黒人奴隷貿易とブラック・ディアスポラ | 近世フランス経済にとってカリブ海植民地での砂糖生産が重要な位置を占めたのなら、その労働力となったのが、いわゆる「黒人奴隷」と言われるアフリカから到着した人々でした。第5回講義では、黒人奴隷貿易の展開とカリブ海社会に与えた影響について学びます。 |
6 | 11/27 | 18世紀フランス植民地社会の変化 | 18世紀のフランス領カリブ海植民地は、制度的には本国の制度が移植され、本格的に本国に統合されつつありました。そして、植民地出身者の中には、本国の教育機関で教育を受けて行政官を目指す人々も出てきました。第6回講義では、18世紀末における植民地社会の変化について考察し、ハイチ独立に至る前のカリブ海世界について考えます。 |
講師紹介
- 君塚 弘恭
- 早稲田大学教授
- 1979年生まれ。南ブルターニュ大学(フランス)博士課程修了。博士(歴史学・南ブルターニュ大学)。専門分野は近世フランス社会経済史、国際商業史。早稲田大学社会科学総合学術院にて、学部および大学院の講義を担当。著作物としては、Bordeaux et la Bretagne au XVIIIe siècle, Les routes du vin (PUB)などがある。