ジャンル 現代社会と科学

中野校

AI・デジタル社会の経済学 限界費用ゼロの社会の到来とその動向を理解する

  • 秋講座

樋口 清秀(早稲田大学名誉教授)

曜日 土曜日
時間 10:40~12:10
日程 全7回 ・09月28日 ~ 12月07日
(日程詳細)
09/28, 10/05, 10/12, 10/26, 11/09, 11/30, 12/07
コード 330701
定員 24名
単位数 1
会員価格 受講料 ¥ 20,790
ビジター価格 受講料 ¥ 23,908

目標

◆AI・デジタル技術の急展開とビジネスの破壊的変化を理解する。
◆新たな経済現象としての限界費用ゼロの重要性を理解する。
◆今後のAI・デジタル経済の成長・発展を見通す。

講義概要

今日の新たな情報社会の展開にはAI・デジタル技術の急速な進化が大きな役割を果たしてきている。AI・デジタル技術はデータの探索・保蔵・計算・検証・転送コストを大幅に引き下げるばかりではなく、新たな経済として限界費用ゼロを登場させ、これまでの経済社会を根底から変えつつある。それはシェアリングエコノミーの台頭である。本講座では、今日のAI・デジタル技術の進化から生み出される新たなビジネスや経済について、その合理性を経済学的に解釈するとともに、これからの経済の成長を見通すことにする。

各回の講義予定

日程 講座内容
1 09/28 現代のAI・デジタル経済を理解する 本講義の概要と現代のAI・デジタル社会の進展を紹介するとともにどのような経済の変化が引き起こされているかを紹介する。
2 10/05 限界費用ゼロの意味するもの これまでの資本主義経済における生産では限界費用は正となるのが常識であったが、これを覆す経済が登場した。それが限界費用ゼロである。ここではこの限界費用ゼロの重要性とこれがこれまでの経済学をどのように変えるのかを紹介する。ここではとくに限界費用ゼロは経済行動主体の分散化と富に集中をもたらすことに注意を払うことにする。
3 10/12 シェアリングエコミーを理解する シェアリングエコノミーの登場とその仕組みと合理性を理解する。とくにシェアリングエコノミーでは個人と個人・企業間でのモノやサービスの共有が促進され、空間のシェア、モノのシェア、スキルのシェア、移動のシェア、お金のシェアなど生み出されてきており、これらがこれまでにない、経済効率性が生み出されつつあります。ここではこれらの経済合理性を説明する。
4 10/26 シェアリングエコノミーの諸課題 シェアリングエコノミーがもたらす経済問題を考える。これまでの資本主義経済をどのように変えるのか。またこれまで生産・所有・分配がどう変わるのか。また労働はどのように扱われるのか。またこの経済から生み出される富への課税はどうしたらよいのか。これら諸問題とその解決策を考えることにする。
5 11/09 シェアリングエコノミーと国民経済 これまでの国民所得計算では生産における付加価値の増加が国民所得の増加とされましたが、シェアリングエコノミーでは情報が価値付けされるが、それがどのように付加価値とされるのか。ではこれらシェアリングエコノミーから生み出された経済をどのように国民所得に反映させていけばよいのか。ここではそれをデジタル現在経済の付加価値問題として議論することにする。
6 11/30 オープンイノベーションと経済成長を考える。 AI・デジタル技術の進化は新たなイノベーションパターンを作り出し、それが経済成長を促進するといわれる。それは事実であろうか。
ここでは新たなイノベーションである「オープンイノベーション」に着目し、従来のイノベーションとの相違、経済成長促進へのメカニズムおよび経済社会的問題点を検討する。
7 12/07 講義の総括 これまでの講義の総括を行いつつ、今後の日本経済・世界経済の在り方を考えることにする。

ご受講に際して(持物、注意事項)

◆授業では板書しますので、筆記用具を持参してください。
◆受講には、問題意識も持って、積極的に参加してください。

講師紹介

樋口 清秀
早稲田大学名誉教授
1950年静岡県河津町生まれ。早稲田大学大学院経済学研究科理論経済学専攻博士課程修了単位取得退学。早稲田大学理工学部および大学院国際情報通信研究科教授ののち早稲田大学国際学術院(国際教養学部、大学院コミュニケーション研究科)教授を経て、現在、名誉教授。主な著作物として共著で『マクロ経済学』、『IMIDAS』(集英社)「国際金融」、単著論文として「ステイクホルダー資本主義と日本企業」、「COVID19と経済の行く方」、「新しい供給サイド経済学と岸田政権の「新しい資本主義デザイン」」「行動経済学とBCA」など、多数。総務省郵政行政分科会長、東京都台東区教育委員長、日本水道事業団入札監視委員会副委員長などを歴任。現在静岡県ふじの国観光公使など。

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